2022
Jun
07
賃貸契約更新時の値下げ交渉とその結果(更新料は支払わなくてもよい?・後編)
前回の記事(中編・法定更新って?)の続き
賃貸アパートの契約更新に際して、値下げ交渉をしてみるべく、私は不動産管理会社に電話をかけました。
家賃が周辺相場と比べて高ければ値下げ交渉は可能なようですし、値下げ交渉しなくとも法定更新(更新料を支払わずに、それまでの条件で契約更新)もできるという、ネット上で数十分かけて仕入れた情報を頼りに、おそるおそる私は携帯電話の番号ボタンをプッシュしました。
※この分野に関して、私は単なる雑魚素人ですので、事実の認識や法律の解釈などが必ずしも正しいとは限りません。あくまでも個人的な体験の備忘録です。
賃貸アパートの契約更新に際して、値下げ交渉をしてみるべく、私は不動産管理会社に電話をかけました。
家賃が周辺相場と比べて高ければ値下げ交渉は可能なようですし、値下げ交渉しなくとも法定更新(更新料を支払わずに、それまでの条件で契約更新)もできるという、ネット上で数十分かけて仕入れた情報を頼りに、おそるおそる私は携帯電話の番号ボタンをプッシュしました。
※この分野に関して、私は単なる雑魚素人ですので、事実の認識や法律の解釈などが必ずしも正しいとは限りません。あくまでも個人的な体験の備忘録です。
◎家賃の値下げ交渉や!!
不動産屋「はい、○○○○です」
電話に出たのは、声色から察するに20代前半と思しき男性でした。
白の上下スウェットを着込み、スキンヘッドの額に傷がある住み込みの元暴走族社員を私は想像しました。
私「ワタクシ、○○市の○○で○○のアパートを借りている○○と申します。賃貸契約の更新についてお話したいのですが、よろしいでしょうか」
不動産屋「はぁ、どういったお話でしょう?」
私「約4年前からずっと、月々の家賃が11万円なのですが、周辺の家賃相場を鑑みると、ちょっと高いのではないかなぁ、と思いまして・・。それから、同じアパートの他の部屋の家賃も知っているので、今回の更新時の値下げを相談させてもらえないでしょうか」
同じアパートの他の部屋で、私が家賃を知っているのは、ひとつだけなのですが、すべて知っているような雰囲気を醸し出しながら話しました。
※家賃の金額は仮の数値です。
不動産屋「ん~とぉ、どの時期に入居するかによって家賃は変わってくるんですよねぇ・・。まぁ、分かりました。んで、どのくらいのお家賃での更新をご希望ですか?」
拍子抜けするくらいにあっさりと、交渉のテーブルに乗ることができました。
ひょっとして、一旦油断させてから言葉尻を捉えて徹底的に矛盾を追及してくるつもりなのか!?と、私は細心の注意を払って続けました。
私「更新料はキチンと支払うので、月々の家賃を4000円下げてもらって、10万6千円でどうでしょうか?」
不動産屋「う~ん、1000円や2000円ならともかく、4000円は、ちょっとねぇ・・」
私としては、わざわざ「更新料はキチンと支払う」と言ったことで、言外に更新料を支払わずに法定更新することが選択肢にあることをチラつかせたつもりだったのですが、この若い不動産屋の社員には伝わらなかったようです。
※金額は仮の数値ですが、割合(比率)はほぼ同じです。
私「もしも、これが通らなければ、私は法定更新を選択しようと思っています」
不動産屋「ほ、ほうていこうしん?」
私「はい、借地借家法の26条に規定されていますよね」
私はわざと、「借地借家法の26条」などという小難しそうなキーワードを使い、法律に詳しそうな雰囲気を醸し出しました。当然、ネットでググっただけの即席の知識ですし、「26条」以外の借地借家法は知りません。
不動産屋「えっ、あ、はい、ほうていこうしんですね!?少々お待ちください」
20代前半と思しき不動産屋の社員は、そもそも「法定更新」という言葉さえ知らないような雰囲気でした。
パンチパーマの上司に質問と相談にでも行ったのでしょうか。そして、「オドレ!そんなことも知らんのんか!?」と、ドヤされているのでしょうか。。
◎値引き額の根拠と作戦
4000円の値引きを申し出たのには、それがキリのいい数字であるという以外にも、一応私なりの根拠があります。
月々の家賃を4000円値引きすることで、大家サイド(賃貸人)は2年間で9万6千円の減収になります。
しかしながら、法定更新を選択されると更新料の11万円分が減収となるので、こちらの方が痛いはずです。ましてや交渉がこじれて空室が生じれば、ひと月あたり11万円が入ってこなくなります。
※金額は仮の数値ですが、割合(比率)はほぼ同じです。
私の推測ですが、現実的に大家サイド(賃貸人)としては、法定更新によって賃貸契約を更新しているケースなんて多くはないでしょうし、できればそんなイレギュラーな契約は避けたいのではないか。また、訴訟になれば微妙なラインで揉めることがほぼ確実で、費用ばかりがかかる「更新料」に関する裁判なんて絶対にやりたくないはずだろう、と考えました。
つまり、こちらが法定更新をチラつかせて交渉している以上、大家サイドにとっても4000円の値引きというのは、痛みの少ない現実的な妥協ラインなのです。
当然こちらも、なにかと物議を醸す「更新料」に関する訴訟なんてする気はありませんが、その構えがある(裁判をやる覚悟もある)くらいの姿勢は見せてみようと思いました(ホントにそうなりそうなら、諦めて引っ込めますが・・)。
先ほどの電話の続きに戻りますが、「少々お待ちください」と不動産屋の若い社員に言われ、暫し待たされたあと、再び同じ社員に「検討して、またご連絡差し上げます」と言われたので、私も丁寧に挨拶して電話を切りました。
◎更新料不払いをチラつかせた家賃値下げ交渉の結果
そして、翌日。
例の不動産屋から電話があり、「月々の家賃を4000円値下げいたしまして、10万6千円で合意更新する契約書を作成し、早急に送付いたしますので、ご署名・ご捺印のうえ、ご返送をお願いいたします」と言われました。
結局、パンチパーマのコワモテ不動産屋は登場しませんでした。
想像以上にアッサリと値下げに成功してしまいました。
せっかくなら、もっと大きく値下げ交渉すればよかったかな、なんてことも思いましたが、数十分のネット検索による勉強と、たった一本の電話で、約3.6%のディスカウントに成功するなら個人的には上出来です。
お金の運用に関していえば、確実に(ノーリスクで)年率3.6%の利益が得られる金融商品を見つけることは不可能に近いですから。
ひょっとしたら、私のケースは例外だったのかもしれませんが、家賃が相場よりも高いと感じている賃借人(家を借りている人)は、賃貸契約の更新時に法定更新(更新料を払わない)をチラつかせて、月額賃料の値下げを要求する電話の一本くらいかけてみるのはアリなのかな、と思いました。
同時に、もしも自分が賃貸人(貸している人、つまり大家さん)だったら、契約書に隙がないか、更新料があるとしても、それは合理的に説明のつく妥当な金額なのかを確認すべきだなぁ、とも思いました。
ちなみに私はその2年後も、全く同じ方法で、同じくらいの値下げ要求をして、それもあっさりと成功しています。
ネット上の情報が必ず正しいわけではありませんし、そこで当たり前に語られている内容が一般的なものだとは限りません。しかし、何も知らない分野にお金を投じる必要のあるときなどに、まずはネット検索してみることで役立つことも少なくはないはずです。
もちろん、本当に大切なことや、その情報に関して責任を伴う立場として発言するような場合は、1次情報(原典)にあたることが必要ですし、どんな情報も鵜呑みにせず自分の頭で考えることの大切さも忘れてはなりません。
ただ、今回の記事に書いた私のあのときの体験は、ネット上で集めた付け焼刃の知識であっても、全くの無知よりは効率よくモノゴトを進めることが出来た一例だと思っています。
※ 地域によっては、更新料そのものが存在しないところもあります。
※今回の記事シリーズは、10年ほど前に書いたものを加筆修正したものです。
《似たような実体験レポートの一読推奨人気記事》
・入院時の差額ベッド代は支払わなくてもよい?シリーズ
・交通事故による診療には健康保険が使えない?シリーズ

↑記事を気に入っていただけたら、ランキングに1票(クリック)をお願いします。