いつか子供に伝えたいお金の話

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セゾン投信のバンガード・グローバルバランスファンドから資金が流出している件について(評価・解説)

ここ最近、当ブログに「セゾン投信 危ない」だとか「セゾン投信 資金流出」などのキーワード検索でアクセスしてくださる方が、少しずつ増えてきました。

いわゆる「アベノミクス相場」の影響なのかセゾン投信も投資パフォーマンスは絶好調ですが、たしかに昨年(2013年)のある期間、看板ファンドであるセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドからの流出資金が流入資金を上回っていました。

私はこれまでに、投資初心者にオススメできるファンド(投資信託)として、セゾン投信のこのファンドを候補のひとつに挙げて記事を書いているので(参考記事→セゾン投信を投資初心者にオススメする理由)、いま思っていることも書いておくことにします。



◎資金流出が相場下落時にも起こるのか


この件に関して、セゾン投信が実際に危ないのかどうかは、今のところなんとも言えません。
相場好調時(基準価額上昇時)に「利益確定の売り」が発生するのは、セゾン投信に限った話ではないからです。

見極めポイントは、相場下落時にも、ファンドからの流出資金が流入資金を上回る状況が発生するどうかでしょう。

相場下落時に投げ売りするような「腰の据わっていないお金」ばかりが集まっているファンドだと、投資対象が安いときに仕込むことが出来ず投資効率も悪いので、資産形成のための長期投資に適したファンドとは言えません。

ただ、そもそもセゾン投信は、そういう「腰の据わっていないお金」ばかりにならないように直販スタイルの投信会社を立ち上げて、啓蒙活動も行っているので、そうなる可能性は低いのではないかと個人的には思っています。中野社長は、相場下落時に安定した資金流入を得られるようなファンドをつくるために、セゾン投信を立ち上げたのでしょうから。

(実際、相場下落時にどうなるのかは、よ~~く見て、そのときまた記事にするつもりです。)



◎やれやれ売り?


さて、セゾン投信の資金流出の理由は色々あるのでしょうが、一般によく言われているのは「やれやれ売り」です。

「やれやれ売り」とは、買ったファンドの損益がマイナスになり、長い間ツラい思いをして我慢していたら、やっとのことで買値くらいに戻ってきたので、「やれやれ。。」と思って売ってしまうことです。

長期的な資産形成のためにファンドに資金を投じたのであれば、短期的な損益で投資スタンスを変えてしまうのは良くないことでしょうが、精神的に落ち着かずに結果として「やれやれ売り」をしたり、ちょっと気持ちよくなるために「利益確定の売り」をしてしまうのは、仕方ないのかもしれません。

各投資家のいわゆる「リスク許容度」は、理論的な金銭面だけのものではなく、精神的な問題でもあるからです。

むしろ、腰の据わった資金が篩(ふるい)にかけられているようなものだと思います。

しかしながら、一旦リスク資産のすべてを現金化し、やがて来る下落を待ってから投資しようとするような「タイミング投資のための売り」は、普通の人の資産形成の投資判断としては、私はオススメしません。

上手くいくかどうか分かったモンじゃありませんし、なによりタイミングを図るためにゴチャゴチャ考える時間が必要になって、プライベートや仕事の時間を侵食し、より良く生活するために行っている投資が、生活の負担になりかねないからです。

(参考記事→暴落を待って投資する?



◎リバランスのための売りなら問題なし


昨年のセゾン投信の資金流出の大部分が、リスク資産が膨らみすぎたゆえの無リスク資産とのバランス調整のための個人投資家によるリバランス(利食い)であれば、長期投資ファンドとしては全く問題ないでしょう。

2012年の後半から、いわゆる「アベノミクス相場」が始まって、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの基準価額も2013年末までに40%以上も上昇しています。

当たり前のことですが、仮に2012年の後半に100万円を投資したら、40万円以上の利益がでている計算になります(投資のスタートタイミングによっては、もっと大きな利益が出ている人もいるはずです)。

キチンとリスクコントロールを行いながら資産形成を図っている投資家の中に、無リスク資産との調整をする人がいてもおかしくはないでしょう。

リスク資産(セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド)内のリバランス※1は、ファンドマネージャーが勝手にやってくれますが、各個人のトータルな金融資産におけるリスク資産と無リスク資産のコントロールは各自でやるしかありません(参考記事→無リスク資産の必要額)。

例えば、リスク資産と無リスク資産をだいたい50対50の割合で保有することに決めている投資家が、70対30に崩れてしまった比率を50対50に戻すような投資行動は、理にかなったものだと思います。

私も、リスク資産が無リスク資産の倍以上になった場合にリバランスを行うマイルールに従って、実際に昨年末、リスク資産の一部売却を行っています(参考記事→2013年末のアセットアロケーション)。

むしろ、このあたりのこと(無リスク資産とのバランス)は、セゾン投信でさえ啓蒙していない部分なので、情報発信して推奨してもいいくらいかもしれません。それは即ち、相場下落時の資金流入にも繋がるものだと思います。

(他にも2014年からの税制変更やNISAのスタートなどが資金流出に影響している可能性もありますが、このあたりの話にまで言及してしまうと、さらにマニアックな話になって、記事の主旨からズレてしまうので割愛します。)



◎まだ心配ないけど、今後の資金フローには注目


そのうちまた訪れるであろう相場下落時に、ファンドからの流出資金が流入資金を上回る状況が発生するようなら、心配を始めてもいいかもしれませんが、仮にそうなったらそのときまた考えればいいので、いま慌ててファンド(セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド)を解約する必要は全くないでしょう※2

知人や親戚にセゾン投信のファンドを紹介してオススメすることのある私としては、相場下落時にも資金フローがマイナスになる(流出資金が流入資金を上回る)ような状況が続くようならば、直接オススメした人には乗り換えの検討を勧めるでしょうし、このブログでも警鐘を鳴らすはずです。

私は、セゾン投信を応援していますが、同時にシビアな目線も失わずにウォッチしていくつもりです。

続編記事→「セゾン投信は危なくなかった」



※1 リバランスとは、一定の時期(もしくは乖離率)ごとに、最初に決めたアセットアロケーション(資産配分)比率より上がっているもの(アセット)は売却し、下がっているものは買い増して元に戻すことです。主目的はリスクコントロールですが、価格の下がった資産を買って比率を戻すことで、長期的には高パフォーマンスが期待できるといわれています。

もちろん、リバランスによる長期的な高パフォーマンスを期待するためには、株価や債券価格や為替の上下循環(下がってもまた上がる・上がってもまた下がる)という前提が必要ですが・・


※2 そもそも、個人投資家の売買がファンド(投資信託)の基準価額の形成に与える影響は、個別株式の価格形成のそれとは違います。

当該のファンドそのものの解約が多いからといって、必ずしも基準価額が下がるわけではなく、そのファンドを通じて投資している株式や債券などの価格が上がるか下がるかが直接的に影響するのです。
だから、資産残高は下がり続けている(資金流出が続いている)のに、基準価額は上がり続けているようなファンド(危ないファンド?)や、その逆のファンド(優良ファンド?)もあるわけです。

まぁ、厳密に言えば、ファンドを通じた間接的な投資資金の買付や売却も基準価額にごく僅かな影響を及ぼすでしょうが、セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドのような世界規模の時価総額のインデックスファンドに占めるその割合は、誤差にもならないレベルだと考えてもよいでしょう。



※セゾン投信のファンドは、楽天証券SBI証券から個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)用の商品としても買い付け可能。


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虫とり小僧

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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
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モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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