いつか子供に伝えたいお金の話

インデックス投資(投資信託を使った国際分散投資)による資産運用・各種保険・クレジットカード・節約など「お金」に関することを書き綴るブログ

生死の間を彷徨っていました

今月はブログ更新どころではありませんでした。

意識のないまま生死の間を彷徨っている時間と、意識だけはあっても身体中に管や点滴の入った状態で自分ではほぼ何もできないまま病院の集中治療室にいる時間がほとんどでした。

差し迫った生命の危機からは脱し、一般病棟へ移ったあとも、文字を読んだり、スマホに文字を入力したりするのはかなり大変な作業で、10年以上ほぼ毎週更新してきたこのブログも1ヶ月間放置してしまいました。

でも、こうやってまた更新できて本当に良かったです。それなりの確率であのまま死んでいたかもしれないのですから。



10月初旬の某日20時頃、突然「ずぅーん」と胸と背中が痛くなり、視界の8割くらいが暗くなりました。

実はこの段階で、心臓の血管が裂ける急性大動脈解離(スタンフォードA型)が起こっていました。この時点で失神する人もいるようですし、早急に救急車を呼ぶべきでした。対応が遅くなればなるほど生存確率は下がってしまうそうです。

ところが無知で、気合いだけには自信のある私は、よくある目眩の重めのやつだろうとあまり気にせず、胸の痛みを抱えたまま風呂に入って寝てしまいました。

そして、翌日の午前中に近所の脳神経外科へ行き、前日の晩、強烈な目眩と視野狭窄があったことを訴えました。胸の痛みのことを伝えたかどうかは覚えていません。脳神経外科では、頭のCTを撮られ、特に異常がないことを確認し、昨晩のそれは典型的な片頭痛だと説明を受けました。たしかに私は閃輝暗点(せんきあんてん)からの片頭痛がたまにあります。

安心して帰宅したものの、胸の痛みが解消されないことにモヤモヤを感じたので、ひょっとしたら心臓のトラブルかもしれないと思い、近所の循環器内科に行きました。そこで私の血圧を測り、聴診器を胸に当てたドクターの顔色が変わりました。

「心雑音がヒドい。もし、昨晩の段階で心臓の血管が破れていたとしたら、これは急を要する。紹介状を書くから午後いちでここの循環器内科を受診しなさい」

徐々に危機感を感じてきた私は、紹介を受けた近所の大きめの病院に行ったのですが、予約していないので、受付するには立って並ぶしかありませんでした。胸の痛みが強くなっていく中、30分ほど立って待ち、受付を済ませました。

すると、午後の診察のための問診は1時間後にスタートするので、血圧を測って待つよう言われました。自分の問診番号と午後最初の人(予約している人や午前から並んでいる人?)の番号には50以上の開きがあり、この番号どおりに問診を受けていたら夕方になってしまうと不安になってきました。

また、言われたとおりに血圧を測ったら、冗談かと思うほど低い数値が出て、何度測っても同じなので、これはいよいよマズいと生命の危機を感じました。この待ち時間中に知り合いの数名の医者に電話してみたりしたのですが、昼間の電話に出られる医者などいるわけがありません。

午後の問診が始まると最初に私が呼ばれました。これにはホッとしました。紹介状にはなんて書いてあったのでしょうか。

そのあとは、心エコー検査とCT検査を行うということだったのですが、もう心エコー検査の段階でそれを見た専門医が「あー、これはダメだね。弁も落ちちゃってるように見えるし。この状態で歩いて受診してくる患者さんはいませんよ、普通。スゴいですね」と、なんとも言えないコメントをもらいました。

その後私は数週間、寝たきり状態から動けなくなります。

緊急手術をしないと命はまず助からないということで、すぐにオペ対応可能な同県内の比較的近くの別の病院に救急車で移動しました。

手術直前に電話で家族と話す時間を取れたのですが、結局「もしかしたら、これが最後になる可能性がある。今までありがとう」くらいのことしか言えませんでした。話したいことはたくさんあったのに。

詳細は控えますが、急性大動脈解離(スタンフォードA型)と大動脈弁輪拡張症の合併症だったらしく、8時間にも及ぶ開胸手術でした。

私に意識はありませんでしたが、手術後に容態が重篤になったりして、数日後には再度開胸手術なども行いました。

また、専門医に診てもらうまでに18時間以上も経過してしまったことが、その後の対応を難しくし、その他の器官にも悪影響を及ぼしたようです。

初回の手術を行ってから10日間くらいの記憶はほぼありません。意識は朦朧として、夢なのか現実なのかも分かりませんでした。

また、意識が戻ってからも、身体中に色々な管が入っていて、声も出せず、熱いとも寒いとも痒いとも痛いとも自分の意思や感情を何も伝えることができず、本当にツラかったです。意識がはっきりしたときには、首を持ち上げる筋力すらなくなっていました。

そんな状況でしたが、ICU(集中治療室)では、生命を維持するために必要なことから下の世話までのすべてをプロフェッショナルな看護師さんたちに対応していただきました。仕事とはいえ、感謝しています。

難しい状況で緊急オペを引き受けてくださった執刀医の先生には、文字どおり命を救ってもらったわけで、人生においてこれ以上他人に感謝することはないかもしれないとさえ思っています。

執刀医の先生は、常にポジティブな言葉をかけてくださる素晴らしい方でした。あとで調べたら、オペ実績の多い、その世界では有名な方でした。私は本当に幸運でした。

まだ回復しない器官もありますし、自力で歩くこともできません。これまでの日常生活に近いところに戻るためには超えなければならない壁がたくさんあります。それでも、差し迫った生命の危機からは脱したということで、先週から一般病棟に移動できました。

今後リハビリが上手く行っても、大きく行動制限を受けるようです。一生飲み続けなればならない薬や二度と食べることのできない食材などもあります。

でも、それでも本当に死ななくてよかった。

今は、努力や気合いではどうにもならない種々の内臓機能などの回復を待ちながら、突然死や再発したらどうしようという不安と恐怖に押し潰されそうな毎日を過ごしています。

とはいえ、生かされたこの命を楽しく有効に使うべく、なるべく前を向いて踏ん張りたいです。

生きていたいです。

《今回の記事の続編:死がすぐ隣りにあることを意識し続ける日々



そういえば先月、こんなフラグみたい記事を書いていたことが怖いです。

【参考記事:もし余命数ヵ月とかだったら何を優先するか


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約19年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
東証マネ部!:2020年8月
JBpress:2020年7月7日
ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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