いつか子供に伝えたいお金の話

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新NISAの2階建ては廃止し、NISAは一本に統合する方向【金融庁によるNISA拡充案説明会】

NISA(一般・つみたて・ジュニア)拡充については、まだあくまでも来年度に向けての要望段階であり、税制調査会の審議やそれを経た税制改正大綱、さらには国会議決までそれなりの時間があります。

なので、当ブログで取り上げるのは、せめて年末の税制改正大綱がまとまって、確度の高い情報が出てからにしようとのんびり考えていたら、例によって金融庁主催のNISA拡充案のオンライン説明会の参加者募集係なんぞをやったりしたので、イベントで聞りした情報の概要とこぼれ話をまとめておきます。

ただ、今の段階で分かっていることは、昨日金融庁で公開された次の図に書いてあることがほぼすべてで、まだ不確定な要素も少なくはありません。

※2022年12月末に追記:2023年度税制改正大綱が発表され、その具体的内容がほぼ明らかになりました(参考記事はこちら


NISA拡充案
※クリックで拡大します


◎簡単にまとめると


まだあくまでも金融庁の要望段階ですが、2024年からは……

・投資可能期間恒久化
・非課税期間無期限化
・年間投資可能額を拡大
→そのかわり、生涯のトータルな非課税投資額には限度を設ける(時価ではなく簿価で)
→年間投資可能額やトータルな非課税投資額の具体的な数値は未定
・スタート予定だった新NISAの2階建ては廃止
・一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAは統合するイメージ(統合型NISA?)
→「成長投資枠」という一般NISAの後釜的な機能をつみたてNISA内に包含し、未成年もその統合型NISA(仮称)を利用可能にする

・・と、図から読み取れるのは主にこんなところでしょうか。



◎主税局との仁義なき戦いが始まる


その他のこぼれ話としては、

・この要望を通すために、今後、財務省主税局と切った張ったの仁義なき交渉をする

・年間投資可能額や生涯の非課税投資限度額の具体的な数値は未定だが、金持ち優遇の批判受けない程度に政治で決まってくるはず

・スイッチングやリバランス(非課税枠内での売却後や買い直し)を可能にして、売却後には非課税枠が簿価(買値)で復活するようにしたい

・これまでジュニアNISAを使っていた未成年も、その残高はそのままに、新たな制度の利用は可能にするつもり

・恒久化されればロールオーバーはなくなる(それまでの制度分は別だが)

ってなところが印象に残っています。


また、今回の金融庁のオンライン説明会での税制担当者と参加者とのQ&Aの詳細がにこいちさんのブログ記事に記録されていますので、ご興味ある方はご参照ください。

金融庁によるNISA拡充案説明会(ニコ&イチの生活)



◎2階建ての新NISAとは何だったのか


2020年に国会で可決されるも、実際に稼働することなく消えてしまうことになった新NISA(特に2階建てとなり複雑化していた新しい一般型NISA)とは一体何だったのだろう……というような思いもよぎりますが、複雑な制度がシンプルになりそうのは悪いことではありません。

おそらく金融機関では「新NISA」に向けたシステム開発も進んでいたはずなので、ここにきての変更にビックリドッキリで面食らっていると思います。が、個人投資家としては、良い方向への制度変更ならそれを素直に歓迎するだけです。

けっこう大きく変わったようにも思いますが、峰竜太と竜雷太ほどその中身が変わるわけでありません。

あの「2階建ての新NISA」は、今回の「統合型NISA(シン・NISA←適当に思いついた仮称)」誕生のための肥やしとなって、私のようなマニアの心の中に生き続けることでしょう。

個人投資家としては、今回の制度変更に尽力してくれている官僚や金融機関のシステム開発担当者の皆さんに首を垂れながら、粛々と有利な制度活用させていただこうと思います。

・・ただ、つみたてNISAの投資枠が倍に拡充されるも80万円でもやはり12では割り切れず初心者が困惑する、というような事態は回避されることを祈っております(Q&Aでは、そうならないようにするとの発言が金融庁の税制担当者からあったので大丈夫だとは思いますが)。

年末に税制改正大綱がまとまったら、金融庁ではまた今回のような個人投資家向けの説明会を開いてくれるつもりのようです。



◎参加ブロガーの記事ご紹介


今回の金融庁によるNISA拡充オンライン説明会に参加し、そのことをブログにまとめている方を探してみました。

NISAが抜本的拡充で恒久化 金融庁のブロガー説明会は面白かった(夢見る父さんのコツコツ投資日記)

金融庁によるNISA拡充案説明会に参加した(y10kの資産運用blog)

NISA拡充案の説明会に参加したよ(月16万の都会暮らし資産運用記)

統合NISA(仮)ができるぞ(はる記-40代でFIREを目指す-)

金融庁のNISA拡充案説明会に参加しました!(22歳からの貯蓄学)

金融庁、本気のNISA拡充要望(でんの株式長期投資戦略)

令和5年度 税制改正要望項目公表。金融庁グッジョブ!ついにNISA一本化なるか?(NightWalker's Investment Blog)

金融庁によるNISA拡充案説明会に参加しました。(もことんのインデックス投資と節約術)

「金融庁によるNISA拡充案説明会」に参加してきました
(Yの投信ブログ)


【大注目】NISAが変わる?金融庁の改正案をのぞいてみよう!(のんびりコツコツ投資生活)



※ほぼ公開順に、見つけられた範囲で掲載していますので、もしも「自分も参加してブログに書いたぞい!」という方がいらっしゃれば、当ブログのメールフォームか私のTwitterなどへお知らせいただけると幸いです。



《参考関連記事》
『教えて虫とり先生』なる連載が金融庁ウェブサイトに
金融庁の幹部が寄稿してくれたよ、このブログにね
【動画公開】参加者1500名超?金融庁オンラインシンポジウムで「おはぎゃー」について語ってきた



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関連記事

プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
東証マネ部!:2020年8月
JBpress:2020年7月7日
ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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