2022
Feb
05
『人生100年時代の年金・イデコ・NISA戦略』(田村正之著)を読みました
およそ3年ほど前、いわゆる「老後2000万円問題」でメディアや一部の政治家がおかしなことを騒ぎ立てたせい(お陰?)で、田村正之さんはテレビに引っ張りだこになり、著書の『人生100年時代の年金戦略』はなんとAmazonの総合ランキングで1位になりました。
《参考記事》
・老後資金2000万円不足問題について…「人生100年時代の自助の話」の金融庁報告書騒ぎを見て思うこと
・全世代必読!『人生100年時代の年金戦略』(田村正之著)を読んだ感想・レビュー
今回私が感想を書くのは、前著のエッセンスはそのままにデータ等を最新にして、かつiDeCoやNISAなどの投資に関する情報も盛り込んだ濃厚な一冊です。

量的にも質的にも分厚すぎる「年金・投資本」なので、感想はなるべくサクッとまとめておきます。
《参考記事》
・老後資金2000万円不足問題について…「人生100年時代の自助の話」の金融庁報告書騒ぎを見て思うこと
・全世代必読!『人生100年時代の年金戦略』(田村正之著)を読んだ感想・レビュー
今回私が感想を書くのは、前著のエッセンスはそのままにデータ等を最新にして、かつiDeCoやNISAなどの投資に関する情報も盛り込んだ濃厚な一冊です。

量的にも質的にも分厚すぎる「年金・投資本」なので、感想はなるべくサクッとまとめておきます。
◎貴重な情報が盛り沢山
著者の田村正之氏は、日本経済新聞の編集委員兼紙面解説委員であり、証券アナリストであり、CFPであり、社会保険労務士でもあります。
世に出回っている年金や投資等にまつわる記事の中には誤った情報も少なくありませんが、この田村氏の発信する情報は正確であり、本質を捉えていることが非常に多いです。
今回の著書も、そもそも公的年金とは何なのか、どのように使えば有利になる可能性が高いのか、例外的なケースにはどのようなものがあるのかなどについて、徹底的に利用者目線で検証・解説してくれています。
ただし、あまりにも徹底的に解説してくれるため、必然的に個々の読者のケースとは関係ない部分も多く、また年金財政改革とかマクロスライドとか所得代替率とかの詳しい話はかなり難しいので、すべて読みきるにはそれなりのパワーを要すでしょう。
「年金ってなんだろう?」「実際どの程度アテになるんだろう?」というようなビギナーさんには、昨年当ブログ経由で最も買われた大江英樹さんの『知らないと損する年金の真実 - 2022年「新年金制度」対応 - 』のほうが最初に読む一冊としては適切かもしれません。今回の田村さんの本は、大江さんのあの本をより詳しくマニアックに掘り下げたイメージ。
実際、田村さんは今回の著書の中で、大江さんの本の内容に触れて引用していたりもします。
【参考記事:これは読んでおいたほうがいい!『知らないと損する年金の真実 - 2022年「新年金制度」対応 - 』(大江英樹著)の感想・レビュー】
◎投資すべき理由
もちろん、年金の話だけではなく、なぜ投資をする必要があるのか、庶民が実践可能な資産形成方法とはどのようなものなのかについてもページを割いていて、NISAやiDeCoについての解説もバッチリです。
特に、企業の付加価値に占める株主への配分比率と人件費率の変化の話などは、現代に生きる人間としては知っておいたほうがいいでしょう。
《※参考記事》
・つみたてNISAってなんだ?
・確定拠出年金ってなによ?
◎やはり年金制度は複雑で難しい
私はこれまでに何度も書籍やウェブ媒体などで、年金についての情報をインプットしてきましたが、その仕組みや具体的な活用方法の詳細は覚えきれていません。
というか、複雑すぎて、すぐに忘れてしまいます。
例えば世帯全体で考えた(加給年金や労働収入等を踏まえた)各種老齢年金を受給する際の、健康保険料・介護保険料・住民税などを考慮した長生きの損益分岐年齢だとかは、私のように頭の悪い素人では簡単には検証できない。
もう覚えるのも考えるのもイヤになってしまったので、いざというときはプロに相談しようと思います。んでも、プロの中にもしっかりした人もいれば、信用できない(だらしない)人もいるだろうから、それをどう見極めるのかという問題は残ります。
やはり、最低限の部分は自分で勉強して、ある程度の概要と奥行きは知っておく必要があるのかもしれません。
勉強する意欲のある方、特に退職や老齢年金の受給が迫っている方は、こういう本は頑張って読んでおいたほうがいいと思います。
本書の本文内にも書いてありましたが、公的年金の様々な機能を民間の保険で代替しようとすれば、比べ物にならないほどの手数料を自分で支払うことになってしまいますから。

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