2022
Aug
10
入院時の差額ベッド代は支払わなくてもよい?【その4・ナースセンター編】
前回の記事(その3・ナース編)のつづき
偶然にも知人の入院手続きを行う機会に直面した私は、知人への金銭的な負担はなるべく小さくしようと頑張ることを決意しました。
「この病院には、差額ベッド代のかからない病室はない」と、診察したドクターは言いましたが、それは嘘で、そういう病室はありました。
ところが、案内された病室で、差額ベッド代の支払い同意書へのサインを拒否したところ、看護師はブチ切れて出て行ってしまいました。
こんなに気まずい思いをするなら、ゴチャゴチャ言わずに差額ベッド代の支払い同意書にサインしとけば良かったかなぁ、などと思いつつも、私はひとりナースセンターへ向かいました。
もうあとには引けません。
偶然にも知人の入院手続きを行う機会に直面した私は、知人への金銭的な負担はなるべく小さくしようと頑張ることを決意しました。
「この病院には、差額ベッド代のかからない病室はない」と、診察したドクターは言いましたが、それは嘘で、そういう病室はありました。
ところが、案内された病室で、差額ベッド代の支払い同意書へのサインを拒否したところ、看護師はブチ切れて出て行ってしまいました。
こんなに気まずい思いをするなら、ゴチャゴチャ言わずに差額ベッド代の支払い同意書にサインしとけば良かったかなぁ、などと思いつつも、私はひとりナースセンターへ向かいました。
もうあとには引けません。
◎ナースステーションでシカトされる私
ナースセンターには、7~8名の看護師がいました。全員女性でした。
先ほど怒って病室を出て行った看護師は、ヒソヒソ声で3名ほどの看護師になにやら必死に説明しています。
「あのぅ~、スンマセン。。本日より入院させていただく○○の入院手続きを行っている者ですが、入院手続きについてお話の分かる方いらっしゃいますでしょうか」
と、私は恐縮姿勢MAXで声をかけてみました。
すると、怒って病室を飛び出した看護師とその取り巻きの3名が、ハッとした顔で私を見ました。
悪い噂話をしていたら、当人がそこに現れたときにする表情そのものです。直後に会話をやめて全員が作業に戻ったのも、ズバリそんな状況を裏付ける動きに見えました(単なる私の自意識過剰の可能性もありますが・・)
「あのぅ、どなたかお話の分かる方、いらっしゃいませんでしょうか」
と、私は続けましたが、看護師たちは聞こえないフリを決め込んでいます。
「あのぅ、スンマセン。。。」
私は、教室内でシカトのいじめを受けている中学生のような気分になりました。教育テレビ『中学生日記』の主題歌が遠くから聞えてくる気がします。
「あなたが対応しなさいよ!」「嫌よ!あんなクレーマー」「あれが噂のモンスターペイシェントね」「厄介ごとには関わらないに限るわよね」「私は制度的なことはよく知らないから無理」「聞こえないフリ、聞こえないフリ」「あの人、仕事は何してるのかしら?」
…そんな彼女たちの心の声は聞こえましたが、現実世界のリアル音声としては全くの無音でした。
◎え?差額ベッド代のかからない病室はないの??
「あなたが対応しなさい」「いや、あなたが対応してよ!」と、看護師たちのアイコンタクトによる激しいパス回しが続いたあと、若くて人の良さそうな看護師(おそらく一番の下っ端)が観念したように、私のところへ来てくれました。
私は、入院患者の経済状況を考え、なるべく健康保険の適用範囲内で治療をお願いしたいので、なんとか差額ベッド代の支払い同意書にはサインせずに入院をさせてくれないかと、そしてそれは国のルールに則った行為であると、スーパー物腰低く丁寧に話しました。
すると、話の途中で、その看護師と私とのやりとりをすぐ横で聞いていた最も権力のありそうな看護師が割って入り、
「それでは、当院には差額ベッド代のかからない病室なんてないということについて、医事課の者からキチンと説明させますので、そちらにかけて少々お待ちください」
と、威圧的な口調で私に言い放ちました。
彼女は、まずは下っ端の雑魚に様子を見(毒見)させて、私が噂ほど危険そうな男ではないと判断したところで介入し、さらに事務職員に丸投げするという見事な問題&責任回避能力を見せつけました。
またもや、「差額ベッド代のかからない病室はない」とのことです。
入院設備のある病院は、差額ベッド代のかからない病室を最低でも半数以上用意しなければならないルールがある以上、この病院に差額ベッド代のかからない病室がない(ルール違反?)なんてことは考えにくいのですが、この場でゴチャゴチャ言っても埒が明きそうにないので、ひとまず医事課(いじか)の人とやらの説明を待つことにしました。
◎看護師の一喝!
ナースステーションの近くの椅子にポツンと座らされた私は、ときおり看護師たちからハエを見るような目つきでチラ見されながら、長い時間放置されました。
さすがにここまでくると、「差額ベッド代」は患者サイドの同意がなければ請求できない(希望すれば差額ベッド代のかからない病室を選択でき、そういう病室が開いていなくともそれは医療機関の都合なので費用は請求できない)というウェブ上に載っている情報の信憑性が不安になってきました。これでルール的にも私が間違っていたら、ウルトラ恥ずかしいからです。
そこで、手持ちのスマホを取り出し、検索して調べようとしたところ、
「携帯電話の使用は禁止です!」
と、先ほどの権力のありそうな看護師と、怒って病室を飛び出した看護師の二人に声を合わせて一喝されました。
たしかにルール違反はよくありません。
私は素直に謝罪し、再びポツンと座って医事課の人を待つことにしました。
正当な理由で私のことを一喝し、謝罪を引き出すことのできた二人の看護師は、「よしっ!アイツにガツンと言ってやった!」という満足感が毛穴から滲み出ており、心なしか小鼻が膨らんでいるように見えました。
どれほどの時間が経ったでしょうか、あまりにも長時間動かずにいたため、私の体にキノコやカビが生えそうになったとき、医事課の人の準備ができたということで私は別室に連れて行かれました。
・・なかなか話が前に進まなくて恐縮ですが、実際、当日はホントになかなか話が進みませんでした。
しかしながら、次回でまとめます。
つづく
最終回・医事課編へ
※この記事シリーズは、10年ほど前に書いたものを加筆修正したものです。

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