2022
Aug
08
入院時の差額ベッド代は支払わなくてもよい?【その2・ドクター編】
前回の記事(入院時の差額ベッド代は支払わなくてもよい?【その1・差額ベッド代とは】)のつづき
医療機関への入院時に発生する「差額ベッド代」は、患者サイドの同意がなければ請求できない(希望すれば差額ベッド代のかからない病室を選択でき、そういう病室が空いていなくともそれは医療機関の都合なので費用は請求できない)というコラムをよく目にしていた私は、ホントにそんなことが可能なのかを突撃検証することにしました。
1年ほど前に、知人の入院手続きを行う機会に直面した私と医療機関とのやりとりを回顧します。
医療機関への入院時に発生する「差額ベッド代」は、患者サイドの同意がなければ請求できない(希望すれば差額ベッド代のかからない病室を選択でき、そういう病室が空いていなくともそれは医療機関の都合なので費用は請求できない)というコラムをよく目にしていた私は、ホントにそんなことが可能なのかを突撃検証することにしました。
1年ほど前に、知人の入院手続きを行う機会に直面した私と医療機関とのやりとりを回顧します。
私と知人(患者)の関係や病状の詳細は伏せますが、そのとき私は患者の保護者的な立場であり、病状は命に関わるようなシビアなものではありませんでした。
まずは、診察室でドクター(医師)から診察を受け、
「これは入院だね。入院しとこう」
と言われました。
果たしてホントに入院する必要があるのだろうか?と首を傾げたくなるような症状でしたが、万が一のことを考えると、素人の私の独断でドクターの意向を無視して入院を拒否するというのは、まともな選択肢ではないと思い、同意しました。
そして、そのとき私は、ふと、「今こそ差額ベッド代の支払い不同意にトライするときじゃわい!」と、思いつきました。
そこで、おそるおそる
「あのぅ、差額ベッド代のかからない病室は空いていませんでしょうか?」
と、言ってみました。
私が意識しすぎだったのかもしれませんが、決して言ってはならない一言を言ってしまったような雰囲気になった気がしました。
診察室内で何かの作業をしていた2人の女性看護師のうちの1人(ベテランっぽい方)が、作業を止めて私を見ました。
ドクターも、ピクッと反応してからマジマジと私の顔を見て、
「えぇ~っと、うちの病院にはそういう部屋はないんじゃなかったけなぁ・・」
と気まずそうに、目をそらしながら言いました。
そして、ドクターは、同意を求めるようにベテラン看護師に方に顔を向けましたが、ベテラン看護師は聞こえないフリをしたのかホントに聞こえなかったのか、隣の診察室へ移動してしまいました。
そこの病院は、お金持ちばかりが集まるようなプレミアム臭漂う病院ではありません。どこにでもある普通の大きめの総合病院です。
そもそも、入院設備のある病院は、差額ベッド代のかからない病室を最低でも半数以上用意しなければならないルールがある、ということを以前どこかで読んだような記憶があります。
その記憶に100%の自信はありませんでしたが、私は直感的に「このドクターは嘘をついている可能性が高い」と思いました。差額ベッド代のかからない、いわゆる普通の病室がない病院なんてありえないはずです。
私はドクターに、
「えっ?ここには、差額ベッド代のかからない病室が一室もないのですか?それってホントですか??」
と聞き返したら、彼は、
「うん、あ、いや、詳しいことはナースセンターでやって。じゃ、○○さん(若い女性看護師の名前)お願いね!」
と、若い女性看護師にキラーパスを放り投げ、自分はそそくさと診察室から出て行ってしまいました。
病院だって商売です。
ドクターをはじめとする従業員の給料が支払えるような料金設定をしなければなりません。診療費を支払わずにトンズラする悪質な患者も増えていると聞いたこともあります。
そもそも、病院そのものがなくなってしまえば困るのは私たち一般市民です。
差額ベッド代・病室衣レンタル料・タオルレンタル料などで収益を確保しなければ立ち行かないような現状があるのかもしれません(この病院では、携帯電話充電用にコンセントを使用した場合の「携帯電話充電料金1日100円」なんてのもありました)。
それでも嘘はよろしくありませんよね。
(まぁ、ドクターは患者の診察や治療をするのが仕事なので、病院の収益体制に興味はなく、ホントに知らなかった可能性もごく僅かにはありますが・・)
私は自分がセコいタイプの人間だとは思っていますが、労働やサービスの対価を支払うのは当たり前だと思っています。
ただ、このときは、お金の支払い手が自分ではなく他人だったので(知人の入院手続きでした)、無駄なお金をかけさせてしまっては申し訳ないという気持ちがありました。そしてなにより、ドクターの説明には納得できませんでした。
さて、そんなこんなで、「この病院には、差額ベッド代のかからない病室はない」という、なんとも嘘くさいドクターの話を聞かされた私と患者である知人は、病室に案内されました。
しかし、このまま煙に巻かれるように丸め込まれるわけにはいきません。
おそらく差額ベッド代の同意書にサインをするだのしないだのの話はナースセンターとのやりとりになるはずです。
「看護婦」から「看護師」と呼び名が変わっても、ナースセンターとは、基本的には女性だらけの世界であり、私にとってはある種の憧憬さえ感じる秘密の花園です。
できることなら、「爽やかでいい人」という印象を与えて立ち去りたいものですが、これから始まるであろう看護師さんとの仁義なき対決を前に、私の心は曇り空模様でした。
つづく
続編・ナース編へ
※この記事シリーズは、10年ほど前に書いたものを加筆修正したものです。

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