2020
Dec
12
国が運用している我々の年金財源は今後50年は取り崩す必要がない
つみたてNISAの非課税期間は20年。奇しくも年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の年金運用も、確認できる範囲でおよそ20年になります。

長期・国際分散・低コストの運用を淡々と実践することで、GPIFはなかなかのパフォーマンスを上げています。
国の年金運用と個人の資産運用は別物ですが、初心者にリスク資産への投資による資産形成のイメージしてもらいたいときに、私はこの独立行政法人の運用成績(上図参照)を紹介することがあります。
・・んでも、株式投資の期待リターンは5%くらいに設定されていることが多いのに、GPIFのこの20年の年率平均リターンが3%ちょいってのはショボい、と思う方もいるかもしれません。

長期・国際分散・低コストの運用を淡々と実践することで、GPIFはなかなかのパフォーマンスを上げています。
国の年金運用と個人の資産運用は別物ですが、初心者にリスク資産への投資による資産形成のイメージしてもらいたいときに、私はこの独立行政法人の運用成績(上図参照)を紹介することがあります。
・・んでも、株式投資の期待リターンは5%くらいに設定されていることが多いのに、GPIFのこの20年の年率平均リターンが3%ちょいってのはショボい、と思う方もいるかもしれません。
◎半分以上が債券
実はGPIFの運用資産の半分は債券なので、トータルで見るとそのパフォーマンスは控えめになります。しかも6年くらい前までは約7割が債券だったので、それでいてこのパフォーマンスは悪くないと私は思っています。
株式と債券の両方を持ち、その大部分を長期・国際分散・低コストでインデックス運用※しつつ、機械的なリバランス※を淡々行っているからこその結果なんだろうな、と。
マーケットにずっと居続け、マーケットがイケイケのときに株式を売って債券を買い、誰もマーケットになんて見向きもしないようなときに債券を売って株式を安値で仕込んでいるのでしょう(リバランス※)。
《参考記事》
・インデックス投資とは
・上げ相場でリバランス売りをしといてよかった(リバランスとは)
◎リスク資産への投資は長期で
我々の年金財源を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、その運用成績が一時的にマイナスになると、トータルの収益にはほとんど言及されぬままメディアや国民からボロクソに叩かれます。まるで、その存在意義や業務の一部が「文化的サンドバック」であるかのように……。
そういえば以前、GPIFの中の人に「それって、つらくないですか?」と訊いたら、「もう慣れてます」というような答えが返ってきて、なんだか切ない気持ちになった記憶が蘇ります。
リスク資産に投資をすれば、時価が上がったり下がったりするのは当然のこと。ただし、短期的に上がったり下がったりすることを許容するからこそ、長期で見てそれなりのリターンを期待することができるのです。
・・ところで、2015年のGPIFのパフォーマンスを見て2016年に結成された「年金損失『5兆円』追及チーム」とやらは、今はどうなったのでしょうか。
【関連記事:17.7兆円の損失を出した年金運用だけど、実はけっこう上手く運用してる】
◎ちなみに
GPIFが運用している年金積立金は年金給付財源のごく一部(1割ほど)で、しかも今後50年は取り崩す必要がないものであると、GPIFの公式Twitterさんは発信していますね。
50年以上あるならドッシリした長期投資ができそうです。
日本の #公的年金 制度は、その時の現役世代の保険料負担でその時の高齢者を支える「世代間扶養」を基本としています。年金給付の財源を約100年間の平均で見た場合、約9割はその年の保険料収入と国庫負担でまかなわれ、GPIFが運用する年金積立金の役割は約1割です。https://t.co/Wgh0boaUiL pic.twitter.com/4T33tkm4k8
— GPIF (@gpiftweets) November 9, 2020
#GPIF がお預かりしている #年金積立金 は、2019年に厚生労働省が実施した公的年金の財政検証によると、おおむね50年程度は取り崩す必要が生じない資金です。このため、一時的な市場の変動に過度にとらわれず、長期目線に立った運用を行っていくことが重要です。https://t.co/Pxto4evR9V pic.twitter.com/ZmzlCvsiC7
— GPIF (@gpiftweets) October 30, 2020
リスク資産に投資をしていれば、その時価が下がる時期は必ずやってきます。
個人の資産運用でも、そういうときにこそ心穏やかに続けられるような資産配分や投資スタンスになっていることが大切でしょう。
GPIFは余計なことをしてこなかったから優秀なパフォーマンスを上げていると思うので、これからもなるべく機械的な運用を続けてもらいたいものです。
【参考記事:インデックス投資に留まることの難しさ】

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