2013
Sep
07
暴落を待って投資する?
つい先日のことですが、職場の同僚と居酒屋で一杯やっていたら、隣の席のサラリーマン風の男性グループの会話から、「日経平均株価」だの「ドル」だの「バブル」だのと、私の鼓膜を刺激するキーワードが聞こえてきたので、つい耳をダンボにしてしまいました。
色々な会話がなされていたのですが、最も気になったのが
「株価が上がってきたから、すべての株を一旦すべて売って現金化したよ。近いうちに必ず強烈な円高になって株価は暴落するから、そのときを待って一気に投資するんだ」
という言葉でした。
色々な会話がなされていたのですが、最も気になったのが
「株価が上がってきたから、すべての株を一旦すべて売って現金化したよ。近いうちに必ず強烈な円高になって株価は暴落するから、そのときを待って一気に投資するんだ」
という言葉でした。
◎他人さまはともかく私には無理です。。
もちろん、そのサラリーマン風のかたが株を売ったタイミングが最高値で、次の暴落の底をピタリと探り当てて投資できる可能性がないとはいいません。近いうちに暴落するのかもしれません。
また、そのかたが株式投資に当てている投資金額や保有資産内の割合も分かりません。
ただ……、投資の目的が刺激を求めるギャンブルや一発狙いのゲームならそのようなスタンスでもなんの問題もありませんが、投資の目的が「資産形成」である(私のような人間の)場合は、そのようなスタンスでマーケットに臨むのはちょっと怖いような気がします。
ひょっとしたら、このまま円安が進むかもしれません。
もしかしたら、株価はさほど下がらないかもしれません。
暴落するとしても3年後かもしれません。そして、もしかしたら、その暴落での底値は、現在の株価より高値かもしれません。
◎未来ことは分からないからこそ・・
私は「このまま円安になる!」とか「しばらく暴落はない」と言いたいわけではありません。そんなことは、分かりません。
ただ、仮にそのような状況になったときに、自分が著しいダメージ(機会損失も含む)を被るような金融資産配分では困ると考えているだけです。
当たり前のことですが、ついどちらかに決めつけたくなる自分が顔を覗かせるときは、落ち着いて再認識したいものです。仮に暴落があっても、インデックス投資家はリバランス※1をすれば、しっかりと逆張り追加投資ができるのですから。
(参考記事→インデックス投資とは)
例えば、これまでに「最後の円高」という言葉は何度も聞いたことがありますが、ホントに最後の円高だったことは一度もありません。もちろん、ホントに最後の円高がやってくる可能性もあるでしょうが、自分はどちらかに決めつけたりせず、どう転がってもいいようにしておこうと思っています。
(上記のサラリーマン風のかたは、個別株をやっているだけだと思うので、私とは状況が異なる可能性が高いと思います。あくまでも漏れ聞こえてきた話の一部だけを自分のこととして受け止めて書いているだけです。)
【追記】
誤解のないように補足しておくと、私は暴落時に投資を行うことそのものがNGだと思っているワケではありません。各人のリスク許容度の範囲内において、弾切れにならないように工夫などをしながら暴落時に投資をするのはアリだと思います。
怖いと思っているのは、株価などが高値だと思っているときに、すべて現金化して、暴落が来ると信じて待つような行為です。だって、そんな日が必ず来るとは限りませんからね(一部現金化するのはOKだと思いますが)。
参考記事→相場の先行きを決めつけることの怖さ
※1 リバランスとは、一定の期間(や乖離率)ごとに、最初に決めたアセットアロケーション(資産配分)比率より上がっているもの(アセット)は売却(利食い)し、下がっているものは買い増(逆張り)して元に戻すこと。主目的はリスクコントロールですが、株価や債券価格や為替などの上下循環(下がってもまた上がる・上がってもまた下がる)を前提とすれば、長期的には高パフォーマンスに寄与します。

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