2022
Jul
09
『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください! 増補改訂版』(井戸美枝著)を読みました
井戸美枝さんの著書をいただきました(恐縮にござりまする)。

以前にも読んだ本の増補改訂版で、年金や投資に関する話が若干具体的になり、いま流行りのFIREネタなども盛り込まれていました。
タイトルを見ると「老後のお金にまつわる答え」だけが書いてあるような印象を受けます。が、そんな都合のいい本はありません。仮に答えだけが書いてある本があったとしても、その根拠が書かれてなければ納得するのは難しいでしょう。
この本でも、一般論を提示し、アンケート結果を見せ、読者に簡単な記入ワークのようなこともさせながら、「自分の金融資産や家計の状況を把握しコントロールできるようにして、年金制度を理解しつつ使いこなし、老後に必要なお金が足りなくなりそうなら効率的な対策をしようよ」という当たり前のことが書いてあります。
結局、答えは自分で導き出すしかない、ということですね。

以前にも読んだ本の増補改訂版で、年金や投資に関する話が若干具体的になり、いま流行りのFIREネタなども盛り込まれていました。
タイトルを見ると「老後のお金にまつわる答え」だけが書いてあるような印象を受けます。が、そんな都合のいい本はありません。仮に答えだけが書いてある本があったとしても、その根拠が書かれてなければ納得するのは難しいでしょう。
この本でも、一般論を提示し、アンケート結果を見せ、読者に簡単な記入ワークのようなこともさせながら、「自分の金融資産や家計の状況を把握しコントロールできるようにして、年金制度を理解しつつ使いこなし、老後に必要なお金が足りなくなりそうなら効率的な対策をしようよ」という当たり前のことが書いてあります。
結局、答えは自分で導き出すしかない、ということですね。
◎特に年金について詳しい一冊
年金をどれだけ受け取ることができるのか、ということに関しては、様々なパターン(シングル、共働き、出産後10年専業主婦からのパート、派遣、正社員、契約社員、フリーランスなど)のいくつかの想定平均年収や勤続年数から算定した具体的な金額を「答え」のように示してくれています。
ただし、完全にモデルパターンどおりの人ばかりではないはずですし、やはり計算根拠や年金の仕組みを理解しないと、ピンとはこないかも。
この本では、ねんきん定期便の見方をはじめ、それを理解するための材料もきちんと載せてくれているので、(やる気のある人は)しっかり勉強するきっかけを得ることができるでしょう。
この改訂版では、将来の年金額を試算できるツールの公的年金シミュレーターも紹介されていました。
まずは現状を把握して、次に今後の自分に必要なお金を想定して、そのために活用できそうな制度や社会保障を知ることで、「老後のお金の答え」に近づくことができ、この本で示されているいくつかの「年金を増やす方法」を効果的に実践できるかもしれません。
また、投資については、税制優遇のあるiDeCoとつみたてNISAを激押しつつ、それらの説明をがっつりしています。実践者たちの実際の金融商品や投資額なども紹介されていました。ただ、「投資とはどういうものなのか」とか「どのような金融商品を選べばいいのか」という部分は、一冊(の中の一章を)読んだだけできちんと理解するのは難しいと思いました。
《※参考記事》
・確定拠出年金ってなによ?
・「つみたてNISA」ってなんだ?
◎女性向けの本のラストにおじさん
この本は基本的に女性向けの内容と構成になっています。
職場に置いてあるのでたまに読むことがある『日経WOMAN』の詳しいまとめ本的のようなイメージでしょうか。
アンケート結果やイラストなどがたくさん使われていて、女性目線で「離婚後、妻が受け取れる夫の年金」とか「夫に先立たれた時の遺族年金」なんてことがバシバシ書いてあり、他にも色々な内容が盛り込まれています。
挿入されているイラストもほぼすべて女性(か動物)だったりするのですが、ラストにいきなり写真入りでおじさんが登場します。年金をはじめとする社会保障のスペシャリストである慶応大学商学部教授の権丈善一先生です。
わずか十数ページですが、「日本の年金制度、崩壊しないですよね?」という著者の井戸さんの問いかけなどもあり、権丈先生とのぶっちゃけトーク対談は隠しきれない隠し味のような味わいがあってとても読みごたえがありました。
◎でもやっぱり自分で勉強が必要
この本に書いてある内容や提言は、私も概ね同意できるものばかりです。
ただし、それらを腹落ちさせて実践を継続するためには、その根拠について別途勉強が必要かもしれません。理解して納得することができれば、老後のお金対策を計画的に実践する土台ができあがるでしょう。
で、「答え」とはいったい何で、どうすればいいのか……やはりそれは自分で見つけるしかありません。
そもそも自分にはどれだけのお金が必要なのかを把握しないことには、年金の受給額の見通しが立ったとしても「老後のお金の答え」にはたどり着けないですから。
・・と、ごちゃごちゃ書きましたが、「年金のこととかよく分からないし、投資とか怖い」というような女性にオススメできる一冊だと思いました。
【参考記事:我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと】

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