上げ相場でリバランス売りをしといてよかった

リバランスとは、国際分散インデックス投資※を続けていく中で、一定の期間(や乖離率)ごとに、最初に決めた資産配分(アセットアロケーション)比率よりも上がっているものは部分売却し、下がっているものは買い増して元に戻すことです(※参考:インデックス投資とは)。

年に一回、必要があればする、というくらいの感じでしょうか。

その主目的はリスクコントロールなのですが、投資しているリスク資産(株式や債券など)の時価や為替などの上下循環(下がってもまた上がるし、上がってもまた下がること)を前提とすれば、リバランスの売り買いは長期的には高パフォーマンスに寄与します。

※下がっているものを買うだけの「買い増しリバランス」ってのもあります。



◎リバランスの効果


好調な資産を売るのは惜しいような気もしますが、解釈によっては、それは利食いになります。また、不調な資産を買うのは無謀(なナンピン買い)にも思えますが、(たまに機械的にやる分には)それは逆張り投資にもなるわけです。

リバランス効果の説明図

金融庁webサイト:「教えて虫とり先生」で使用した画像(※クリックで拡大)


2013年以降、今年の2月中旬くらいまでの「何を買ってもほぼ儲かるような相場」の中で、私は何度かマイルールに従って機械的なリバランスを実行しました。

具体的には、自分の決めた資産配分比率を大幅に上回った株式クラスなどを部分売却(利食い)したということです(まあ、大した話じゃありません)。

リバランス実行後、さらに勢いよく上昇する株式インデックスなどを見て、「売却しなければ(利食わ)なければ含み益はもっと大きくなっていた」というその時点での客観的事実から目をそらしたわけではありませんが、事前に決めたルールを実行したことに後悔はありませんでした。

「儲けそこない」を気にしだすとキリがありませんし、そういう感情に支配されて投資判断を下すと上手くいかないことが多いと考えているからです。

※ポートフォリオをリスク資産と無リスク資産の比率だけで管理するような場合、リバランス買いは追加投資とほぼ同じことになります。



◎安く買って高く売る


上述した何度かのリバランス売りは、その数年前、リーマンショック前後に大きく下がった国内外の株式クラスなどをガッツリ買い増すというリバランス買いがあったからこそのものでした。

そしてまた、今回のコロナショックのようにドカンと下落する機会があると、今度は下がった株式クラスを買い増すリバランス買いに出動できます。

あのとき(リーマン時に)逆張り買いしたからこそ、(アベノミクス相場で)利食いする機会に恵まれ、今もまだ元本割れから程遠い状態にあるわけです。しかもこれから買い増し出動できる。で、今回買い増し※したことによって、(そのうち来るであろう)次の上げ相場では……ってな循環を想定しています。

機械的なリバランスを実行しているだけで、投資について「言うは易く行うは難し」の典型である「安いところで買って、高いところで売る」ができてしまうのです。

※今後、さらなる下落があれば、私はさらなるリバランス買いをすることになるでしょう。

※20年くらい前からこの定期リバランスを忠実に実行し、リーマンショック時にも元本割れせず、現在も着実な利益を上げている大きな組織がありますよね。そうです、我々の年金を運用している「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」です(←リンク先に飛べばその運用成績が一目瞭然でっせ)。一時的な下落のたびにメディアやその報道を真に受けた人たちにサンドバックにされて可哀想です(中の人はもう慣れているそうですが)。



◎リバランスでインデックス投資は上手くいく


そういえば以前、MSCI日本法人のマネージングダイレクターの方が、

・インデックス投資は長期的には絶対に良い。よって、インデックス投資を長期でやるなら、今は高いからやるべきでない、というのは間違っている

年に一回くらいの利食い(リバランス)をしていけば、投資はかなりうまくいくはず

・市場が効率的か否かについては、どちら側の主張でもそれぞれノーベル賞を受賞している学者がいる。おそらく長期では効率的で、短期では非効率だろう。つまり、3~5年くらいだと市場は間違うが、10年以上のスパンならおそらくそんなに間違えることはないはず

と言っていました。

【参考記事:長期ではインデックス強し!…MSCIの「指数」勉強会に参加してきました…指数ってなんだ?



◎前提や留意点


理屈的には、定期的にリバランスをしておくだけで、最終的に投資対象が高値を更新せずとも利益が出ることもあります。

リスクの大きい資産はリターンを削るという計算がありますが、単なるストロングホールドの場合はそれがズバリ当てはまるものの、「積み立て」と「リバランス」を組み合わせることで単純な騰落率だけではパフォーマンスを測れなくなるのです。

ただし(繰り返しになりますが)、上述してきたリバランス効果は、投資しているリスク資産価格の上下循環を前提としているので、投資対象の時価がずっと一方向に動き続ける場合には有効ではありません

私はさすがにそれはないと思っていますが、そこは各自の想定と判断になりますね。

また、リバランスするタイミングを感覚的に計ったり、感情を入れて「今だ!」ってなことをやりだすと、多くの人は上手くいかないでしょう。少なくとも私はそれをやると失敗するのを経験的に学んでいます。

リバランスは頻繁にやっても手間がかかるうえに利食い・逆張り効率も落ちるので(上図参照)、事前に決めたルール通り機械的に(たまに)やるのがベターでしょう。そうすることで、高値売りの安値買いが繰り返され、資産が底上げされていくと私は考えています。

【関連記事:次の暴落はいつ?そのときどうする?…ザコにもできる予防策


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレなど

※小説も書いてみたり
1作目:『迫力』
2作目:『7月のニット帽』



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約15年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
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