いつか子供に伝えたいお金の話

インデックス投資(投資信託を使った国際分散投資)による資産運用・各種保険・クレジットカード・節約など「お金」に関することを書き綴るブログ

暴落を目の当たりにしたらどうするか(追加投資のルールなど)

以前、「暴落を待って投資する?」という記事の中に、個人的な見通しでリスク資産(国内外の株式や債券など)をすべて現金化し、タイミングを計って投資するようなことは私には怖くてできない、と書きました。

国際分散インデックス投資家としては、基本的には、タイミングを計って高値売りの安値買いを狙ったりせずに、自動積み立てと定期的なリバランス※をしておけば充分だと考えています(参考:インデックス投資とは)。

しかしながら、リスク資産が割高だと感じているときにその一部を現金化することや、暴落だと感じたときに追加投資(スポット投資)を行うことのすべてがNGだと思っているわけではありません。

ただし、実際にリスク資産の暴落に遭遇したときに、どの程度の資金をどのように追加投資すべきなのかは、なかなか難しい問題です。



◎どの程度の下落なら「暴落」と呼べるのか?


そもそも「暴落」という言葉が、どれほどの下落を意味するものなのかは人によって異なると思います。

リスク資産が一日で2~3%下落しただけで「おはぎゃー!」「暴落だあああぁぁぁ!」と大騒ぎする人もいれば、1~2週間で10~20%くらい下落しても涼しい顔をしている人もいます。


投資のスタンスや目的、ゴールや評価軸が違えば「暴落」の定義が変わるのは当然ですが、私の場合、

短期間(数日~数週間くらい)の間に20~30%程度の下落があれば「暴落」、40~50%以上の下落があれば「大暴落」

という言葉で表現するかと思います。

(あくまでも個人的な感覚の話ですし、言葉の使い方なんてどうでもいいっちゃ、どうでもいい話ですが。)



◎リーマンショック時の失敗


さて、細かい話はともかく、「こりゃあ、暴落だなぁ」と感じるようなリスク資産の大きな下落があった場合、追加投資をしたくなることもあるでしょう。

私は投資を始めてから3年ほどでリーマンショック(2008年)を体験し、株価下落と円高で、投資していたすべてのリスク資産が大幅な元本割れとなりました(当時、国内債券インデックスには投資していませんでした)。

あのとき私は、「これは、自分よりも先に投資を始めていてリスク資産の取得単価が低そうな先輩投資家に追いつく絶好のチャンスだ!」なぞと考えながらアドレナリンをまき散らしていました。

そして、暴落初期に調子に乗って追加投資をし過ぎて、本当に安くなっているときには投資用資金が枯渇するという憂き目に遭いました。

リーマンショック前のサブプライムショック(2007年)から計算すれば2年間ほど下落相場が続く中、一番おいしい(安い)ときに充分な追加投資をすることができなかったのです。

(きっと「いま買わないと損する!」というような前のめりのテンションが良くなかったのでしょう。買わなかったしても、べつに損するわけじゃなかったのに。)

ともあれ私は、リスク計算上これ以上下がることは約95%ないという状況(2標準偏差)から、さらに下がることもあるという現実を味わったのです。

自分の体験した極端な事例を一般化するのは愚かなことですが、大切な虎の子を資産形成のために投資するのであれば、ある程度幅のある想定を持っておいたほうがよいと考えるようになりました。

マーケットの歴史を見るに、一旦下落相場入りすると、上がったり下がったりしながら、ダラダラと数年間低迷相場が続くことは珍しくありません。

【参考記事:リーマンショックのナイアガラっぷり

※リバランスとは、一定の期間(や乖離率)ごとに、最初に決めたアセットアロケーション(資産配分)比率より上がっているもの(アセット)は売却(利食い)し、下がっているものは買い増(逆張り)して元に戻すこと。主目的はリスクコントロールですが、株価や債券価格や為替などの上下循環(下がってもまた上がる・上がってもまた下がる)を前提とすれば、長期的には高パフォーマンスに寄与します(参考:上げ相場でリバランス売りをしといてよかった)。



◎追加投資にもルールを決めることに


そして私は、追加投資(スポット投資)をするにしても、自分なりのルールを設けるようにしました。

弾切れにならぬよう、日常生活に支障が出ぬように、です。

無リスク資産内の生活防衛資金に手をつけないのはもちろんのこと、一回あたりの追加投資額上限や、ひと月あたりの追加投資額上限などを設け、無リスク資産とのバランスや絶対額を考慮して追加投資をストップする基準なども設けるようにしました。

当然これには、想定最大下落幅や想定最長下落期間の「予測」が必要であり、万が一その最大最長想定を上回った場合の非常時ルールなども必要になります。


例えば、

・追加投資は、1回あたり5万円まで
・追加投資は、ひと月あたり最大20万円まで
・想定下落期間(追加投資期間)は最長3年間程度
・無リスク資産の残額が、「流動性資金(生活運転資金)」と「生活防衛資金」と「近い将来使途の明確なお金」の合計額を下回りそうになったら、どんな状況であってもそれ以上は絶対に追加投資はしない

といったようなルールです(上記の数値は参考値)。


追加投資したい衝動を抑えることができないのであれば、せめてゲームオーバーになったりメンタルを病んだりすることがないような準備をしておかないと……ってな感じでしょうか。

こういうルールだと一気には買えないので、仮に下落したリスク資産がすぐに値を戻してしまうと「買い場」を逃す可能性もあります。んでも、すぐに回復するような下落なら、たいして美味しく(安く)もないでしょうし、本格的な下落相場はすぐに戻すような甘いもんじゃありません(と私は考えています)。

※ほったらしで予測をしないはずのインデックス投資家らしからぬ話ですが、実際にはまだ上記ルールを発動したことはありません(いよいよ発動するかもしれませんが)。

※買い増しは基本的に株式クラスのみにします(そのために海外株式(先進国株式と新興国株式)はバランスファンドだけでなく個別ファンドでも保有しています)。

※参考:無リスク資産の必要額



◎余計なことはしなくてもOK


ただ、上述したようなややこしいことを考えたり実践したりしても、淡々と毎月同額を積み立てる「ドルコスト平均法」よりも高パフォーマンスを残せるのかどうかは微妙なところです。

正直なところ私は、追加投資は機械的な定期リバランスよりも効率は悪いかも……くらいに考えています(まあ、追加投資はリバランスに近いものではありますが)。

あと気をつけたいのは、何らかのルールに則って追加投資をするとしても、その計算やら判断やらにあんまり頭や時間を使いすぎると、快適な生活を侵食しかねないことです。国際分散積み立てインデックス投資の最大の魅力のひとつは、手間がかからずコスパがいいことなので、「たまに」「ほどほど」でいいと思います。

もしかしたら、ブログを書いたり、それをこまめに読んだりするようなマニア以外の普通の人は「余計なことはしないのが一番」かもしれません。

インデックス投資は誰かと競い合うようなものではないと思いますし。

・・ま、各自の判断と責任において、好きなようにやりましょうや。


【参考関連記事:どこまでの暴落になら耐えられるか…私の想定最大損失(リスク許容度について)】

(本格的な下げ相場が続けば)公開予定


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
東証マネ部!:2020年8月
JBpress:2020年7月7日
ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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