いつか子供に伝えたいお金の話

インデックス投資(投資信託を使った国際分散投資)による資産運用・各種保険・クレジットカード・節約など「お金」に関することを書き綴るブログ

投資信託の繰上償還が何度も襲ってくるのです

回転売買みたいなスタイルでメガバンクにボッタクられていた親戚のおばさんの話を聞き、私がブチ切れて営業マンを「成敗」するシリーズは当ブログの人気記事のひとつとなっています。

【参考:銀行の営業が親戚のおばさんに、ボッタクリの投資信託を…


ただ、二度目の成敗をしたあとは、銀行サイドの顧客情報欄に「このカモの背後には頭のイカれた厄介な奴がいるから無理な営業はやめておけ。下手すりゃ襲撃されかねん」というような引継ぎ事項でも書き込まれたのか、ひどい営業はなくなりました。

おばさん曰く、担当者が代わるたびに挨拶には来るものの、引きつった笑顔で「お客様にはしっかりした甥御(おいご)さんがいらっしゃるんですよね」という一言があるそうです。

ひどい商品をしつこく営業されることはなくなったのですが、ここ数年は保有している投資信託の繰り上げ償還が繰り返されるという地味な嫌がらせのような事態に見舞われております。



◎繰上償還って?


繰上償還(くりあげしょうかん)とは、運用資産残高が少なくなった場合などに、投資信託の運用が勝手に終わって、強制換金させられてしまうことです※。

まあ、償還されても特別な損失が発生するわけではなく、その時点の時価(基準価額)で解約(換金)されるだけなので、たいしたリスクではありません。

個別株式の場合は、上場廃止が決まると売りが殺到して株価が急落したりします。が、投資信託の基準価額は、間接的に投資している株式や債券などの価格の影響で動くので、投信自体の資金流出入の影響はほぼなく、繰上償還は損でも得でもないのです(インデックスファンドの場合などは特に)。

ただし、損益確定タイミング(や課税タイミング)が不本意になったり、運用を続ける場合には、新たな金融商品を探したり、買い替える必要に迫られるのでけっこう面倒くさいものです。

やっぱり繰上償還なんてものは、基本的にはないに越したことありません。

※異議申し立てや反対することも可能ですが、受益権の口数に応じた多数派になれるかどうかは分かりませんし、そもそもそんなことするのはダルいですよね。



◎おばさんのケース


件の私の親戚のおばさんは、

・金融資産の一部をリスク資産に振り分けておくのはOK
→ぼったくり営業を長らく受けてきたお陰で免疫ができたようだし、その後の私のフォローもあり、分散投資の意味とリスクを(おそらく)理解している。また(タイミングがよかったのもあるが)、それなりの成功体験もある。

・インターネットでお金のやり取りをするのはNG
→インターネットで投資信託を買うのがどういうことなのか理解できないし、理解する気もない。そもそもパソコンやらスマホやらを通じて簡単に大金を動かすのは嫌だ……と、まあ、これは理屈じゃないんですよね、きっと。

つまり、甥っ子(私)を信頼しているし、リスク資産を持つことの合理性は理解しているので、少しくらいは投資信託を保有しておきたい。ただし、金融商品を買うなら、いつも使っている金融機関の窓口(対面)で、ということなのです。


ってことで、これまでは、おばさんの使っているメガバンクの窓口販売で購入可能な投資信託のラインナップをサラッと調べて、その中でもっともマシだと思うものを教えていました。

私の考えたマシなもの(おぼさんにとって悪くはなさそうもの)とは、株式を含む国内外の複数の資産クラスに分散してあり、それ一本だけで国際分散投資が完結するもののうち、最も信託報酬(運用管理費用)の低いものです。

どうしても窓口で買いたい(そこで買うことしかできない)というなら、購入手数料(申込手数料・買付手数料)がかかってしまうのも致し方ありません。

また、本当は純資産残高や資金の流出入なども見て、繰上償還の可能性が低そうなものを選んだほうがいいのですが、私がその都度アドバイスできるのであれば、前述したようにそのリスクは気にするほどではないとの判断から重視しませんでした。

んで実際、私が目をつけた投資信託はけっこうな利益も出ていました(まあ、ここ7~8年はどんなものを買っても損するほうが難しいようなマーケット環境でしたが)。

ただし、残念ながらというか、案の定というか、私がマシだと思うような投資信託は銀行側には儲けの少ない金融商品のため、積極的には販売していないせいか、資金が集まらず繰上償還を迎えてしまうのです。

ちょい前にもこのパターンの繰上償還がありました。新手の回転売買手法か!?と疑いたくなります。



◎次はどうするか


さて、今回も「次の投資信託」を探すべく、久しぶりに某メガバンクの投信ラインナップを見たのですが……

購入手数料がゼロで窓口購入可能なものには、信託報酬が高いかそれ一本では完結させられない投信しかない

購入手数料がゼロで信託報酬が低いまともな投信はインターネット専用

購入手数料がかかってもいいから、まともな投信があればそれでいいと思って探したものの、まともなものが見つからない

・・はい、おばさんのメインバンクの窓口で買えるまともな投資信託はなくなってしまいました(他のメガバンクも似たり寄ったり)。


インターネット限定であれば、最近はメガバンクでもかなりいい投資信託が買えるので、ある意味投資環境は改善されたともいえるのですが、窓口販売ではまともなものが見つかりません。相変わらずぼったくり商品もたくさんあります。

窓口でしか買えない人が手数料を負担するのは仕方ないので、購入手数料ありでいいので、せめてまともな(信託報酬の低い)投資信託を用意してもらえたらなぁ、思いました。

実際のところ、親戚のおばさんは、もうリスク資産への投資はしなくても大丈夫そうなので、とりあえずその銀行で投資信託を買うのはもうやめたほうがいいと伝えました。

※おばさんは2月初旬(繰上償還の連絡を受けてすぐ、コロナショック前)に売却したので、偶然の結果論ですが、けっこういいタイミングで売り抜けたのかもしれません。



◎郵便局という手もあるにはあるけど


そのときふと、おばさんは郵便局(ゆうちょ銀行)にもお金を預けてあることを思い出しました。つまり、ゆうちょ銀行も「いつも使っている金融機関」なので、そこで買える投資信託でもOKなのです。

前述した観点からゆうちょ銀行の投信ランナップを見てみると、まあ買ってもいいレベルのものもあるにはあるのですが、あともう一歩ってところですかね。

セゾン投信のファンドもゆうちょの対面で購入可能なのですが、つみたてNISA限定なので、高齢者のニーズにはいまいちマッチしません。

インターネットでお金を扱うのは無理という人が、郵便局で普通にセゾン投信のセゾン・バンガード・グローバルバランスファンド(2022年9月10日よりセゾン・グローバルバランスファンドに名称変更)を買えるようになったら、神なのになぁ、なんてことを思いました。

はて、おばさんの「次」はどうアドバイスしようかな、まあ、このまま勝ち逃げでもいいかもなぁ……。


《参考記事》
セゾン投信を投資初心者にオススメする理由
銀行の営業が親戚のおばさんに、ボッタクリの投資信託を…


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
東証マネ部!:2020年8月
JBpress:2020年7月7日
ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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