いつか子供に伝えたいお金の話

インデックス投資(投資信託を使った国際分散投資)による資産運用・各種保険・クレジットカード・節約など「お金」に関することを書き綴るブログ

グロサン、スリムバランス、楽天VT、楽天VTI…どれがいいのか?

そろそろ積み立て商品をひとつにまとめようと思います。候補としては、グローバル3倍3分法ファンド、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)、楽天・バンガード・ファンドシリーズ(楽天VT or 楽天VTI)のうち、どれかにしようと思ってます。どれがいいと思いますか?虫とりさんの考えをお聞かせください。

・・というような質問というか相談というかを受けました。

ふむふむ、質問者さんは、なかなかお目が高いというか情報感度が高そうですね。

投資する金融商品のことを理解できて、自分なりに納得して積み立てを継続できるなら、投資商品なんてどれでもいいと思うのですが、似たようなお悩みはよく聞くので、それぞれのファンドについて私が考えていることなどを簡単にまとめたいと思います。



◎一本にまとめたい気持ちはよく分かるぜよ


質問者さんの投資経験は存じ上げないのですが、何本もの投資信託を保有して組み合わせながら投資するのはめんどくさい、という感覚は非常によく分かります。

それが最安コストではないし、最合理解ではないと分かっていながら、私もバランスファンドを使ったりしていますから。

自分の性格や性癖を変えることはまず無理なので、投資商品に自分を合わせるのではなく、自分に投資商品を合わせたいですよね。

投資は自分にフィットしたやり方を見つけて、ストレスなく継続できることが大切だと思います。

【参考記事:アセットアロケーション(資産配分)の決め方シリーズまとめ



◎それぞれのファンドについて


質問者さんが候補に挙げていたファンドは、どれもこれまでに私が当ブログで言及したことがあるものなので、(だから質問をしてくださったのでしょうが)以下にそれぞれ簡単なコメントをしてみます。


グローバル3倍3分法ファンド

いま最もホットなファンド(投資信託)のひとつですね。

レバレッジのかかった国際分散インデックス型バランスファンドという斬新なもので、過去のシミュレーションでも理屈的にも見事なファンドだと思います。

ただ、株式を中心とした国際分散タイプのものであれば、どんなファンドであってもマーケットの環境によっては下落局面がやってきます。また、このファンドは債券にレバレッジをかけているので、金利変動の影響もかなり受けるはず。

現在このファンドにイナゴのごとく急激に群がっている資金のうちのどれだけが、「そういうことも分かったうえでのお金」なのかは気になるところです。ちょっとしたことで資金流出が始まったり、マーケット逆回転時に一斉に逃げ出したりしないのか、また仮にそうなったときにこのファンドはしっかり運用を続けていけるのかなどの懸念はあります。

【参考記事:グローバル3倍3分法ファンドは買いなのか?



eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

ざっくりと「えいやっ!」と資産配分を決めただけの、国際分散インデックス型バランスファンドです。

私がメインに使っているファンドですが、あまり合理的とは言えませんし、世界株式の長期的な力強い右肩上がりを前提とするなら、効率的とは言えないでしょう。

それなりのリスクはあるのに、マーケット上昇時にはたいていの場合、株式100%のファンドに後れを取るはず。パフォーマンス的には決してベストにはなり得ません。そういうときにイラついたり、心穏やかにいられない人にはお勧めできません。ただ、私はほどほどでいいし、これがまあまあしっくりくるので使っています。

【参考記事:私がeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)を積み立てている理由



楽天VT(楽天・全世界株式インデックス・ファンド)

小型株までをも含む世界中の株式だけに手軽に投資できるファンドです。

「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017」では第1位に輝きましたね。

他の運用会社の似たようなファンドにもっと低コストなものはありますが(例えばeMAXIS Slim 全世界株式オールカントリーなど)、でもまあ大差はありません。積み立てスタイルでバンガードブランドの商品に投資できるのはナイスだと思います。

リスク資産への投資が株式100%になることのリスクを理解できているのなら、全然アリでしょう(参考:株式100%のポートフォリオでいい、という主張はおそらく正しい)。

【参考記事:あの楽天投信が心を入れ替えた?!



楽天VTI(楽天・全米株式インデックス・ファンド)

前出の楽天VTの米国株オンリーバージョン。資産配分の無駄をそぎ落とした最合理解のように見えるファンドです。

これも他社にはもっと低コストなものがあるものの、投資判断のポイントはそこよりも、ある1国の株式に集中投資することのリスクを理解できているかどうか。

おそらくは当分(ひょっとしたらずっと?)アメリカは最強であり続けるでしょうし、実質的に米国株への集中投資は(米国上場企業の事業展開や収益構造などを考えれば)世界分散と同じようなものだと言えなくもありません。

ただ、暴落時やマーケットの停滞時期に入ると、悲観的な見通しが世を席捲したりするので、投資するからには、そういうときに精神的に耐えられるだけの理解と自分なりの見通しが必要だと思います。

【参考記事:それでも私が米国株のみでなく世界分散をする理由



◎続けやすいもの


冒頭にも書いたように、投資する金融商品のことを理解できていて、(それがそこそこ低コストで)自分なりに納得して積み立てを継続できるなら、どれでもいいと思います。

結局は、相場の大きな上げ下げ局面にどうなるかを把握して覚悟できているかが、最も大切なのかもしれません。

ここ数年のマーケット環境だけを見て、ずっと同じような景色が続くと思っているのなら、それはアカンということです。

積み立て投資以外にも投資方法はありますので、すべての人やすべての未来にに当てはまるわけではないでしょうが、普通の人は、ストレスなく継続できるかどうかが資産形成の成否の分かれ目になると私は考えています。

【参考記事:明日、ブラックマンデー級の暴落が起こっても大丈夫?


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


Twitter:@mushitori
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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
東証マネ部!:2020年8月
JBpress:2020年7月7日
ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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