いつか子供に伝えたいお金の話

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つみたてNISA既利用者も投資可能期間5年延長…ジュニアNISA廃止も資金拘束撤廃…新NISA誕生

私が参加者募集係をやった縁もあったので、金融庁によるNISA関連税制改正説明会に参加してきました。

最近のNISA関連情報のニュースや解説記事には明らかな誤りを含むものもあり、正直微妙です。そこで直接金融庁に訊いてきました。

【参考資料1】
NISAgaiyo.jpg


最初に全体挨拶をした幹部の方と、進行を担当してくださった税制担当の方が二人とも恰幅がよかったので、ハカでも踊ったらかなり迫力があるだろうなぁ、などと思いながら私は説明を聞いていました。

以下に、一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAそれぞの税制の変更点やポイントなどについて簡単にまとめておきます。


※本記事公開時点では、新税制はまだ可決されていませんし、本決まりではありません。また、私の理解が間違っている可能性もありますので、その点はご注意ください。

→追記:本決まりになりましたし、どうやら私の解釈は間違っていなかったようです。



さてさて、まず、今回のNISAの税制改正の基本的な考え方としては、

・マーケットへの成長資金投入(個別株式投資→新型NISAに2階部分を)
・家計の安定的な資産形成の支援(長期・分散・積立投資→つみたてNISAを5年延長、新型NISAを2階建てに)

の2点だそうです。

・・ってことは、NISA一本化への道は一旦消えたのかもしれません。まあ、いい制度が選択可能であれば、個人的には一本でも二本でも三本でもなんでもいいと思っています(金融機関のシステム対応等を考えると心は痛みますが)。



◎一般NISA


まだけっこう先の話なのですが、2024年から、1階部分20万円、2階部分102万円、フルで使うと年間122万円までの投資に対する利益が非課税となる5年間の新型一般NISAが誕生します。

1階部分はつみたてNISAと同様の扱いで、その1階部分を利用すると2階も使えるというもの。ただ、投資経験者は1階の利用はなしでも2階で個別株式を買うことができるそうです。

2階で買うことができるのは、上場株式の他に投資信託などですが、整理銘柄・監理銘柄・レバレッジを効かせている投資信託などは投資対象から除外。

新型NISAはハッキリ言って複雑だと思います。が、投資を分かっていて、制度を理解できて、使いこなせる人だけが使えばいいと思います。ややこしいと思う場合は、使わないか、NISA外でやってもいいわけです。それに多くの普通の人にはつみたてNISAで充分だと私は思います。

他にもポイントをいくつか。

・最近話題のグローバル3倍3分法ファンドは対象外になりそうっぽい。まだ未定らしいですが。

・一般NISAから新NISAへは時価で、新NISA1階からつみたてNISAへは簿価で、ロールオーバー可能になるようです。簿価(投資元本の金額)でロールオーバーって、けっこうお得になる可能性がありますよね。

・現行の一般NISAよりも2万円だけ投資枠が増えたのは、ジュニアNISAの利用残高を見て、その廃止にともなう振替措置的な感じ?

【参考記事:NISA(少額投資非課税制度・日本版ISA)をどう利用するか



◎つみたてNISA


つみたてNISAが5年延長されることによって、2018年の制度スタート時から利用している私のような投資家も、投資可能期間が5年延長され、投資拠出額枠が200万円増えるようです。

投資可能期間は最大20年だとばかり勝手に思っていたので、それを理解したときには思わずガッツポーズがでそうになりました。非課税期間終了後も特定口座等の課税口座で運用を続けようと思っている個人投資家にとっては朗報でしょう。

ただし、ある年に投資した元本利益の非課税期間が最大20年なのは変わらないので、時限がきたら課税口座に払い出されます。同時期に非課税の恩恵を受けられる投資元本は最大800万円のままです(40万円の非課税投資枠×20本)。

このあたりについてはツイッターでも質問をもらったりしたので、もう少しだけ詳しく書くと、「2018年に投資した分」は2037年に課税口座に払い出されて、2038年にはまた40万円の非課税枠に投資可能になる。「2019年に投資した分」は2038年に課税口座に払い出されて、2039年にはまた新たに40万円の非課税枠に投資可能になる……これが2042年まで続くということです。もしよく分からない場合は、「非課税期間」と「投資可能期間」の違いを落ち着いて整理してみるといいと思います。

・・金融庁の税制担当者の方は「積み立て期間の20年は今後も維持したい」と言っていたので、ひょっとするとまた延長があるかもしれません。

ただ、そろそろ自分の寿命とどっちが長いのか、というようなレベルに突入しつつあります。だって2042年に投資した分の非課税期間が終わるのだって2061年とかですからね。

【参考記事:「つみたてNISA」ってなんだ?



◎ジュニアNISA


80万円×5年で最大400万円までの投資に対する利益が非課税になるジュニアNISAですが、2023年に廃止(2024年以降の新規投資不可)されます。

ですが、その後は全解約であれば非課税で払い出すことが可能になりました。これまではここでロックされてしまうのが不便だったのでナイスな制度変更です(ただし、部分解約だと遡及課税あり)。

また、18歳になるまで非課税運用を続けることもできるので、結果的には悪くない制度として幕を閉じそうです。子供が小さければ残り4年フル活用するという手もあるかもしれません。

まあ、我が家はお年玉とはお祝い金くらいしか入れてなので、投資枠は余りまくっていますが。

【参考記事:ジュニアNISA(ニーサ)について



◎まとめ的な


今年は老後資金2000万円問題もあったので、税制改正でNISAの恒久化なんて要望したらヤバいんじゃないかと金融庁幹部の方も気を揉んだそうですが、遠藤金融庁長官は「NISAの恒久化は一丁目一番地なんだからいけ!」と言ってくれたそうです。ちょっと胸が熱くなりました。

資産形成層の国民の一人として、わがままを承知で言わせてもらえれば、やがては投資可能期間と非課税期間の両方を恒久化してもらいたいものです。もちろん、金額はなるべく多めで。


・・これから始める人が早いうちに(一時的に)非課税運用額を大きくしようとするなら、一般NISAを使ってからつみたてNISAを始めるパターンだと思いますが、そんなのめんどくさいし、制度はまだ変わるかもしれないし、マーケットの状況によっては必ずしもそれがお得になるとは限らないので、私はこれまでどおり淡々とつみたてNISAオンリーでいく予定です。

【参考関連記事:一般NISAのロールオーバーをどうするか悩んでいる元同僚から相談を受けた話



【余談その1】
開始前の集合場所でブロガー仲間のおぱるさんの子供のこぱるさんに挨拶をしたら怖がられ、懐きかけてきたから抱っこしたら半泣きされたものの、説明会の最中にこぱるさんに変顔でアプローチしたら、喜んで真似をしてくれ、最高のスマイルをいただけたので参加してよかったです。

【余談その2】
会場で隣に座っていた友人のたぱぞうさんと、斜め後ろに座っていた某経済新聞社の方からアルコール臭が漂うと思ったら、案の定、お二人とも事前にチャージして気合を入れていたとのことでさすがの意識の高さでした。たぱぞうさんは説明会開始30秒くらい前になってトイレに行ってしまいました。


【参考資料2】
NISAencho.jpg


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
東証マネ部!:2020年8月
JBpress:2020年7月7日
ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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