いつか子供に伝えたいお金の話

インデックス投資(投資信託を使った国際分散投資)による資産運用・各種保険・クレジットカード・節約など「お金」に関することを書き綴るブログ

複利で資産が殖えていくイメージ図の功罪

「年率6%の複利で金融資産が殖えるとこうなる!」みたいな図(グラフ)って、初心者向けのコラムや投資啓蒙本などでよく見ますよね。

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こういうカンジのやつ↑


私もほぼほったらかしの自動積み立てスタイルで、国際分散インデックス投資を続けて15年くらいになりますが、投資をスタートしてから今日までのリターンは年率平均6%くらいになります(参考:インデックス投資とは)。

ですが、上の図のような右肩上がりの推移ではありませんでした。



◎リスク資産の値動きとは


自分が投資しているリスク資産のリアルな値動きを年単位で見てみると、あまり値動きのない年が続いたり、数十パーセント単位で暴騰する年があったり、半値くらいに暴落する年があったりと、けっこうギザギザしていました。

また、年単位(年初と年末の比較)で見るとほとんど値動きのなかった年でも、途中の数ヵ月単位で見ると1~2割程度の上下変動はごく当たり前にあり、そのたびに(特に下落の場合は)メディアも個人投資家も大騒ぎでした。

ただ、それでも、スタート地点と現時点の数値を見てみると、私のリスク資産も冒頭の図のように推移してきたのと同じような結果になっているわけです。実際の値動き過程はずいぶんと異なるのに。



◎片手落ちじゃアカン


一般的な国際分散投資を続けた場合の年率平均リターン6%とか7%というような数値が無茶なモノだとは思いませんが、やはりあの図のような値動きで資産が殖えていくことはまずありえません。

投資元本を上回ったり、ときに大きく下回ったりしながら、10年20年単位でふと振り返ったときに、ギザギザを経た「年率平均」というものを実感できたりするのでしょう。

私はべつに、ああいう図を使うのが良くないと言いたいわけではありません。むしろ、初心者に興味を持ってもらうためには、あの手の図は必須だとも思っています。

ただし、プラス面(複利の効果)を強調する場合は、必ずセットでマイナス面(最大損失など)にも言及しておいた方がよいと思うわけです。あれだけじゃダメだと。



◎元本割れアレルギー


初心者は、投資元本がマイナスになったときにアレルギー反応が起こりやすい。

んで、その反応を引き起こしてしまう原因のひとつに、「キレイな右肩上がりの図」があるのかもしれません。事前にあれだけしか見ていないと、マイナスになるかもしれないというイメージが頭から消えてしまうのかも。

投資未経験者や初心者に教える場合、実際の値動きはかなりギザギザするし、それは当たり前だってこともセットで伝えられるといいなぁ、と私は思っています。

リスク資産に投資をすれば(資産配分にもよりますが)、「投資資金が半分以下になることがある」くらいの覚悟が必要です。が、そのようなリスクを許容できる人がリターンを享受できるのがマーケットの世界です。

まあ、理屈と想像だけで、リスクとリターンの関係を理解して、投資を実践し続けるのって意外と簡単ではないんでしょうね。

【関連記事:投資信託や株式の元本割れ(含み損)が気になってモヤモヤしている人へ


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


Twitter:@mushitori
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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約19年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
東証マネ部!:2020年8月
JBpress:2020年7月7日
ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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