2019
Dec
19
複利で資産が殖えていくイメージ図の功罪
「年率6%の複利で金融資産が殖えるとこうなる!」みたいな図(グラフ)って、初心者向けのコラムや投資啓蒙本などでよく見ますよね。

こういうカンジのやつ↑
私もほぼほったらかしの自動積み立てスタイルで、国際分散インデックス投資を続けて15年くらいになりますが、投資をスタートしてから今日までのリターンは年率平均6%くらいになります(参考:インデックス投資とは)。
ですが、上の図のような右肩上がりの推移ではありませんでした。

こういうカンジのやつ↑
私もほぼほったらかしの自動積み立てスタイルで、国際分散インデックス投資を続けて15年くらいになりますが、投資をスタートしてから今日までのリターンは年率平均6%くらいになります(参考:インデックス投資とは)。
ですが、上の図のような右肩上がりの推移ではありませんでした。
◎リスク資産の値動きとは
自分が投資しているリスク資産のリアルな値動きを年単位で見てみると、あまり値動きのない年が続いたり、数十パーセント単位で暴騰する年があったり、半値くらいに暴落する年があったりと、けっこうギザギザしていました。
また、年単位(年初と年末の比較)で見るとほとんど値動きのなかった年でも、途中の数ヵ月単位で見ると1~2割程度の上下変動はごく当たり前にあり、そのたびに(特に下落の場合は)メディアも個人投資家も大騒ぎでした。
ただ、それでも、スタート地点と現時点の数値を見てみると、私のリスク資産も冒頭の図のように推移してきたのと同じような結果になっているわけです。実際の値動き過程はずいぶんと異なるのに。
◎片手落ちじゃアカン
一般的な国際分散投資を続けた場合の年率平均リターン6%とか7%というような数値が無茶なモノだとは思いませんが、やはりあの図のような値動きで資産が殖えていくことはまずありえません。
投資元本を上回ったり、ときに大きく下回ったりしながら、10年20年単位でふと振り返ったときに、ギザギザを経た「年率平均」というものを実感できたりするのでしょう。
私はべつに、ああいう図を使うのが良くないと言いたいわけではありません。むしろ、初心者に興味を持ってもらうためには、あの手の図は必須だとも思っています。
ただし、プラス面(複利の効果)を強調する場合は、必ずセットでマイナス面(最大損失など)にも言及しておいた方がよいと思うわけです。あれだけじゃダメだと。
◎元本割れアレルギー
初心者は、投資元本がマイナスになったときにアレルギー反応が起こりやすい。
んで、その反応を引き起こしてしまう原因のひとつに、「キレイな右肩上がりの図」があるのかもしれません。事前にあれだけしか見ていないと、マイナスになるかもしれないというイメージが頭から消えてしまうのかも。
投資未経験者や初心者に教える場合、実際の値動きはかなりギザギザするし、それは当たり前だってこともセットで伝えられるといいなぁ、と私は思っています。
リスク資産に投資をすれば(資産配分にもよりますが)、「投資資金が半分以下になることがある」くらいの覚悟が必要です。が、そのようなリスクを許容できる人がリターンを享受できるのがマーケットの世界です。
まあ、理屈と想像だけで、リスクとリターンの関係を理解して、投資を実践し続けるのって意外と簡単ではないんでしょうね。
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