身勝手すぎる

数か月前から予約していた小説の順番がやっと自分に回ってきたので、近所の市民図書館に出向いた7月のある日。

駐車場から図書館の入り口までの細い道の途中で「小さくて緑色の丸っこい何か」が視界の隅に入ってきたので、私は足を止めて振り返りました。

kotori.jpg


ん? 小鳥??

近いづいてよく見てみると、まだ成鳥(大人)になり切れていない野鳥の雛(子供)のようです。

幼いころ、「ファーブルさん」と呼ばれるほど昆虫には詳しかったくせに、鳥に関しては全く詳しくない私には、それが何という鳥なのかさっぱり分かりませんでした(参考:楽しいクリスマス会)。



50センチくらいまで接近しても動かないので、ひょっとして置物(人形)かと思って、近くに落ちていた木の枝でチョンとつついてみたら、それはぴくりと動いたものの、飛んだり走ったりはせず、その場で縮こまったままでした。

巣から落ちてしまったのでしょうか。

周囲を見まわしてみましたが、高い木しかなく、仮に巣があったとしても、とても戻せそうにありません。

まあいいや、と見切りをつけ、私は図書館に入りました。で、予約取置してあった小説と、本棚にあるマニアックな温泉の本を借りて、駐車場に戻りました。

戻るときも巣から落ちたと思しきその野鳥の雛は、同じ場所でじっとしていました。

車に乗って、エンジンをかけたとき、ふと残酷なことを思いつきました。

あの雛はあのままでは、誰かに踏みつぶされるか、カラスに食われるか、子供のおもちゃにでもされて死んでしまうだろう。・・であれば、我が家に持ち帰って、飼育しているヘビのエサにでもしてみようかな、と(参考:蛇(ヘビ)飼育にまつわる話)。

私はエンジンを切り、グローブボックスに常備してあるビニール袋を手に取って、また車を降りました。

雛は同じ場所にいたので、ビニール袋をかぶせて捕まえようとしたところ、「ピィッ~」と鳴き声を上げ、バババババッと羽ばたいて2メートルほど低空飛行をしました。

声も出せるし、少しは飛べるようです。

逃げた雛に私が近づいていくと、また同じように鳴いて数メートルほど飛びました。

すると、その鳴き声に反応したのか、同じような色合いの親鳥と思しき野鳥が飛んできて、旋回し始めました。

なんだ、親鳥がいたのか。

その時点で、私はもうその野鳥の雛を自宅に持ち帰る気はなくなり、しばらく観察を続けました。

雛と言ってもそれなりの大きさなので、親鳥が抱えることはできません。親鳥も鳴き声を上げながら雛の近くに着地したり旋回したりを繰り返すだけで、それ以上のことはしません。でも、ずっと見守っている。

親鳥は本能的な行動をしているだけなのか、それとも我が子の心配しているのか、敢えて見守っているのか、私はそんなことを考えつつ、その光景を自分と我が子の状況に投影して、妙にセンチメンタルな気持ちになってしまいました。

そして、この雛が無事に巣に帰って、成鳥になって欲しい、なんて思ったりもしました。

身勝手なものです。

つい直前まで、その雛をヘビのエサにしようなんて考えていたのに、親鳥とのかかわりを見たとたんに、自分は親として、どこまでに子供に手をかけ、どこまで教え、どこまで強制し、どこまで環境を与え、どこまで尊重し、どの程度見極め、どの程度諦めればいいのか、なーんてしんみり考えてたりしてしまうのですから。

【参考記事:我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※追記:記事公開後に「地面に落ちて迷子になっているように見える鳥の雛(ヒナ)は拾うな!」というようなことを呼びかけている公的機関のサイトを教えていただきました→ヒナを拾わないで


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレなど

※小説も書いてみたり
1作目:『迫力』
2作目:『7月のニット帽』



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、資産の一部を世界中の株式や債券などの保有にあてています。

約14年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


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