2019
Sep
07
『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』(竹川美奈子著)を読んだ感想・レビュー
今日は長渕剛の誕生日ですね。
・・・おっと、余計な情報失礼しました!
さて、この本を著者の竹川美奈子さんからいただいて読みました(恐縮にござりまする)。
↓

複雑怪奇な年金のことやその周辺の制度などを、真面目に丁寧に解説して、老後のお金に関する幅広い情報を与えてくれる本でした。
家計ごとに状況は異なるので、いたずらに「2000万円」なぞという「平均的な数字」に踊らされたりせず、各自の状況をしっかり把握して、落ち着いて老後への資金対策を考えなさい、と著者は諭しているように感じました。
・・・おっと、余計な情報失礼しました!
さて、この本を著者の竹川美奈子さんからいただいて読みました(恐縮にござりまする)。
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複雑怪奇な年金のことやその周辺の制度などを、真面目に丁寧に解説して、老後のお金に関する幅広い情報を与えてくれる本でした。
家計ごとに状況は異なるので、いたずらに「2000万円」なぞという「平均的な数字」に踊らされたりせず、各自の状況をしっかり把握して、落ち着いて老後への資金対策を考えなさい、と著者は諭しているように感じました。
◎竹川美奈子さんについて
著者の竹川さんは、投資による資産形成のやり方をとてもやさしく教えてくれるファイナンシャルジャーナリストです。
NISA(少額投資非課税制度)やDC(確定拠出年金)についての詳しい解説本などを次々と出版していて、これまでの単行本合計販売数は50万部に迫る勢いです。
《竹川美奈子さんの著書レビュー例》
・臆病な人でもうまくいく投資法 お金の悩みから解放された11人の投信投資家の話
・税金がタダになる、おトクな 「つみたてNISA」「一般NISA」活用入門
・一番やさしい! 一番くわしい! 個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)活用入門
また、竹川さんは、「老後2000万円問題」で炎上した金融庁金融審議会「市場ワーキング・グループ」のメンバーでもあります。
誤解されたまま(もしくは意図的に曲解されて)選挙や政治の道具に利用されたり、とんちんかんなメディアにひっかきまわされたりして、色々と大変だったと思われます。
【参考記事:「人生100年時代の自助の話」の金融庁報告書騒ぎを見て思うこと】
◎今回の本について
『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』は、タイトルのとおりの年齢層を読者に想定しているようで、50歳以上の方のねんきん定期便の見方、ねんきんネットの登録の仕方や使い方などにけっこうなページを割いています。
ねんきん定期便には載っていない情報と、その調べ方まで書いているのはさすがです。
厚生年金や共済年金をも包含した公的年金、企業年金や退職金など勤務先からの退職給付、それらの受け取り方や税金の話など、まさに老後のお金についての情報が網羅されていました。
あなたの勤務先にはどのような退職給付制度(一時金・確定給付・確定拠出・その他)があって、それぞれの金額的な割合はどうなっていて、いつどのようにいくら受け取るつもりか、ってな具合に、竹川さんは著書内で読者に問いかけます。
こういう話は私のような現役世代にはまだまだ先のことだとは分かっていても、つい気になってしまい、それらを調べていると、なかなかページが進まなかったりしました。
言わずもがな、将来に向けての資産形成の方法、要するに投資のやり方については、相変わらず安定感があって分かりやすかった。当然、NISAやiDeCoなどの紹介・解説もしてくれます。
また、運用結果のグラフ作成に用いられるリスク資産の配分が、これまでのように債券などを含んだ分散型ではなく、株式100%になっていたのは興味深かったです。
【参考関連記事:株式100%のポートフォリオでいい、という主張はおそらく正しい】
◎けっこう踏み込んだ一冊
企業型確定拠出年金加入者が転職する場合の注意点を「自動移換」のデメリットを交えながら解説したり、確定給付型企業年金の中途脱退者の3つの選択肢を教えてくれたりと、かなりマニアックな話にも言及しています。
近年はどこか一社での終身雇用の時代でなく、複数回の転職キャリアも当たり前になりつつあるなんて話はよく聞きます。が、こういう本を読んでいると、こと年金制度を絡めて考えると、転職すればするほど自分の将来のお金のことが複雑になっていき、最終的には何が何だか分からなくなってしまう怖さがあります。
なので、年金制度にしても税制にしても、そういうものはもっとシンプルにしてもらいたいものだと強く思ってしまいました。
また、この本では、家計管理のために、源泉徴収票を見ながら損益計算書を作ったり、資産状況を把握してバランスシートを作ることを提案したりと、ある一定以上の知性というか、めんどくさい作業をする気合いを求められます。
大切な自分のお金と人生の話なので、これまで特に考えてこなかったり、手を付けていなかった人は、そのくらいはやらないといけないのかもしれませんね。
こういう本は、「老後2000万円問題」で色々と不安になってしまった(けど、特に勉強はしていない)真面目な方に読んでいただきたいと思いました。
仕事をバリバリやってはいるものの、自分のお金のことにはイマイチ疎いんだよなぁ、といようなビジネスマンやその配偶者などにはピッタリの一冊かもしれません。

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