いつか子供に伝えたいお金の話

インデックス投資(投資信託を使った国際分散投資)による資産運用・各種保険・クレジットカード・節約など「お金」に関することを書き綴るブログ

インデックス投資はなぜマイナーなのか、どうすれば広まるのか

機関投資家なども含むトータルなインデックス運用の残高ではなく、庶民がそれと認識して保有している割合で考えれば、やはりインデックス投資なんてまだまだマイナーです。

【参考:インデックス投資とは

neko.jpg


なぜマイナーなのか。それについて先日のインデックス投資ナイトで語らうはずだったのに、実際にはあまりそこへ話が及ぶことはありませんでした。

なので、その話題(インデックス投資がマイナーな理由)と、どうすれば広まるのかなどについて、改めて考えてみます。



◎インデックス投資がマイナーな理由


1.知る機会がない

まあ、そもそも知らないですよね、インデックス投資なんて。

普通に生活していると、知る機会も、その必要性を感じる機会もほぼありません。成功体験を持ってる人もほとんどいないし。

「老後資金2000万円不足問題」は、一次情報に当たろうとするようなまともな人に関連情報を提供した珍しいケースだったと思います。

【参考:「人生100年時代の自助の話」の金融庁報告書騒ぎを見て思うこと



2.金融機関は教えてくれない

目先の利益に追われる営利企業(特に販売現場)としては、薄利の極みのようなインデックスファンドを勧めるメリットはほとんどありません。

儲からないものを売ろうとしない(見せない)のは当たり前です。

まあでも、これからのことを考えると、いつまでもボッタくることで利益を上げようとするビジネスモデルの金融機関は淘汰されていくような気もしますが。

【参考:いい物件情報は店の奥のほうに隠してあって、簡単には見せてくれない…投資信託とかの金融商品でも同じだよね



3.マニアックだし、小難しい

上位のパフォーマンスを事前に放棄することによって、ほぼ確実に平均点をとり続けることを約束してもらうなんてマニアックすぎるし、はっきり言って小難しいですよね。

そのいぶし銀のような特徴(良さ)を評価(理解)するには、ある程度知識や経験が必要なのかもしれません。でも、その知識や経験を持っている人なんてほとんどいない、と。



4.物足りない

インデックス投資を知ったとしても、もうちょっといい方法があるに違いないとか、他にもっと色々やってみたいとか、刺激が欲しいとか思ってしまいがちです。

ほどほどで納得するというのは意外と難しいのです。

「投資」という言葉の周辺には、てっとり早く儲けられそうな情報がたくさんありますし(ほとんどデマですが)。

【参考:インデックス投資継続のハードル…シンプルなことを続けるのは意外と難しい



5.怪しい

広まるためにはクチコミも大切だと思うのですが、投資してるなんて他人には言いづらいですよね。

巷に溢れていてよく耳にする「投資」は、ギャンブルや金融機関が儲けるためのものばかりで、そういうイメージが庶民にはこびりついています。

しかも、実際に投資詐欺とかって多いし。

【参考:テレビ出演の影響



◎どうすればもっと広まるのか


投資に市民権を与えるなんてことは、これまで我が国において誰もなしえず、一度も起こりえなかったことなので、そもそも非常に難しいですよね。

正直、現実的なプランは思い浮かびませんが、インデックス投資≒国際分散積み立て投資を広めるための軸としては、

1.とりあえず知ってもらう
2.学ばざるを得ない状況を作る


のどちらか(もしくは両方)だろうと思います。


ここから先は、現実感のない妄想レベルで好き勝手に考えてみただけですが……


1.内容の正確さや理屈は後回しにして、とりあえず知ってもらう

アイドルとかにインデックス投資の歌でも歌ってもらったら、認知度は広まるかもしれません。

女性アイドルグループが『恋するフォーチュンインデックス投資』を歌い、男性ダンスボーカルグループが『チューチューインデックス投資トレイン』を歌って踊るとか。

ただ、投資の原則や内容を理解してもらうのは難しいですし、そんなの歌ってくれるわけないですよね。


あとは、年金制度に関する不都合な真実とインデックス投資の基本的な情報を織り交ぜた報告書をどこかの省庁のワーキンググループに作成してもらって、大臣にその受け取りを拒否してもらえば、大騒ぎになって、その原典を覗こうとする人もいるはずだから、結果的にまともな情報にアクセスする人が増えるとか?……いや、でも、そんなのは狙ってできるものじゃないですわな。



2.国として制度を作って、学ばざるを得ない状況を作る

本当に広めるためには、投資判断せざるを得ない、勉強せざるを得ない状況を作らなきゃダメだと思います。

国民「皆」確定拠出年金とかで、誰もが自分の将来のお金の投資先をリスク資産から選ぶようにするとか、小学校・中学校・高校・大学入試の必須科目にするとか。

そうしたら身近になるかもしれません。もちろん、それでもやらない人はやらないでしょうが、少なくとも今よりは広まるはずです。


・・うーん、やはり現実的なアイデアはありませぬ。

ま、思いもよらないきっかけで広まったりするのかもしれませんけどね。



◎インデックス投資が広まることにメリットはあるのか


ただ、インデックス投資がメジャーになるのがいいことなのか、そうなって欲しいのか、と問われると、別にどうでもいい、というのが正直なところです。

今あるインデックスファンドって、充分に低コストですし、運用だって安定しています。

投資環境が後退したり、運用が終わってしまうほどマイナーになっては困るものの、これ以上広がったからと言って実益的なメリットはほぼないような気がします。

現実的には、自分のやっていることがあまりにもマイナーで寂しい、というのが解消される程度かもしれません。

でも、もしも自分がアクティブ投資家だったら、インデックス運用の残高が増えることは、市場の歪み≒価格と価値の乖離≒儲けのチャンスが増えることに繋がるかもしれないので喜ぶかも……。


・・と、ゴチャゴチャ書きましたが、投資による資産形成をしていない人にとっては、手間をかけず低コストで国際分散投資できる選択肢を知るのは有益なことだと思いますよ(やるやらないは別にしても)。

【参考記事:NHK『あさイチ』の投資への冷めた反応に感じるデジャブと原因


にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ
↑記事を気に入っていただけたら、ランキングに1票(クリック)をお願いします。

関連記事

プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


Twitter:@mushitori
Facebook:Facebookページ

子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
東証マネ部!:2020年8月
JBpress:2020年7月7日
ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

このエントリーをはてなブックマークに追加

読みやすくてオススメの本

金融のプロが実はやっている 最もシンプルで賢い投資の結論

投資理論の基礎から実践まで学べる最高の教科書。→参考記事


改訂版 一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門

投資信託とは何なのかをやさしく解説してくれる本。→参考記事


お金は寝かせて増やしなさい

投資を始める前の自分に1冊だけ読ますならコレ。→参考記事


半値になっても儲かる「つみたて投資」

積立投資そのものを分析・解説している興味深い本。→参考記事


生命保険の罠

生命保険の販売現場のウラ話が満載の強烈な一冊。→参考記事

オススメのネット証券

楽天証券
管理人は個人型確定拠出年金(イデコ)でもここを利用。投信積立や残高で楽天ポイントがザクザク。キャッシュバックたっぷりの口座開設キャンペーンも多し。→参考記事

SBI証券
管理人もメインで利用中の最大手。低コストの商品が豊富で、月々100円からの積み立て投資に対応。投信保有ポイントサービスも高還元。個人型確定拠出年金(イデコ)も充実!

セゾン投信
リスク資産を1本の投資信託で管理したい人にオススメ。「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」は、月々5000円から投資でき、30カ国以上の株式と10カ国以上の債券に分散投資して、世界経済の成長を享受できる。→参考記事

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:


お返事できない場合もあります。また(ドコモ・auなどの)キャリアメールだと返信が届かないことがあります(参考解説記事)。

メッセージ内容はブログ記事に取り上げさせていただく場合があることもご了承ください。

注意事項等

当ブログでは個人的見解を述べているだけなので、他人の判断について責任は負えません。投資などを行う際は、あくまでも各自の責任においてお願いいたします。

リンクや引用なら問題ありませんが、無断転載はご遠慮ください。私は著作権を放棄しておりません。



アクセスカウンター

にほんブログ村 投資ブログ 資産運用(投資)へ