2019
Jun
09
老後資金2000万円不足問題について…「人生100年時代の自助の話」の金融庁報告書騒ぎを見て思うこと
普段からこのブログを読んでくださっているような方にとっては、あの報告書(高齢社会における資産形成・管理)の内容は「当たり前」のものでしょうし、おそらく驚いたり憤ったりすることはないだろうと思いますが……
人生100年時代を見据えて「豊かな老後」を迎えようとするなら、「公的年金だけ」に頼らず、投資による資産形成も必要である、というような金融庁の報告書がメディアやSNSで拾われて、けっこう大騒ぎになっているようです。
いわゆる「老後資金2000万円不足問題」ですね。
あの騒ぎに関連したニュースやワイドショーを見ていて改めて思うのは、国際分散積み立て投資なんてものは、一般には全っ然知られていないんだなぁ、ということです。
人生100年時代を見据えて「豊かな老後」を迎えようとするなら、「公的年金だけ」に頼らず、投資による資産形成も必要である、というような金融庁の報告書がメディアやSNSで拾われて、けっこう大騒ぎになっているようです。
いわゆる「老後資金2000万円不足問題」ですね。
あの騒ぎに関連したニュースやワイドショーを見ていて改めて思うのは、国際分散積み立て投資なんてものは、一般には全っ然知られていないんだなぁ、ということです。
◎本当に伝えたい部分にまで議論が及ばない
年金制度への理解不足とか、そもそも報告書の趣旨を理解していないとか、厚生労働省と金融庁の違いを分かっていないとか、そういう話はとりあえず脇に置いておくとして……
ただ不満を垂れ流したり批判するのではなく、「じゃあ、資産形成ってどうやってやればいいの?」という建設的な(金融庁が啓蒙したかったであろう)レイヤーに入りかけても、
・投資なんてギャンブルだ、怖くてできない
・個別株式を安いときに買って高いときに売るタイミングが分からない
というような話になって、結局はそこで止まってしまいます。
勉強して国内の個別株式の銘柄を選ぶような投資じゃなくて、簡単に世界中にまとめて分散投資できて、かつタイミングを図る必要もなくて、誰にでもできる(再現性のある)投資方法があるんだよ、というこれまでに何度もこのブログに書いてきたようなことが、この機会に少しでも世に広まれば、あの報告書の効果があるよなぁ、と思いました。
以下は、そういうことをまとめた「いつもの内容」です。
◎警戒するのも当然
まあ、まず大前提として、世の中にはまともな金融商品より、怪しいボッタクリ商品の方がはるかに多いというのは事実です。
金融機関が一番に勧めてくる商品は彼らにとって儲かる商品の場合が多く、消費者にとって有利な商品であることはほとんどありません(彼らの目的は自社の利益ですから)。
それに、よく分からないものに投資をしてはいけない、というのは投資をするうえでの一番大切な原則だと思います。
でもね。。
安全だと思われている預貯金や保険、企業年金なんかからも間接的には株式や債券に投資をしていますし、「まともな運用」をしているところでは10年20年単位では着実に利益を積み上げているのも、また事実です。
※嘘だと思うなら、うーん、そうだ……短期的に値下がりするとメディアが大騒ぎすることで有名な「年金積立金管理運用独立行政法人」のトップページに載っているこれまでの累積運用成果を見てみましょう。
◎まともな投資を知らないこと、それが問題だ
投資自体に警戒心が強い人にまず関心を持ってもらうためには、やはりまともな投資の存在と、その過去の実績などを伝えてみるのもいいんじゃないかな、とも思います。
つまり、長期・国際分散・低コスト・小額・積み立ての五つのポイント押さえ、元本割れの可能性にも言及したうえで、
例えば、身近な日経平均に毎月一万円積み立て投資をした場合のこんなグラフや…

※金融庁の資料より(クリックで拡大)
毎月一万円の国際分散投資の結果のグラフとか…

※金融庁の資料より(クリックで拡大)
あとは、まともな投資を20年続けさえすればマイナスにはなっていない結果など…

※金融庁の資料より(クリックで拡大)
とかを紹介するのもアリかな、なーんて思うわけであります。
◎あっしは投資もブログもコツコツ続けます
投資をするかどうかは自己判断ですが、やはり、まともな投資を知らなかった人にそれを知らせる機会を提供する、ということは意義深いものだと思います(しかも、まともな投資信託を自動積立にするだけで、誰にでも簡単に実践できるものだし)。
投資に対して警戒心を持っている人たちは、「よく分からない」「知らない」から、そうなっているだけのケースが多いのです。
例えば、つみたてNISAでは金融庁が睨みを利かせていて、金融機関には儲けの少ない、消費者にとって有利な商品だけしか買うことができないからこそ、金融機関は積極的にアピールをしません。
自分の見立てや考えが正しいかどうかは分かりませんが、私はこれまでどおり国際分散インデックス投資を続け、ネット片隅でコツコツと情報発信をしていこうとは思っています。
《関連参考記事》
・インデックス投資とは
・「つみたてNISA」ってなんだ?
・確定拠出年金ってなによ?

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