いつか子供に伝えたいお金の話

インデックス投資(投資信託を使った国際分散投資)による資産運用・各種保険・クレジットカード・節約など「お金」に関することを書き綴るブログ

個性の希薄化が進むセゾン投信…第7回ブロガーズミーティング

先日、「セゾン投信ブロガーズミーティング2018」にお呼ばれして参加してきました(2018年度ということなのでしょう)。

このイベントは年に一度くらいのペースで催されていて、7回目になります。

今回は11名のブロガーが参加し、そのうち2名が皆勤で、いうまでもなく私はその2名のうちの1人です(マニアの変態です)。

この手のイベントは他の運用会社でも催されるのですが、他社は基本的に「自分たちが発表したいことがあるときだけ」催します。だから、会社側のプレゼンや商品説明等が長くて、質疑応答や意見募集の時間が短い。

ですが、セゾン投信だけは定例的にこれを行い、会議形式で私のような無責任なブロガーたちにたっぷりと言いたいことを言わせつつ、その意見を吸い上げようとします。もう1人の皆勤ブロガーのrennyさんは、そのようなセゾン投信のスタンスは「直販の宿命」だと言っていました。なるほどね。



◎セゾン投信とは


当ブログでは、「投資初心者や普通の人が、できるだけシンプルで楽ちんに資産形成のための国際分散投資をするために、セゾン投信で投資信託(特にグローバルバランスファンドのほう)の積み立てを行うことは、悪くない選択肢だと思う」と、何度も述べてきました。

顧客口座数も14万件を突破し、純資産総額は2400億円を超えており、安定感もあります(2019年3月現在)。

そして実際、同僚や親族などに紹介することもあるので、私はこの投信会社とファンドをしっかりとウォッチするようにしています。



◎追い風と逆風と


さて、セゾン投信が運用を開始してから12年ほどになりますが、以前には突出していた彼らの個性、すなわち「長期・国際分散・積み立て投資・低コスト」といったものは、もはや個性ではなくなりつつあります。

金融庁などを中心に「長期・分散・つみたて」の啓蒙を試みる動きが加速していますし、同じようなコンセプトの金融商品も急激に増えています。そして「低コストな投資信託」という個性も、「より低コスト」な商品が登場したことによって、(投資信託全体から見ればまだ充分に低コストではあるものの)以前に比べて目立ちにくくなっています。

コツコツ投資が広まりつつある追い風と、相対的に個性が埋没しつつある逆風を敏感に感じ取り、これからのセゾン投信の進む道を模索している様子が、ミーティング冒頭の中野社長の挨拶からも感じ取れました。

だからそこ、色々な意見、厳しい意見が聞きたい、とのことでした(もちろん、セゾン投信サイドでも色々と次の手を練っているようではありましたが)。

【参考記事:バランスファンドは、車のオイル交換を自分でやっちゃうような人にはたぶん向いてない



◎マニアは切り捨てる!?


セゾン投信にはたった2つしか商品がなく、ゼロから立ち上げた投信会社なので、事業継続性を考えると他社のように急激な値下げをすることは不可能です。赤字を垂れ流して投資信託の運用を継続できなくなってしまっては、元も子もないからです。

なので、コスト(信託報酬)を最優先にする投資家は、無理してセゾン投信を利用する必要はないでしょう。

【参考記事:セゾン投信を解約したいとか、積立を止めたいとかのメッセージが届く…「卒業」したい理由は5つに集約できそうだ


中野社長も「マニアは想定顧客ではない」と今回も言い切っていましたし、以前にも、世の中の99.5%はめんどくさいことは考えたくない人だから、セゾン投信はそういう人たちに8割の満足を与えられればいい、というような話をしていました。

ミーティングに参加している(我々のような)ブロガーも想定顧客ではないとのことでしたが、ブロガーのようなマニアになると、マニアゆえにセゾン投信のよさを理解して、自分でも買ったりフィットしそうな他人に勧めたりするような人もいるので、(情報発信やコミュニケーションの)すべてを切り捨てるようなことはしないほうがいいと思う、と私はお伝えしてきました。

セゾン投信の(ファンドじゃなくて会社の)損益状況を見れば、誠実な経営スタンスが分かるはずなので、その台所事情をアピールしたら面白いかも、なーんてことも言ってみたのですが、これは軽く聞き流されていました。



◎アナログな感じがいい


今回のブロガーズミーティングの議題は、

1.直販ならではの付加価値と長期投資に対するインセンティブへの向き合い方
2.出口戦略に伴う情報発信等について

というものでした。

誰がどのような意見を言ったかなどを詳しく確認したい場合は、参加ブロガーのレポート一覧をリンクしている水瀬ケンイチさんの記事をご覧ください。

セゾン投信ブロガーズミーティング2018に参加した雑感


ミーティングでは、ママ向けや子供参加歓迎のセミナーの提案や、情報発信の仕方などについて活発な意見が飛び交ったのですが、ある参加ブロガーさんの、

「セゾン投信のアナログさがいい。スマホ対応してないウェブサイトも、たったの2本しか商品がないのも」

という、褒めているのかディスっているのか若干微妙な発言に、私は特に深く頷いてしまいました。

実は私も同感なのです。

セゾン投信を投資初心者にオススメする理由



◎ある社員の話


今回、特にそのアナログさを感じたのは、ミーティングルーム中央に置いてあったホワイトボードの手書きイラストとメッセージです。

DSC_0219_01.jpg


左下の「セゾン投信」という字のヘタクソさに驚くと同時に、私はとても共感しました。

DSC_0220_01.jpg


小学3年生くらいのやんちゃな男子が黒板に書くような文字を書き、そして、それを容認する社風には温かみを感じざるを得ません。

これは決してディスっているわけではないのです。というのも、実は私も強烈に字がヘタクソで、これまでの人生では散々苦労してきました。仕事でも手書きの文書を外部に出す場合は、同僚に代筆してもらうようなことが頻繁にありました。

なので、親しみを込めて、

「この、味のある字を書いたのは誰ですか?」

とセゾン投信のある社員さんに訊いたところ、「彼です」と一人の若い別の社員さんに指が差し向けられました。

すると、その“彼”は、

「本当はもっと上手なんです! ただ、ホワイトボードに書くというのが苦手なだけなんです! スイマセンでした!!」

という具合に、顔を赤くして必死で言い訳をしてくれました。

いやいや、ディスっているわけではないんですよ、と何度私が言っても、全く通じていない様子です。

その全力な様子を見て、私の彼に対する好感度はさらに上昇しました。

色々と話を聞いていると、彼は別の金融機関からセゾン投信に転職してまだ数ヶ月だということが分かりました。

その後、さらに興味深い話が聞けたので、彼はなぜ、どのような経緯で転職したのかということについて、いずれ別の一本の記事を書き起こしたいと思っています。



最後に、当ブログのセゾン投信関連記事で最も人気のあるものをご紹介しておきましょう。

セゾン投信アポなし襲撃の記録…直販投信会社に訪れた危機とは!?


※セゾン投信のファンドは、楽天証券SBI証券から個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)用の商品としても買い付け可能。


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


Twitter:@mushitori
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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約19年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
東証マネ部!:2020年8月
JBpress:2020年7月7日
ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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