2018
Dec
27
全世代必読!『人生100年時代の年金戦略』(田村正之著)を読んだ感想・レビュー
日本経済新聞の編集委員兼紙面解説委員であり、証券アナリストであり、CFPでもある田村正之氏が、全世代の日本人にとって必読レベルの「年金フル活用、虎の巻」とも言うべき本を出版しました。

私はマネー関連の記事を書く新聞記者のなかでは、この田村氏のことを最も信用しています。近視眼的ではなく、痒いところに手が届いていて、しかも読みやすい。
当ブログ経由で最も買われた本も、3年連続で同氏の『老後貧乏にならないためのお金の法則』というマネー本です(今年もトップになりそうな勢い)。
【参考記事】
・『老後貧乏にならないためのお金の法則』(田村正之著)を読みました
・昨年(2017年)、当ブログ経由で買われた本ベスト10
いや~、今回もアッパレな一冊でした。

私はマネー関連の記事を書く新聞記者のなかでは、この田村氏のことを最も信用しています。近視眼的ではなく、痒いところに手が届いていて、しかも読みやすい。
当ブログ経由で最も買われた本も、3年連続で同氏の『老後貧乏にならないためのお金の法則』というマネー本です(今年もトップになりそうな勢い)。
【参考記事】
・『老後貧乏にならないためのお金の法則』(田村正之著)を読みました
・昨年(2017年)、当ブログ経由で買われた本ベスト10
いや~、今回もアッパレな一冊でした。
◎とにかく利用者目線!
著者のもとに、「突然ですけど……、もう年金って出なくなるって知ってますかぁ?」と若い女性からセールスの電話がかかってきたリアルエピソードからこの本の序章はスタートします。
そして10ページちょいでこの一冊の概要がまとめてあるので、少しでも興味のある人は、序章だけでも立ち読みして、その続きを読む価値があるかどうかを判断してもらいたいと思います。
この本の最大の特徴は、老後の生活費の目安などを紹介しつつ、複雑な年金制度を賢くお得に使い倒すにはどうすればいいのかを、徹底的にユーザー目線で検証しているところでしょう。
年金制度そのものについて詳しく説明する本は他にもありますが、ここまで利用者側に立って様々なケースを紹介し、マニアックな試算を繰り返している本を私は他に知りません。著者の田村さんは変態なのでしょうか。
◎公的年金活用術の決定版
まずは、そもそも年金とはどういうものなのかを、その本質から丁寧に教えてくれます。
少子高齢化が進む日本では公的年金は潰れてしまうとか、積立金の運用が下手クソで大損してるとか、国民の半分が未納であるといったような、よくある誤解も、それぞれ実際のデータや根拠を持って正しています。
また、基礎年金よりも生活保護費が高いことに関する見解や、支払った保険料に対してもらえる保険料の世代間格差というような、誰もが気になるポイントについても言及。
さらには、民間の保険では作ることができない物価連動の仕組みやら、マクロ経済スライドやら、所得代替率やらと、かなり難しいところまで妥協なく解説しているのですが、そういうところは興味がなければ「読み飛ばしてもOK」だそうです。
そして、老齢年金・遺族年金・障害年金などを、きちんと基礎年金と厚生年金に分けて説明し、それぞれの相違点や別々に受給手続きする場合のメリットケースなどが詳細に書かれています。
老齢年金を受給する際の、繰り上げや繰り下げをする方法、また、その増減率や損益分岐点などを、健康保険料・介護保険料・住民税なども考慮しながら検証してくれます。
細かい例外ケースなども数多く紹介されていて、在職老齢年金・離婚年金分割・振替加算・加給年金・中高齢寡婦加算などの話も漏らしません。
例えば、夫婦の老齢厚生年金額の差や夫の死ぬタイミングによって、残された妻が有利なる様々なポイントだとか、分割された年金は再婚してももらえるけど、遺族年金は再婚するともらえないとか、障害年金の受給と身体障害者手帳の発行は判定基準が異なるとか、とにかく情報が網羅されています。
◎年金を増やすワザや資産運用の話も
公的年金に上乗せできる付加年金・国民年金基金・確定拠出年金・小規模企業共済なども詳しく紹介されています。
このあたりのことは自営業者さんなんかは絶対に知っておきたい情報ですよね。
もちろん、イデコやつみたてNISAも紹介して、資産運用のイロハも盛り込んであります。年金の勉強をしようと思ってこの本を手に取った投資未経験の方には、その部分も目から鱗だったりするかもしれません。
《※参考記事》
・確定拠出年金ってなによ?
・つみたてNISAってなんだ?
◎オススメの必読書!
この本は、日本人であれば、全世代・全属性にオススメできる本だと思います。
そろそろ年金の受給を検討する世代には、間違いなく必読書でしょう。
まあ、私のようにまだ受給が数十年も先にある世代としては、これから色々と制度も変わるはずなので、すぐには役立たない知識も多いのですが、現行制度がどれだけ複雑怪奇で、どういう部分に損得の肝があるのかを学ぶという点では、メチャクチャ勉強になります。
知っていると知らないとでは大違い、ともいうべき知識が詰まった一冊でした。
この本で学んだ知識を活かして、公的年金を賢くお得に利用しちゃいましょう!!

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