2018
Sep
23
Jリートについて思ってること…インカムアセットをどう考えるか…不動産証券化協会に突撃
先日、一般社団法人不動産証券化協会(ARES)なる組織から、「Jリートの制度設計に係る座談会」という意見交換会のお誘いを受けました。
恥ずかしながらワタクシ、不動産証券化協会(ARES)というものの存在をそれまで知らなかったのですが、調べてみると、それはJリートのオフィシャルな協会でした。
株式や債券に比べるとまだまだマイナーな投資対象であるリート(不動産投信)をもっとメジャーにするために、個人投資家の意見を聞いたり、あわよくばブログに取り上げてもらいたいとでも思ったのでしょう。
どうやら先方は、今をときめく人気米国株ブロガーのたぱぞうさんとはちどうさんに直接会って意見交換をしたいというのが本音で、私にはその二人を連れてくるためのハブ的役回りとしてお声がかかったようです。
なるほど、「意見交換会」とは「合コン」の隠語としても使われる時代です。主役と脇役と仲介役がいるのは当然のこと。なので私は当日、立場をわきまえ、どうでもいい質問を乱発してきました。
・・と、それとは別に、せっかくの機会なので、今回はJリートついての私の考えも書いておこうと思います。
恥ずかしながらワタクシ、不動産証券化協会(ARES)というものの存在をそれまで知らなかったのですが、調べてみると、それはJリートのオフィシャルな協会でした。
株式や債券に比べるとまだまだマイナーな投資対象であるリート(不動産投信)をもっとメジャーにするために、個人投資家の意見を聞いたり、あわよくばブログに取り上げてもらいたいとでも思ったのでしょう。
どうやら先方は、今をときめく人気米国株ブロガーのたぱぞうさんとはちどうさんに直接会って意見交換をしたいというのが本音で、私にはその二人を連れてくるためのハブ的役回りとしてお声がかかったようです。
なるほど、「意見交換会」とは「合コン」の隠語としても使われる時代です。主役と脇役と仲介役がいるのは当然のこと。なので私は当日、立場をわきまえ、どうでもいい質問を乱発してきました。
・・と、それとは別に、せっかくの機会なので、今回はJリートついての私の考えも書いておこうと思います。
◎Jリートとは
リート(REIT)とは、不動産投資信託(Real Estate Investment Trust)のことで、投資家から集めたお金を不動産に投資して、その賃料収入などを分配する金融商品です(参考:投資信託とは)。「J」というのはジャパンの略で、日本籍の不動産投資信託をJリート(J-REIT / 国内リート)と呼びます(海外にもリートはあります)。
リートは、投資額や流動性にハードルのある、つまり買おうと思っても大金がないと買えなかったり、売ろうと思ってもすぐ簡単には売れなかったりといった不動産投資のデメリットを解消してくれる(そこに興味のある庶民にとっては)画期的なツールです。
しかも、リートをひとつ買うだけで、複数の不動産を間接的に保有でき、個別物件のリスクも分散されます。さらに、複数のリートにまとめて投資するJリートのインデックスファンドを買ってしまえば、都内を中心とした数千もの物件にまとめて投資することが可能になります。
不動産市場は、株式市場に比べると、おそらく「歪み」の大きいマーケットです。「知っている人」や「持っている人」もしくは「まめで優秀な人」であれば実物不動産投資のほうが儲けることができたりするのでしょう。が、そこに時間を取れず、さほど興味も持てない普通の人にとっては、(国内不動産への投資をしたいのであれば)Jリートは悪くない金融商品だと思います。
現在の分配金利回りは4%以上で、リーマンショックの頃はそれが8%くらいにまで上昇していました。需給による元本変動はありますが、Jリートは比較的安定的なインカムアセットであると言えそうです(利益の9割以上を分配しなければならない仕組みになっています)。
昔からよく言われている効率的な分散投資の鉄則としての「財産三分法」だの「資産三分法」だのを実践しようとしても、つまり、現金・株式・不動産をバランスよく保有しておこうとしても、その投資額の大きさから、不動産への投資は庶民には現実的でなかったのですが、リートを上手く使えば、それも可能になります。
◎私がJリートに求めること
私には積極的に不動産投資をしようというマインドはないものの、資産形成のために積み立てている投資信託「eMAXIS Slim(イーマクシス スリム) バランス(8資産均等型)」には、10%以上の割合でJリートが含まれています。つまり、分散投資をするうえでの投資対象としてJリートは「あり」だと判断しているということです。
なので、Jリートの動向は他人事ではありませんし、「できればこうあってほしい」というような考えも一応持っています(単なるわがままレベルですが)。
実は現在、Jリートは全部で60銘柄しかありません。アメリカのリートが220銘柄、さらに株式なら数千・数万銘柄以上あることを考えるとなんともショボい(まあ、Jリートの間接的な投資物件は4000件近くありますが)。
インデックス投資で丸ごとJリートに投資をしても、どうしても一銘柄あたりの比率が大きくなってしまいます。上述した8資産均等投資型の投資信託の組み入れ銘柄の上位は、ほとんどJリートが占める、なーんて妙なことにも実際になってしまっています。
不動産市場の時価総額を考えれば、Jリートなんてまだまだ氷山の一角レベルなので、今後も、まともで多様な銘柄が上場するようになればいいなぁ、と思ってしまいます。
また、国内の不動産がしっかりと活用されて利益を生む構造は今後も続いてほしいものです。まあ、これはJリートというよりは不動産市場全体への願い、もっと言えば日本全体の話になってしまいますが。
◎インカムアセットをどう考えるか
さて、不動産証券化協会との意見交換会当日、たしか最初にモデレータさんが議題に挙げたのは、リートや高配当株式ファンドなどからの「インカム(≒定期的な現金収入≒チャリンチャリン)」をどう考えるか、というものでした。
資産取り崩し世代でもなければ、個人で事業をやっているわけでもない私は、今のところ本業の給料以外のインカムは不要です。
だって、勤務先からもらっている毎月の給与だけで普通に生活できているのですから。それ以上もらっても、結局は投資に回すだけです。
だったら、受け取るたびに税金の発生する金融商品からのインカムを受け取る合理性はありません。将来のための資産形成を試みて、なるべく効率的にその「雪だるま」を大きくしておきたいのに、そこからポンポンとキャッシュが吐き出され、その都度税金を払ってから再投資するのは効率的ではありません。
だから私は今のところ、Jリート単品に投資する予定はなく、バランスファンドの中で課税繰り延べを行いながら育ててもらう、という選択をしているのです。もちろん、やがては投資対象からインカム収入を得たい、なーんてことも思いますが、今のところは不要だということです。
ただし、これは私の属性や性格、将来に向けての前提などがあっての考えなので、人によって異なりますし、自分と違う考えや手法を否定するつもりは全くありません。
受け取ったインカムを生活費として使う人もいるでしょうし、税制的なメリットを見出す人もいるかもしれません。安定的なキャッシュインに精神的な安定を求める人もいるはずです。また、各人の将来に対する見通しによっても現時点の最適行動は変わってくるはずなので、あくまで「私は」という話です。
◎座談会当日の様子
さて、概論と私見ばかりの記事になっていますが、これを書くきっかけとなった「Jリートの制度設計に係る座談会」当日の様子も少々書いておきましょう。
このイベントにおける私の立ち位置は、仲介役もしくは盛り上げ役と理解していたので、それに徹しました。
議論中に、用意してあったお菓子をボリボリと食べつつ、モデレータさんの進行を遮る突拍子もない質問を乱発し、以下のように座談会の潤滑油として大いに活躍して(迷惑をかけて?)きました。
・スポンサーとの利益相反について粘着質な質問を繰り返す
・運用会社の旨味は?なぞと、いやらしい表現で微妙なことを訊く
・テーブル上のお菓子をチョイスしたセンスとその味の感想を述べる
・不動産証券化協会職員のインサイダー取引範囲についてしつこく訊く
・そもそもJリートの起りは?なぞと、趣旨とは関係のない話題で議論を中断させる
・不動産会社からこの協会に出向することに左遷的な要素はどれくらい含まれているのか訊く
・・と、まあ、ワタクシ虫とり小僧的には平常運転ですね。オブザーバー参加していた金融庁の方々は、苦笑いを浮かべていましたが。
ただ、不動産証券化協会の職員さんたちは、皆さん真面目に誠実に回答してくださいましたし、Jリートは情報開示がガラス張りレベルで、思っていたよりもずっときちんとしていることが分かりました。
◎おまけに主要アセットクラスの騰落率グラフでも
ゴチャゴチャ書いてしまいましたが、私は分散投資先のひとつとしてJリートはアリだと思っている派です(もちろん、今後も下がるときはガッツリ下がるでしょうが)。
株式や債券のどちらとも微妙に似ていて、微妙に違うアセットクラスであるリート。時価総額がバカでかいわけじゃないけど、小さいわけでもないリート。・・うん、面白い。
今のところ、自分の手元にくるインカムは不要ですが、投資しているバランスファンドの中で着実にインカムを再投資しつつ、課税の繰り延べを行ってくれるなら、使わせてもらおう、ってトコですかね。
ちょっと性格は違いますが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用を見ていても、利子・配当収入はバカにできないどころか、すさまじい安定感を見せてくれていますし。
・・最後に、モーニングスターさんからお借りしてきた「資産クラス別リターン(円換算)」のグラフでも貼りつけておきましょう。毎年のJリートの順位変動でも見てみてください。
こういうのを見ると、強欲かつ煩悩のかたまりである私は、(手間がかからない保有手段があるなら)ついつい全部ほしくなっちゃうんですよねえ。めまぐるしく順位の入れ替わる主要資産アセットをほぼ全部持って、自動リバランスでコツコツと資産の底上げを図りたくなってしまうのです。

※クリックで拡大 出典:モーニングスター https://www.morningstar.co.jp/world_index
資産形成のために釣り糸を垂らしおく投資対象として、私はこれからもJリートを観察して、たまに記事ネタにもしたいと思っています。
【参考記事→投資していなかったアセットクラス(資産)が爆上がりしているときに動揺せずにいられるか】
※投資は自己責任でお願いします。

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