2018
Jun
23
学生の興味は仮想通貨に集中?…金融庁×学生投資連合USICイベント(2018年6月19日)
昨年4月から継続的に催されてきた「金融庁と個人投資家の意見交換会」=「つみたてNISA Meetup(つみップ)」は、日本各地へのドサ回りやスピンオフ的な企画が相次いでいます。

もはやどれを第何回目にカウントすればいいのか分からなくなってきましたが、サッカーワールドカップの初戦・コロンビア戦の日、金融庁で「学生版つみップ」ともいうべきイベントがあり、私もお邪魔して、若く有望な学生さんたちと語らってきました。

もはやどれを第何回目にカウントすればいいのか分からなくなってきましたが、サッカーワールドカップの初戦・コロンビア戦の日、金融庁で「学生版つみップ」ともいうべきイベントがあり、私もお邪魔して、若く有望な学生さんたちと語らってきました。
◎学生限定つみップ!
今回のイベントは、有名な国立・私立大学の、20ほどの投資サークルが協同して活動している学生投資連合USICと金融庁のコラボ企画。
しかもタイトルが「今の日本に必要な投資とは」なぞという大仰なものだったので、私のようなふざけた人間が参加してよいものかと多少身構えたものの、せっかくゲストとしてお声がけいただけたので、仕事を早めに切り上げて金融庁の会議室に行ってきました。
18歳以上の学生であれば誰でも参加可能だったようですが、60名の定員枠はあっという間に埋まったそうです。
金融庁のおなじみのプレゼンのあと、学生さんたちと以下のゲストの間で意見交換が行われました。
【参加ゲスト】
・経済評論家 山崎元氏
↑言わずと知れた資産運用業界最強の論客であり、著名経済評論家
・三菱UFJ国際投信 代田秀雄氏
↑大手運用会社の取締役であり、現役バリバリの投資商品開発責任者
・ファンド情報編集長 岡田篤氏
↑日経新聞との連携取材で刊行される専門情報誌の編集長であり、金融商品格付のプロ中のプロ
・投資ブロガー 虫とり小僧
↑ただのパンピーでありザコ
・・なんというか、私一人だけ怪しすぎましたが(名前も風貌も)、金融庁内の会議室という場の雰囲気も借りて、なんとか役割をこなしてきました。
意見交換終了後は懇親会。学生さんの中に未成年がいないか気になりましたが、そこはさすが金融庁、懇親会を「ノンアルコール」で実施するという徹底したリスクコントロールを図っていました。
当日の様子は、QUICK資産運用研究所の記事をご参照ください。
↓
学生投資連合×金融庁 「つみップ」参戦、質問攻めに
◎学生の関心は仮想通貨に集中?
全体の意見交換会は比較的硬い雰囲気だったのですが、懇親会の場になると多くの学生さんが話しかけにきてくれました。みんな礼儀正しく好奇心旺盛で、とても好感のもてる若者でした。
新鮮だったのは、誰ひとりとして「ブロガー・虫とり小僧」のことなんて知らないこと。
当ブログのメイン読者層であろう現役資産形成層になる前の若者たちと色々な話ができて、こちらもいい刺激をもらうことができました。
・・で、タイトルにも書きましたが、私に対して学生さんたちから寄せられる話題や質問は、ほとんどが仮想通貨に関するものでした。
・仮想通貨は今後どうなると思いますか?
・仮想通貨は投資対象としてどうでしょうか?
・全体の場で仮想通貨に対してやや否定的なコメントをする方もいましたが、どこがダメなのか教えてもらえませんか?
話題性があってメディアへの露出が圧倒的に多いからなのか、手軽に取引できるからなのか、学生さんたちにとって仮想通貨は身近なものであり、注目の投資対象のようでした。
私は、概要として、
・仮想通貨と法定通貨と電子マネーとの違いや類似点
・投資して利益が出た場合の納税義務と方法
・他の金融商品との法律的なセーフティーネット(投資家保護)の違い
などを簡単に説明したり、
・趣味やギャンブルとしてやるのは自由だし、面白そう
・ブロックチェーンってのはスゴいと思うし、イノベーションはまだまだ続きそうな気がする
・インデックス投資じゃ儲からないので、どうしても短期間で大儲けしたいならこういうのに資金を投じるしかない
という見解を述べたり、
・短期間で大儲けできるものは、短期間で大損する可能性も高い
・仮想通貨には株式や不動産のような裏付け価値がなく期待リターンはゼロ
・価値交換媒体たる通貨そのものの価格が激しい値動きをしている状況を冷静に考えたほうがいい
などの理由から、私自身は仮想通貨を資産形成のための投資対象とはしていないことを話したりしました。
どの学生さんも、熱心に耳を傾けてくれました。
私の見解が必ずしも正しいわけではありませんが、「そういう話は聞いたことがありませんでした」という学生が多かったので、見方や考え方のひとつとして知っておいてもらえれば……と思いました。
◎様々な投資スタンスがあることを知ってもらいたい
懇親会のあと、金融庁の某若手職員さんも言っていましたが、基本的には安定的なキャッシュフローの「イン」のない学生さんが、一発で大儲けできる可能性がある仮想通貨やFXなどに興味を持つのは自然なことなのかもしれません。
そもそも、仮想通貨にまつわるニュースは何もしなくても耳に入ってきますが、積み立て投資だのインデックス投資だのといった情報は、自分からアンテナを張らない限り、なかなか入手できないし、知る機会はほとんどないのですから(参考:インデックス投資とは)。
それに「つみたてNISA」は未成年には利用できないので、知らないのも当然です(参考:つみたてNISAってなんだ?)。
なので、仮想通貨への興味などをきっかけに、様々な投資方法があることを知る機会を得て、マネーリテラシー全般を高めてもらえたらいいなぁ、と思いました。
◎その他の話題など
懇親会で質問を受けた流れで、楽天証券
その手の話はあくまでもオマケというかスパイスのようなものなのですが、初心者への効果的なアプローチのきっかけって案外そういう部分だったりするのかもなぁ、なーんてことも思いました。
あ、そうそう。そういえば、話題は仮想通貨だけでもありませんでした。
「投資と投機の違いを学ぶために『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント』を読みました!」という学生さんが二人もいたのには驚きました。投資商品情報などはちょっと古いものの、若いうちにああいう本を読んでおくことは、非常に貴重な機会でしょう。(参考:『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント』(北村慶著)を読んだ感想・レビュー)
あとは、私が投資をはじめたきっかけや、自分の子供に伝えたいと思っていることなどをかいつまんで話しても、熱心に聞いてくれたのが嬉しかったです。
《参考記事》
・我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと
・投資を始めたきっかけ
彼らのような若者が、なるべく手間とコストをかけずにリスク資産への投資を行いながら資産形成を行いたいと思ったときのために、少しだけ先に産まれて実体験を積んだ先輩として、ちょっとくらいは役に立てる情報発信を心がけたいものです。

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