2018
Apr
16
経済記者が子供のために本を書いたらしい…『おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 (しごとのわ)』(高井浩章著)を読んだ感想・レビュー
金融や経済、国際ニュースなどが専門の新聞記者さんが、ご自身のお子さん(小学生向け)に、お金や経済の仕組みを分かりやすく伝えるために書いた本があると小耳に挟んだのでAmazonでポチってみました。

「いつか子供に伝えたいお金の話」なぞという調子こいたタイトルでブログ運営をしている以上、私はこの手の本を読まないわけにはいきませぬ。
もともとはご自身の三人の娘さんのために書いたものを昨年個人出版したところ、AmazonのKindleで一万ダウンロードを突破したので、今回全面改稿して書籍化したとのこと。
分かりやすい解説書なのかと思って読み始めてみたら、なんと、学園ドラマテイストの「小説」でした。

「いつか子供に伝えたいお金の話」なぞという調子こいたタイトルでブログ運営をしている以上、私はこの手の本を読まないわけにはいきませぬ。
もともとはご自身の三人の娘さんのために書いたものを昨年個人出版したところ、AmazonのKindleで一万ダウンロードを突破したので、今回全面改稿して書籍化したとのこと。
分かりやすい解説書なのかと思って読み始めてみたら、なんと、学園ドラマテイストの「小説」でした。
◎お金を手に入れる6つの方法?
同級生の金持ち美女と一緒に、お金について勉強するクラブに入ることになった中学二年生の少年が、謎の先生から経済のカラクリを学んでいく物語です。
その先生は、
「あなたのお値段、おいくらですか」
「かせぐ、ぬすむ、もらう、以外にお金を手に入れる方法を3つ挙げなさい」
「世の中の役に立つ・立たない、はどう決めるのか」
「高利貸し・パチンコ屋・売春婦などは必要なのか」
「生活保護を受けている人や障害者をどう考えるか」
というような即答するのに困る質問をバシバシと投げかけては、ヒントを与えつつ、二人の中学生に考えさせます。
明確な線引きは難しい問題が多いのですが、先生は先生なりに大人の目線でそれらを解説し、リーマンショックはなぜ起きたのか、資本主義と社会主義、格差問題、ピケティの学説、お金の借り方、株式投資と神の見えざる手、さらには信用創造なんかについても教えます。
あ、そうそう、ビットコインの話もでてきますよ。
中二の男女が出てくるので、ご想像のとおり、当然、恋愛要素も多少は……。
◎読み手に考えさせる一冊
物語の中で、登場人物の中学生たち自身が考えたり、先生が彼ら向けに解説したりするので、説明はとても分かりやすいのですが、ハッキリとした結論はあまり明示しないケースもあります。
思考過程や考え方を重視して、なるべく読み手に考えさせ、結論は委ねるスタンスのように感じました。また、思想に関わるような話もけっこう出てきます。
あくまでも子供向けに、世の中の仕組みを教えることに力点を置いているようなので、当然、投資の具体的なアドバイスなどもありません。
そのあたりは、先日、山崎元さんが子供や若者のために書いた『お金で損しないシンプルな真実』とは、また随分と違った趣です。
【参考記事→『人生を自由に生きたい人はこれだけ知っていればいい お金で損しないシンプルな真実』(山崎元著)を読んだ感想・レビュー】
◎子供向けの本だけど大人にオススメ
子供向けとはいえ、こういう本に興味を持って理解しながら読み進めるためには、それなりの偏差値と知的好奇心、そして「学ぶ必要性」が必要だと思います。
社会人になりたての頃の私であれば、目から鱗を落としながら喜んで読んだでしょうが、中高生時代の私だったら全く興味を持てないはずです(あくまでも私の場合ですが)。
そういう意味では、ひょっとしたら子供向けというよりは大人向けなのかもしれません。
子供に世の中のことを分かりやすく教えたいと思っていたり、お金の仕組みなんて今さら誰にも聞けないよ……と思っているような大人にこそしっくりくる本でしょう。
私も、いつか自分の子供に世の中の仕組みを教えるときの参考にしたいと思いました。
【参考記事→我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと】

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