2017
Sep
30
「バランスファンドはクソだ」と言い切ってしまうことの功罪
真面目に勉強して、資産形成のために投資を始めようとしている方や、実際に投資を始めて数年程度のビギナー個人投資家さんと話していてちょくちょく聞く言葉に、
「バランスファンドはコストが高いから、やめといたほうがいいんですよね?」
「バランスファンドは地雷だから、決して投資してはダメだと聞きました」
というようなものがあります。
これ、かなり頭が良くて行動力のある一部の人やマニアには当てはまるかもしれませんが、多くの普通の人にとっては微妙な問題だと思うんですよね……。
※バランスファンドとは、株式や債券など複数のアセットクラス(資産)がパッケージ化された投資信託のことです(参考→投資信託とは)。
「バランスファンドはコストが高いから、やめといたほうがいいんですよね?」
「バランスファンドは地雷だから、決して投資してはダメだと聞きました」
というようなものがあります。
これ、かなり頭が良くて行動力のある一部の人やマニアには当てはまるかもしれませんが、多くの普通の人にとっては微妙な問題だと思うんですよね……。
※バランスファンドとは、株式や債券など複数のアセットクラス(資産)がパッケージ化された投資信託のことです(参考→投資信託とは)。
◎バランスファンドは本当にすべてダメなのか・・
もちろん、投資のことや金融商品のことを網羅的にキチンと理解して、自分でバリバリ行動を起こせる人には、バランスファンドなんて不要なこともあるでしょう。商品によっては、デメリットのあるものもあります。
【参考記事→バランスファンドは、車のオイル交換を自分でやっちゃうような人にはたぶん向いてない】
でもね。
私の知る限り、冒頭に書いたようなことをいう人は、その次に、
「で、海外ETFに挑戦したんですけど、為替のタイミングが難しくて悩むし、税金のこととかよく分からなくて……」
「で、最低コストのインデックスファンドが発売されるたびに乗り換えているんですけど、なんだかもう疲れちゃって……」
「でも、アセットアロケーションをどうしたらいいか考えても答えがでないんです」
「実は……そんなことより、損切りのタイミングで悩んでいるんですよ」
というような話に展開するパターンが非常に多いのです。
「それだったら、まともなバランスファンドを選んで、それに投資しておいたほうが手間はだいぶ省けるし、パフォーマンスだって、まあ五分五分だと思いますよ…」と、私の個人的な意見を言うのですが、「バランスファンドはクソだ」という先入観が強すぎるのか、あまり耳を傾けてはくれないことがけっこうあります。
◎まともで低コストなバランスファンドならいいんじゃね
もちろん、バランスファンドの中には、買うに値しないボッタクリ商品もあります。
っていうか、そもそも、5000本だか6000本だかある日本国内の投資信託のうち、約99%は買うに値しないダメ商品だと私は考えています(あくまでも主観ですが、以前からずっとそう主張しています)。
ただ、買っていいと思えるような残り1%の投資信託の中の、そのまたさらに「トップ・オブ・トップ」を血眼になって追わなくても、べつにいいのでは……と思うのです。
例えば、当ブログで紹介しているようなバランスファンドであれば、その他多くの投資信託から比べれば充分に低コストと言えるレベルであり、クオリティだって悪くありません。
【参考記事】
・セゾン投信を投資初心者にオススメする理由
・eMAXISバランス(8資産均等型)について
・子供がもらったお年玉やお祝い金などの管理方法←まともなバランスファンドのまとめ的な記事として
そしてなにより、「それ一本に投資するだけで、国際分散投資が完結する」というのは、かなり強力なメリットだと思います。
◎ベストを求めすぎてベターどころか及第点にすら届かない、なんてことになりませんように
アセットアロケーションだって、国内外の金融資産にそこそこ分散してあれば、投資パフォーマンスがそんなに大きく変わるわけではありません(ま、これも主観にはなりますが)。
大切なのは、そこそこ低コストな商品を選んで、そこそこ分散して、相場下落時にも動揺せずに続けることができる仕組みを作ることでしょう。
【参考記事→「アセットアロケーションの比率に悩んで、夜も眠れません。どうすればいいのか?」というような質問への回答】
例えば、以前に、ある専門家が「8資産均等配分のアセットアロケーションは、意味がなく頭の悪い配分だ」と言ったとか言わなかったとかで話題になりましたが、ベストのアセットアロケーションなんざ、事前には誰にも分かりません。また、ベストを目指しているプロなり専門家なりが、長い目で見て8資産均等分散のアセットアロケーションに勝てるのかどうかも、かなり怪しいもんです。
それは、「8資産均等配分」の部分を「4資産均等配分」に言い換えても、「時価総額比2資産」や「GDP比2資産」などに言い換えても同じことです。
そもそもインデックス投資を選択している人なら、それを選択した時点でベストは追い求めてはいないはずです(と私は思っています)。
私はもう12年間ほど、ちんたらと国際分散積立インデックス投資を続けていますが(参考→インデックス投資とは)、これまでの年平均のリターンは6~7%程度。まあ、華麗なパフォーマンスとは言えませんが、ほとんど「ほったらかし」でこのパフォーマンスなら、個人的には充分満足のいくものです。
私はこれからも「のんびり・ほどほど」にいきますわ。
で、そのための道具として、まともなバランスファンドを活用することがダメだとは全く思っていません。
※書いたことはあくまでも個人的な見解なので、投資判断は自己責任でお願いします。

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