いつか子供に伝えたいお金の話

インデックス投資(投資信託を使った国際分散投資)による資産運用・各種保険・クレジットカード・節約など「お金」に関することを書き綴るブログ

「為替ヘッジあり」の投資信託って、「為替ヘッジなし」とどう違うの?

読者さんから以下のようなご質問をいただきました。


==(質問メール一部抜粋)==

「為替ヘッジあり」のバランスファンドがあるのですが、それは「ヘッジなし」と比較してどのような違いがあるのか、いまいちよくわかりません。

==(以上)==


ふむふむ。
投資にまつわる話なんて、ただでさえマニアックでややこしいことが多いのに、「為替ヘッジ」とか言われると余計に分かりにくくなってしまいますよね。

また、選択肢が増えると、同時に悩みが増えてしまうのもよく分かります。

・・かなり大雑把かつ、個人的な考えを多分に含んではいますが、簡単に回答してみます。



◎「為替ヘッジあり」だとリスクが下がる


為替ヘッジありのファンドとは、為替変動の影響を避けるように設計された投資信託のことです。

円建て(日本円で売買でき、残高も円で表示される)の投資信託であっても、海外の株式や債券に投資するものであれば、間接的に現地の通貨で投資していることになります。なので、円高になればその投資信託の基準価額は下がるし、円安になれば上がります。

ところが、「為替ヘッジあり」の投資信託だと、円高になっても基準価額は下がらないし、円安になっても上がりません。為替変動の影響を排除して、純粋に投資先の外国株式や外国債券などの価格変動そのものに連動するように設計されます※。

簡単に言えば、「為替ヘッジあり」は「為替ヘッジなし」と比べてリスクが低い(大儲けや大損をしにくい)ということです。

※国内資産に対する為替ヘッジ商品というのはありません。そもそも為替リスクがありませんから。



◎リスクは下がるけど…


ただし、為替ヘッジをするにはコストがかかりますし※、「日本円が心配だから“円安リスク”に備えて外国資産に投資しておきたい」というような場合は、その意味がかなり薄れてしまうことにもなります

また、直接的な為替リスクはこのヘッジでほぼ回避できますが、間接的な為替リスク、つまり「円高になると日本株インデックスが下がる」というようなリスクまでを回避できるわけではありません。

ちなみに私は為替ヘッジタイプの投資信託を今のところ利用していません。為替リスクは、トータルなリスク資産と無リスク資産の比率をコントロールすることで調整すればいいと考えているからです。

んでも、為替ヘッジ型のバランスファンドを使って、トータルなリスクを下げるという戦略もアリだとは思いますよ(今後、為替が円高に向かうと考えている人が利用するのもアリかも)。


※為替のヘッジコストについては、モヒカン先生が詳しい解説記事(為替ヘッジにかかる為替ヘッジコスト 金利差だけでは決まらないコストの仕組み)を書いています(ただ、かなりマニアックかつ複雑な話なので、無理して理解する必要はないでしょう)。



◎明らかな間違いでなければ好きなようにやろうや


・・とまあ、ゴチャゴチャ書きましたが、為替リスクを避けたいなら「為替ヘッジあり」を選べばいいでしょう。

いただいたメールでは、「為替ヘッジありのバランスファンド」に関する質問だったのですが、この話はバランスファンドであろうと、その他のファンドであろうと同じなので、一般論として書きました(バランスファンドの場合は、ファンド内の投資先の外国資産部分(の一部もしくは全部)に為替ヘッジがなされています)。

いつも書いていることですが、個人における資産形成のための投資は、明らかな間違いでなければ、各自好きなようにやればいいっすよね。


【関連記事→為替ヘッジつき外国資産ファンドをどう考えるか


にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ
↑記事を気に入っていただけたら、ランキングに1票(クリック)をお願いします。

関連記事

プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


Twitter:@mushitori
Facebook:Facebookページ

子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
東証マネ部!:2020年8月
JBpress:2020年7月7日
ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

このエントリーをはてなブックマークに追加

読みやすくてオススメの本

金融のプロが実はやっている 最もシンプルで賢い投資の結論

投資理論の基礎から実践まで学べる最高の教科書。→参考記事


改訂版 一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門

投資信託とは何なのかをやさしく解説してくれる本。→参考記事


お金は寝かせて増やしなさい

投資を始める前の自分に1冊だけ読ますならコレ。→参考記事


半値になっても儲かる「つみたて投資」

積立投資そのものを分析・解説している興味深い本。→参考記事


生命保険の罠

生命保険の販売現場のウラ話が満載の強烈な一冊。→参考記事

オススメのネット証券

楽天証券
管理人は個人型確定拠出年金(イデコ)でもここを利用。投信積立や残高で楽天ポイントがザクザク。キャッシュバックたっぷりの口座開設キャンペーンも多し。→参考記事

SBI証券
管理人もメインで利用中の最大手。低コストの商品が豊富で、月々100円からの積み立て投資に対応。投信保有ポイントサービスも高還元。個人型確定拠出年金(イデコ)も充実!

セゾン投信
リスク資産を1本の投資信託で管理したい人にオススメ。「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」は、月々5000円から投資でき、30カ国以上の株式と10カ国以上の債券に分散投資して、世界経済の成長を享受できる。→参考記事

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:


お返事できない場合もあります。また(ドコモ・auなどの)キャリアメールだと返信が届かないことがあります(参考解説記事)。

メッセージ内容はブログ記事に取り上げさせていただく場合があることもご了承ください。

注意事項等

当ブログでは個人的見解を述べているだけなので、他人の判断について責任は負えません。投資などを行う際は、あくまでも各自の責任においてお願いいたします。

リンクや引用なら問題ありませんが、無断転載はご遠慮ください。私は著作権を放棄しておりません。



アクセスカウンター

にほんブログ村 投資ブログ 資産運用(投資)へ