2017
Jul
28
投信販売会社は「つみたてNISA」に100%前向き?…金融庁と個人投資家の意見交換会(第四弾・2017年7月26日)
金融庁と個人投資家の直接対面イベントが、先月・先々月・先々々月に続き、今月も催されました。
ひょんなことから私が参加者募集・案内係を務めることになり、毎回の懇親会で乾杯の音頭までとるようになってしまったので、参加しないわけにはいきませぬ。

もう第4回目となるのに、私以外にも皆勤を続けているかたが複数名いらっしゃいます。きっと中毒性のあるイベントなのでしょう。
参加者総数は、前回よりもさらに増えてなんと100名以上。金融庁職員・金融機関関係者・一般参加者・ゲストオブザーバー・メディア関係者など、多様な属性の人間が、金融審議会でも使われる巨大な会議室に集いました(金融庁関係者の「見学」が多かったようです)。
ひょんなことから私が参加者募集・案内係を務めることになり、毎回の懇親会で乾杯の音頭までとるようになってしまったので、参加しないわけにはいきませぬ。

もう第4回目となるのに、私以外にも皆勤を続けているかたが複数名いらっしゃいます。きっと中毒性のあるイベントなのでしょう。
参加者総数は、前回よりもさらに増えてなんと100名以上。金融庁職員・金融機関関係者・一般参加者・ゲストオブザーバー・メディア関係者など、多様な属性の人間が、金融審議会でも使われる巨大な会議室に集いました(金融庁関係者の「見学」が多かったようです)。
◎販売会社も参戦
今回は、複数の金融機関(投資信託の販売会社)も招かれており、「つみたてNISA」への準備状況などについて、参加者は質問をたたみかけました。
参加していた販売会社は、
・野村證券
・大和証券
・ゆうちょ銀行
・三井住友銀行
・SBI証券
・今村証券
・静岡銀行
・楽天証券
の8社です(当日の席順)。
上記の金融機関関係者(の主に役員や部長クラス)、彼らを検査・監督する立場のいわゆる「お上(かみ)」たる金融庁、そして庶民(主にサラリーマン個人投資家)の我々が一堂に会するイベントなんざ激レアです。
詳しくは後述しますが、非常に味わい深いものがありました。
※実は山崎元さんのお力添えで、楽天証券の社長・楠雄治さんにゲストとして一般席にひょっこり座ってもらう作戦だったのですが、さすがにゲスト名簿を見た金融庁サイドも気を使ったのか、急遽パネリスト席を増やしていました(楽天証券の楠社長が一般席にいたら、それはそれでシュールな空気を醸し出せて面白かったかもしれないと、若干残念な気もします)。
※私が資産形成のメインに利用しているのは今のところSBI証券ですが、個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)部分では楽天証券を使っています。
【参考記事→SBI証券と楽天証券、今から投資を始めるならどっちにするか…投信100円買付が可能になり、個人型確定拠出年金(イデコ)の加入運営手数料も無料になった件の雑感も】
◎イベント概要
まずは金融庁肝いりの新制度「つみたてNISA」に関する簡単な説明がありました(10分程度)。
つみたてNISAについて私が気になっているのは、制度が有限であることと、現行(一般)NISAとつみたてNISAの併存が続きそうなことです(昨年末くらいの報道では、一本化する方向とのことだったのに)。
やはり、シンプルに一本化して、投資可能期間と非課税期間を恒久化するのが望ましいと思っています。んで、投資可能額はなるべく大きく、と。
それが簡単でないことは推察できますが、こういうとき、庶民は余計な忖度はせずに率直な要望を言うべきだと思うので、恒久化が実現するまでは私も言い続ける(書き続ける)つもりです。そのためにはやはり、利用者と残高の拡大ですよねえ。。
※つみたてNISAの概要をご存じない方は、以下の記事をご参照ください。
↓
参考記事:「つみたてNISA」ってなんだ?…金融庁の制度担当者に聞いてみました
その後、パネリスト?として参加した投資信託の販売会社が一言ずつ挨拶をして、メインイベントの質問タイム(意見交換会)となりました。
意見公開会終了後は、同じフロアの別のスペースに移動しての懇親会でした。
◎つみたてNISAに全社員が前向き、だと?
まったく本音を見せずに極上の営業スマイルを続けるかた、個人投資家のほうには目もくれずひたすら金融庁職員だけを見て話すかた、このチャンスを活かそうと長めのプレゼンを打ってくるかた、参加者からの鋭い質問に「青汁」を飲んだような険しい表情を浮かべて渋々回答するかたなど、販売会社からの参加者は様々で、非常に味わい深かったです。
ただ、やはり、全体的には個人投資家に対して、というよりも金融庁に対して模範解答をしているようなテイストでした。
私は「この儲からなそうな制度(つみたてNISA)への取り組みに対して、前向きな社員はどれくらい(何パーセントくらい)いるのか」と質問してみました。
「社員」とは、全社員のことを指すのか、それとも意思決定権を持つ役員たちを指すのかについて曖昧なままになってしまいましたが、なんと、ほぼ全社が「100%です!」と、おそらく100%ウソの社交辞令回答をしてきました。
まあ、ジャイアン(金融庁職員)を前にして完全萎縮しているスネ夫やのび太たち(金融機関関係者)に対して、その威を借りてあんまり責め立てるのもフェアじゃない気がして、それ以上野暮なツッコミを入れるのはやめておきました。
そのとき、私はふと思い出しました……高校時代のスパルタすぎる部活で、機嫌を損ねた鬼監督から、「もう今日は練習はやめだ!帰れい!!」と言われ、本当はそのまま練習が終わることを心の底から願い、すぐにでも帰りたいのに「いえ、練習をさせてください!お願いします」と、何度も心にもない言葉を吐いたことを。
ただ、無理やりであっても、あのとき鬼監督が厳しい練習を課してくれたことで、そういう環境が当たり前になり、各自の「自主性」なんてものだけでは到達することができなかったあろうレベルに達し、結果として全国大会に出場できたことなんかを考えると、力のある指導者が道筋を示すことには一定の意味があると私は思っています。
つみたてNISAに関しても、(たとえ無理やり言わされているとしても)主要な金融機関は導入を明言しています。どこの販売会社も手を上げなかったらどうしよう、という私の懸念はひとまず払拭されました。
金融商品販売現場の実態を考えると、長い目で見れば、金融庁のこういうリーダーシップはアリだと思います。庶民のために、無難な投資方法の選択肢を用意してくれているだけですからね。どう考えても悪いことではありません。
【参考記事→銀行の営業が親戚のおばさんに、ボッタクリの投資信託を…】
◎大物ゲストを招聘
岩城みずほさん、高橋忠寛さん※、竹川美奈子さん※、田村正之さん※、山崎元さん※(50音順)など、この界隈の大物ゲストを今回もお招きしました。このようなかたたちと懇親会であれこれ話ができるだけでも、このイベントはコスパが高いと思いますよ。
※今回のゲストの主な著書について当ブログで書いた書評記事
・高橋忠寛さん(元銀行員のイケメン中立FP)
→『銀行員が顧客には勧めないけど家族に勧める資産運用術』(高橋忠寛著)を読みました(感想・レビュー)
・竹川美奈子さん(みんなの美奈子さま)
→『臆病な人でもうまくいく投資法 お金の悩みから解放された11人の投信投資家の話』(竹川美奈子著)を読みました
・田村正之さん(日経新聞社随一の投資情報通)
→『老後貧乏にならないためのお金の法則』(田村正之著)を読みました…「老後破産」しないための必読書!
・山崎元さん(言わずと知れたこの界隈の最重鎮)
→『全面改訂 ほったらかし投資術』(山崎元・水瀬ケンイチ著)を読みました
・・岩城さんの著書も読まねば……。
◎その他、印象深かったことなど
・野村証券では、毎月1000万円の積立投資をする人もいるらしい(マジかよ!)
・大和証券は、つみたてNISAでETFの「るいとう」をOKにするらしい(キタこれ!)
・SBI証券は、つみたてNISAで毎日積み立てをOKにするらしい(ふむ)
・楽天証券は、つみたてNISAでも楽天ポイント利用をOKにするらしい(ほう)
・懇親会の寿司ネタから白魚(シラオウ)がなくなっていた(しょぼーん)
・当ブログの「初心者歓迎」の言葉を信用して、女性のお一人参加が徐々に増えている(ワーイ!)
・9月10日(日)の昼間に、「つみたてNISAフェスティバル2017」なる200人規模のイベントを開催することが決定している(ワオ!!!)
※ひょっとしたら、フェスティバルの参加者募集案内も当ブログですることになるかもしれません。
【これまでの当ブログの主なNISA関連記事】
・NISA(少額投資非課税制度・日本版ISA)をどう利用するか
・ジュニアNISA(ニーサ)について…我が家はどうするのか
・「つみたてNISA」ってなんだ?…金融庁の制度担当者に聞いてみました
【過去3回の類似イベント報告記事】
・第一弾:絞り込まれた投資対象商品・4月7日
・第二弾:ついに金融庁幹部登場・5月29日
・第三弾:投信運用会社を招喚・6月29日

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