いつか子供に伝えたいお金の話

インデックス投資(投資信託を使った国際分散投資)による資産運用・各種保険・クレジットカード・節約など「お金」に関することを書き綴るブログ

金融庁と個人投資家の意見交換会に行ってきました(第三弾・投信運用会社を招喚・2017年6月29日)

金融庁と個人投資家の直接対面イベントが、先月・先々月に続き、今月も催されました。

このイベントを告知して参加者を募集しているワタクシ虫とり小僧について、金融庁イベントを騙る新手の詐欺師だの、庶民派投資家を名乗る金融庁の隠密職員だのと、様々な噂が囁かれているようですが、金融庁とは関係のないパンピーでございます。

あえて普通でない点を挙げるとすれば、自宅でヘビを飼育していることくらいなものでしょう(参考→大手テレビ局の某経済番組から取材を受けた件について


さて、今回も行ってきましたよ。平日の夜に金融庁の会議室へ。

参加者総数は前回よりもやや増えて80名ほど。金融庁職員・金融機関関係者・一般参加者・ゲストオブザーバー・メディア関係者など、多様な属性の人間が、金融審議会でも使われる巨大な会議室に集結して侃侃諤諤やりました。



◎運用会社も参戦


今回は、日本を代表する複数の金融機関(投資信託運用会社)の方たちを招き、「つみたてNISA」の参入意向などについて、我々参加者が訊きたいことを聞きまくる企画が敢行されました(金融庁も毎回矢面に立って我々マニアの無礼な質問を浴び続けるのに疲れたのかもしれません)。

参加していた運用会社は、

セゾン投信
大和証券投資信託委託
ニッセイアセットマネジメント
野村アセットマネジメント
ブラックロック・ジャパン
三菱UFJ国際投信株式会社
レオス・キャピタルワークス(ひふみ投信)

の7社です(語順)。

上記の金融機関関係者(の取締役や代表クラス)、彼らを検査・監督する立場のいわゆる「お上(かみ)」たる金融庁、そして庶民(主にサラリーマン個人投資家)の我々が一堂に会する機会なんざ滅多にないでしょう。刺激的で貴重なイベントだった思います。



◎イベント概要


まずは金融庁肝いりの新制度「つみたてNISA」に関する説明から始まりました。いつもとほぼ同じ話をザックリと(10~15分くらいだったかなぁ)。

つみたてNISAそのものについて私が気になっているのは、現行(一般)NISAとつみたてNISAの併存が続きそうなことです(昨年末くらいの報道では、一本化する方向とのことだったのに……)。

やはり、シンプルに一本化して、投資可能期間と非課税期間を恒久化するのが望ましいと思っています。んで、投資可能額はなるべく大きく。

※つみたてNISAの概要をご存じない方は、以下の記事をご参照ください。

参考記事:「つみたてNISA」ってなんだ?…金融庁の制度担当者に聞いてみました


その後、パネラーとして参加した金融機関(投資信託運用会社)の方たちが、一言ずつ挨拶をして、メインイベントの質問タイム(意見交換会)となりました。

参加者からは、金融機関に対してだけでなく、金融庁に対する質問なんかも飛び出し、三つ巴でしっかり盛り上がりました。

ただ、今回は、広く重厚な会議室で、金融庁に睨まれて明らかに緊張している金融機関のパネラーがずらりと並んでいたせいか、参加者にもその緊張が伝わって、これまでよりも若干固い雰囲気だったように感じました。

そこでのやりとりは、おそらく他のブロガーさんが記事にすると思うので詳しくは触れませんが、基本的にはどの運用会社もつみたてNISAに対してポジティブな姿勢を見せていました。



◎超大物ゲストを招聘


今回はマネー関連情報発信者だけでなく、参加していた運用会社にさえ睨みが利くレベルの証券・運用業界の重鎮の方にもオブザーバー的な立場でご参加いただきました(山崎元さんのお力添えで実現)。

超一級のストラテジストさんにもご参加いただけたので、おそらく参加した運用会社の面々もおったまげたことでしょう。

個人的には、ぜひ一度お会いしてみたいと思っていた龍谷大学経済学部教授の竹中正治さんが、わざわざ京都から来てくださったことに感激しました(これも山崎元さんのお力添えで実現)。

また、ロイターの記者さんが、海外向けの英語版ニュースとして発信するべく取材をしていました。

・・あの山崎元さんが同じ会場にいるにも関わらず、一言も発言しないで見ているだけ、という事実が、このイベントの贅沢さを表していると言えるでしょう。



◎懇親会の雑感、次回予告など


今回も懇親会は盛り上がりました。

2000円でワイワイやりながら好きなだけビールやワインが飲め、霞が関付近の出前寿司やピザ、サンドイッチや美味しいお総菜などをお腹いっぱいに食べられるので、コスパはかなり良いと思います。

初参加の方たちの「参加」の決め手は、やはり金融庁の会議室で開催している点だそう。金融庁が庶民に与える安心感ってのは、たいしたものなんですなあ。

意見交換会の席では、必ず発言しなければならないわけではありません。むしろ、発言しない人のほうが多いのです。初心者さんが、物見遊山や懇親会のみを目的に参加するのもアリだと思いまっせ。

まだ来たことのない初心者さん、次回(があれば)ぜひ!


意見交換の場で、私は、

「運用会社がつみたてNISAに対してそれなりに前向きなことはよく分かった。しかしながら、明らかに儲からなそうなこの制度に対して、販売会社は全くノリ気じゃないのではないか。販売会社のやる気はどうなのか? 有名無実の制度になりはしまいか?」(いい商品があっても、それを売るお店がないと我々は購入・利用することができません)

と質問したところ、金融庁の担当者さんから、

「じゃあ、次回は販売会社を呼んで、このイベントをやりましょう! 直接そこんトコを突っ込んでみてください。もしも声をかけたのに参加を断ってきた販売会社があったら、その会社名をここで表明します」

と、粋な(販売会社にとっては鬼の)回答がありました。

・・耳を澄ますと、聞こえてきませんか?・・私にはたしかに聞こえます。・・金融機関の歯ぎしりが……。

金融庁さん、ハンパないっすよね。このあたりは、個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)を管轄している厚生労働省とはスピード感と勢いが違いますわな(参考→確定拠出年金ってなによ?)。


ところで、販売会社って、どこが来るのでしょう。ネット証券は喜んで参加しそうな気がしますが、やはり庶民向けの最大の窓口は銀行だと思います。

運用会社の人はマニアックな質問にも余裕で対応してくれましたが、メガバンクの窓販担当の責任者あたりが我々の質問を受けたらどうなってしまうのか。なんだかワクワクしてしまいます。

ただ、私が「銀行」「投資信託」というキーワードから連想するのは、どうしても「ボッタクリ」という言葉になってしまいます。できれば、そういうイメージは早く変えてもらいたい。

【参考記事→銀行の営業が親戚のおばさんに、ボッタクリの投資信託を…


ってことで、類似イベントの第4弾(販売会社を集めて我々のマニアックな質問を浴びせまくる企画)もありそうです。

詳細は全く決まっていませんが、これまでの流れを考えると、おそらくまた当ブログでイベント告知と参加者の募集をすることになるのでしょう。チェケラ!!


【これまでの当ブログの主なNISA関連記事】
NISA(少額投資非課税制度・日本版ISA)をどう利用するか
ジュニアNISA(ニーサ)について…我が家はどうするのか
「つみたてNISA」ってなんだ?…金融庁の制度担当者に聞いてみました

【過去2回の類似イベント報告記事】
「つみたてNISA」説明会(金融庁会議室)に行ってきました(絞り込まれた投資対象商品・4月7日)
金融庁と個人投資家の意見交換会に行ってきました(第二弾・ついに幹部登場・5月29日)


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
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投資信託完全ガイド:2021-22年版
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ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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