2017
May
21
投資信託の基準価額とは(高いと割高で、低いと割安??)【いまさら聞けない投資信託シリーズ・その3】
投資信託を通じてリスク資産への投資を始めようとしている投資初心者から、
「基準価額ってなに? 株価みたいなもの??」
というような質問を受けることがあります。
たしかに基準価額は株価みたいなものですが、違うといえば違います。
そして、この説明が意外と難しい。。
教科書どおりに、「通常の投資信託の基準価額っていうのはね、純資産総額を受益権総口数で割っ(÷)て、そこに1万をかける(×)と分かるものだよん」などと言っても、興味や予備知識がない多くの人には理解不能でしょう。
それを聞いただけで、「投資信託は難しい」と思って引き返してしまう人だっているかもしれません。
【参考:いまさら聞けない投資信託シリーズ 】
・その1・投資信託とは・・
・その2・投資信託の購入・保有・売却コスト
※今回の記事は、2年以上前に下書きを終えたものの、なかなか公開する機会に恵まれなかった熟成記事です。
「基準価額ってなに? 株価みたいなもの??」
というような質問を受けることがあります。
たしかに基準価額は株価みたいなものですが、違うといえば違います。
そして、この説明が意外と難しい。。
教科書どおりに、「通常の投資信託の基準価額っていうのはね、純資産総額を受益権総口数で割っ(÷)て、そこに1万をかける(×)と分かるものだよん」などと言っても、興味や予備知識がない多くの人には理解不能でしょう。
それを聞いただけで、「投資信託は難しい」と思って引き返してしまう人だっているかもしれません。
【参考:いまさら聞けない投資信託シリーズ 】
・その1・投資信託とは・・
・その2・投資信託の購入・保有・売却コスト
※今回の記事は、2年以上前に下書きを終えたものの、なかなか公開する機会に恵まれなかった熟成記事です。
◎基準価額とは
基準価額とは、投資信託の値段のことです。
だから、簡単にいえば、株価みたいなものです。
以上。。
・・と、いいたいところですが、せっかくこのお題で書き起こし始めたので、それだけで終わりにせず、もう少し詳しい解説を試みます。
投資信託(ファンド)とは、投資家から集めたお金をまとめて、専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などの有価証券で運用する金融商品です。
そして、その投資信託の価値を示すのが基準価額※1になります。
投資信託の売買取引を行う単位は「口(くち)」です。
運用を開始するときに、通常は「1口1円」で設定され、「1万口あたり」で表示されます。
(株価は1株あたりで表示されるので、ここがちょっと分かりにくいところでしょうか。)
投資信託を通じて投資している資産が運用開始から25%値上がりすれば、基準価額10000円でスタートした投資信託の基準価額は12500円になります※2。
◎基準価額と口数の関係
基準価額と口数の関係を単純な作り話で解説してみましょう。
・基準価額10000円の投資信託「アブラゼミの貯金箱」を10000円分買えば10000口もらえます。
・基準価額12500円の投資信託「ファンド・ザ・マムシ」を10000円分買うと8000口しかもらえません。
・基準価額8000円の投資信託「ボウフラの大家さん」を10000円分買うと12500口ももらえます。
上記の3つはどれも保有口数は異なりますが、その時点ではどれも10000円分の価値がある投資信託になります。
「基準価額×保有口数÷10000」で、自分の保有している投資信託の価値(金額)が分かります。
ちょっとややこしいですが、投資信託の基準価額っちゅうもんは、そういうもんなのです。
◎基準価額は低いほうが割安?
基準価額の高い投資信託と低い投資信託があれば、高いほうが割高で低いほうが割安であると勘違いしている人がたまにいますが、それは誤解です。必ずしもそうはならないのです。
これまた単純な作り話ですが、投資信託「シロアリたちの黄金蔵」と、投資信託「虫瓦権造のコツコツ日誌」という、どちらも日経平均株価に連動するよう作られた投資信託があるとしましょう。
・投資信託「シロアリたちの黄金蔵」は、日経平均が40000円のときに運用を開始しました。
・投資信託「虫瓦権造のコツコツ日記」は、日経平均が10000円のときに運用を開始しました。
どちらの投資信託もスタート時の基準価額は10000円です。
日経平均が20000円になったとき、
・投資信託「シロアリたちの黄金蔵」の基準価額は5000円になります※3。
・投資信託「虫瓦権造のコツコツ日記」の基準価額は20000円になります※3。
そのとき両方の投資信託を3万円分ずつ購入すれば、買える口数に違いはあれど、どちらもその価値は3万円で同じです。基準価額の差は、その投資信託が運用を開始した時期の違いにすぎません。
投資信託が割安なのか割高なのかは、間接的な投資対象を見ないと分からないのです。
(実際にはその投資対象を見たとしても、その割安・割高の判断は素人には簡単ではありません。)
◎投資信託は金額指定売買が可能
ゴチャゴチャと書きましたが、通常私たちが目にする基準価額は、1万口あたりの投資信託の値段になります。
まぁ、買い付ける投資信託が間接的には何に投資しているのかを理解したうえで、自分はいくら分買いたいのか注文すれば、基準価額なんて関係なく簡単に買えてしまうのですが、細かい話をすると今回書いたような仕組みになっています。
株式の場合は、売買単位が「株」なので、金額指定つまり「8万円分ピッタリ買いたい」だとか「13万5千円分ピッタリ売りたい」というような注文はできませんが、投資信託の場合は、そのような金額指定での売買ができるから便利ですよね。
※1 基準価額は、購入や売却を受け付けている営業日に1回だけ算出され公表されます。
※2厳密には諸費用が引かれるので、12500円ピッタリにはなりませんが、基本的な仕組みの解説を重視したので、そこまでは言及しませんでした。また、分配金もなかったものとしています(分配金が支払われれば、基準価額は下落します)。
※3 ※2と同じく上記作り話のように実際にはピッタリにはなりません。また、分配金もなかったものとしています。
【関連記事シリーズ:投資初心者が投資信託に持つ疑問】
・投資信託には元本保証がないって、どういうこと?
・投資信託を販売している証券会社や銀行が破綻したら?
・その他、現在価格確認や換金など

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