2013
May
17
アセットアロケーションの変遷(その1・リーマンショックのナイアガラっぷり)【アセットアロケーションの決め方・その9】
今回は、アセットアロケーションの決め方シリーズの番外編的な扱いとして、前回の記事で公開した現在のアセットアロケーションに至る具体的な資産配分の変遷を書いておこうと思います。
ここまでの記事で、投資を始めてから現在に至るリスク資産管理の思考経過は書いてきたのですが、肝心の資産配分のパーセンテージの変化には触れていなかったので、今回はそれの備忘録です。
ここまでの記事で、投資を始めてから現在に至るリスク資産管理の思考経過は書いてきたのですが、肝心の資産配分のパーセンテージの変化には触れていなかったので、今回はそれの備忘録です。
シリーズその1で書いたように、このブログではリスク資産のみを「アセットアロケーション」という言葉で表現しているので、無リスク資産※1のことは除外した配分を書きます。
(もちろん、無リスク資産を含めた総金融資産の外貨比率や株式比率などは把握しながら管理していますが、ややこしくなるので今回の記事では、そこには触れません。)
◎インデックス投資開始時のアセットアロケーション
アセットアロケーションをコロコロと変更するのは、インデックス投資家として褒められた行為ではないと思っていますが、さほど大きく変えてはいないものの、私も現在の形になるまで2度ほどマイナーチェンジをしています。
◇投資を始めてから約3年間のアセットアロケーション(リスク資産配分)
・国内株式:10%
・先進国株式:25%
・新興国株式:15%
・国内債券:0%
・先進国債券:30%
・新興国債券:0%
・国内リート:15%
・海外リート:5%
インデックス投資スタート時は、このような配分でした。
国内債券を含んでいないのは、当時、他のアセットクラスがけっこうなリターンをたたき出すなか、国内債券クラスだけ異様にリターンが低いので、投資するに値しないと考えたからです。リターンにのみ目を向け、リスクに目を向けないというお恥ずかしい理由でした(生活防衛資金をキチンと確保していたという理由もありますが)。
新興国債券を含んでいないのは、そもそも当時は新興国債券に投資するインデックスファンドがなかったからです(仮にあっても、新興国のインフレ率を考慮する程度には理論にかぶれていたので、投資していなかったかもしれません)。
理論と効率フロンティアを意識し、かつ拙い自分の相場観などを加えて、いわゆる8資産のなかで、国内債券と新興国債券を除く6資産に投資するアセットアロケーションを組みました。
当時は、各アセットクラスの最低コストファンドを買うためにはいくつもの証券会社の口座を開く必要があり、いま思い返すと、かなり面倒くさい状況でした。そもそもノーロードのファンドも少なかった記憶があります。
◎好調相場に浮かれるアホな自分
上記のアセットアロケーションを組んで投資を始めた頃は、「戦後最長の好景気」の最中だったこともあって、マーケット全体は好調でした。
2006年末くらいの国内リートの騰がりっぷりを体感しているときなんかは、最初に国内リート比率を高めておいた自分の読みの当たり具合に、かなり気持ちよくなったりしていました。もちろん、一時的に運が良かっただけなのですが、当時はまだそんなことも分からないアホ素人だったわけです。
レベル的には、虫かごのなかで踊らされているヤスデといったところでしょう(あとになって振り返ってみたら、その年は、国内リートより海外リートの方が騰がっていたりしました)。
◎そして、そのときがやってくる・・
ところが、2007年に入り、サブプライム問題が徐々に表面化していくなかで、リスク資産がズルズルと値を下げ始めました。
そのまま2008年になってもマーケットは不安定で、リスク資産の値下がりが続いたので、メンタル的に多少ヤラれつつも、世界各国のPERなどを確認すると、「すごく割安なのかどうかはよく分からないものの、少なくとも割高とはいえない」くらいに見える水準でした。なので、むしろ「買い時ではないか!?」などと考えて、時価の下がったリスク資産にホイホイと追加投資をしたりしていました。
かなり値下がりしたので、「もう、そろそろ底値だろう!」なんて考えていたときに、リーマンショックのファイヤーです。
あのときのナイアガラっぷりは、
「ふ、ふっ、ふわああああああぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~!!!」
ってなカンジでした。
アレを体験したことがなく、あとから聞いたりしただけの方の中には、リーマンショック時のリスク資産の値下がりを青天の霹靂のように捉えている方もいるかもしれませんが、その数年前から好調なマーケットにいた人間からすると、リーマンショックが起こる直前でも、既にリスク資産はかーなーり値下がりしている状態でした。
感覚としては、ギリシャショックが2連発来て、もうそろそろ底だろうと思っていたら、ギリシャショックの5倍くらいのインパクトの暴落が来たようなイメージです(海外株だと一年半かけて高値から2~3割下げていた状況下で、さらにもう3割くらい一気に暴落)。
先日、30年間近くマーケットに携わっているプロの方と、リーマンショックについて回想しながらお話したときも「実は経験上、アレが最もインパクトがありました」と言われたのが印象深かったです。
アレはとてもビックリな出来事でしたが、事前にそういうこともあるだろうと想定して投資をしていたので※2、私はマーケットから退場することはありませんでした。
(あのときの投資行動の反省や教訓は、また別の機会に記事にしようと思っています。)
サブプライム問題からのリーマンショックを経て、私はアセットアロケーションを少し変更することにしました。
つづく
「アセットアロケーションの変遷(その2・現在の配分へ)【アセットアロケーションの決め方・その10】」へ
今回の記事と次回の記事は、もはや「投資直前の検討や勉強」というカテゴリから大きくはみ出しているのですが、シリーズスタート時にそこへ分類してしまったし、もしもこれから投資を始める方には、始める前に読んでもらいたい記事なので、そのままのカテゴリにしておきます。
※1 無リスク資産が、本当に「無リスク」なのかは微妙な問題ですが、この話を始めると長くなってしまうので、ここでは無リスクという言葉を使っています。まぁ、個人的には財政破綻や国家による私有財産没収レベルのことまでは考えてもあまり意味がないと思っています。
※2 参考関連記事:最悪の状況をどこまで想定するのか【インデックス投資の前提(その2)】

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