いつか子供に伝えたいお金の話

インデックス投資(投資信託を使った国際分散投資)による資産運用・各種保険・クレジットカード・節約など「お金」に関することを書き綴るブログ

アセットアロケーションの変遷(その1・リーマンショックのナイアガラっぷり)【アセットアロケーションの決め方・その9】

今回は、アセットアロケーションの決め方シリーズの番外編的な扱いとして、前回の記事で公開した現在のアセットアロケーションに至る具体的な資産配分の変遷を書いておこうと思います。

ここまでの記事で、投資を始めてから現在に至るリスク資産管理の思考経過は書いてきたのですが、肝心の資産配分のパーセンテージの変化には触れていなかったので、今回はそれの備忘録です。



シリーズその1で書いたように、このブログではリスク資産のみを「アセットアロケーション」という言葉で表現しているので、無リスク資産※1のことは除外した配分を書きます。

(もちろん、無リスク資産を含めた総金融資産の外貨比率や株式比率などは把握しながら管理していますが、ややこしくなるので今回の記事では、そこには触れません。)



◎インデックス投資開始時のアセットアロケーション


アセットアロケーションをコロコロと変更するのは、インデックス投資家として褒められた行為ではないと思っていますが、さほど大きく変えてはいないものの、私も現在の形になるまで2度ほどマイナーチェンジをしています。

◇投資を始めてから約3年間のアセットアロケーション(リスク資産配分)
・国内株式:10%
・先進国株式:25%
・新興国株式:15%
・国内債券:0%
・先進国債券:30%
・新興国債券:0%
・国内リート:15%
・海外リート:5%

インデックス投資スタート時は、このような配分でした。

国内債券を含んでいないのは、当時、他のアセットクラスがけっこうなリターンをたたき出すなか、国内債券クラスだけ異様にリターンが低いので、投資するに値しないと考えたからです。リターンにのみ目を向け、リスクに目を向けないというお恥ずかしい理由でした(生活防衛資金をキチンと確保していたという理由もありますが)。

新興国債券を含んでいないのは、そもそも当時は新興国債券に投資するインデックスファンドがなかったからです(仮にあっても、新興国のインフレ率を考慮する程度には理論にかぶれていたので、投資していなかったかもしれません)。


理論と効率フロンティアを意識し、かつ拙い自分の相場観などを加えて、いわゆる8資産のなかで、国内債券と新興国債券を除く6資産に投資するアセットアロケーションを組みました。

当時は、各アセットクラスの最低コストファンドを買うためにはいくつもの証券会社の口座を開く必要があり、いま思い返すと、かなり面倒くさい状況でした。そもそもノーロードのファンドも少なかった記憶があります。



◎好調相場に浮かれるアホな自分


上記のアセットアロケーションを組んで投資を始めた頃は、「戦後最長の好景気」の最中だったこともあって、マーケット全体は好調でした。

2006年末くらいの国内リートの騰がりっぷりを体感しているときなんかは、最初に国内リート比率を高めておいた自分の読みの当たり具合に、かなり気持ちよくなったりしていました。もちろん、一時的に運が良かっただけなのですが、当時はまだそんなことも分からないアホ素人だったわけです。

レベル的には、虫かごのなかで踊らされているヤスデといったところでしょう(あとになって振り返ってみたら、その年は、国内リートより海外リートの方が騰がっていたりしました)。



◎そして、そのときがやってくる・・


ところが、2007年に入り、サブプライム問題が徐々に表面化していくなかで、リスク資産がズルズルと値を下げ始めました。

そのまま2008年になってもマーケットは不安定で、リスク資産の値下がりが続いたので、メンタル的に多少ヤラれつつも、世界各国のPERなどを確認すると、「すごく割安なのかどうかはよく分からないものの、少なくとも割高とはいえない」くらいに見える水準でした。なので、むしろ「買い時ではないか!?」などと考えて、時価の下がったリスク資産にホイホイと追加投資をしたりしていました。

かなり値下がりしたので、「もう、そろそろ底値だろう!」なんて考えていたときに、リーマンショックのファイヤーです。

あのときのナイアガラっぷりは、

「ふ、ふっ、ふわああああああぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~!!!」

ってなカンジでした。

アレを体験したことがなく、あとから聞いたりしただけの方の中には、リーマンショック時のリスク資産の値下がりを青天の霹靂のように捉えている方もいるかもしれませんが、その数年前から好調なマーケットにいた人間からすると、リーマンショックが起こる直前でも、既にリスク資産はかーなーり値下がりしている状態でした。

感覚としては、ギリシャショックが2連発来て、もうそろそろ底だろうと思っていたら、ギリシャショックの5倍くらいのインパクトの暴落が来たようなイメージです(海外株だと一年半かけて高値から2~3割下げていた状況下で、さらにもう3割くらい一気に暴落)。

先日、30年間近くマーケットに携わっているプロの方と、リーマンショックについて回想しながらお話したときも「実は経験上、アレが最もインパクトがありました」と言われたのが印象深かったです。

アレはとてもビックリな出来事でしたが、事前にそういうこともあるだろうと想定して投資をしていたので※2、私はマーケットから退場することはありませんでした。
(あのときの投資行動の反省や教訓は、また別の機会に記事にしようと思っています。)


サブプライム問題からのリーマンショックを経て、私はアセットアロケーションを少し変更することにしました。

つづく
「アセットアロケーションの変遷(その2・現在の配分へ)【アセットアロケーションの決め方・その10】」


今回の記事と次回の記事は、もはや「投資直前の検討や勉強」というカテゴリから大きくはみ出しているのですが、シリーズスタート時にそこへ分類してしまったし、もしもこれから投資を始める方には、始める前に読んでもらいたい記事なので、そのままのカテゴリにしておきます。



※1 無リスク資産が、本当に「無リスク」なのかは微妙な問題ですが、この話を始めると長くなってしまうので、ここでは無リスクという言葉を使っています。まぁ、個人的には財政破綻や国家による私有財産没収レベルのことまでは考えてもあまり意味がないと思っています。

※2 参考関連記事:最悪の状況をどこまで想定するのか【インデックス投資の前提(その2)】


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


Twitter:@mushitori
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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
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Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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