2017
Apr
08
「つみたてNISA」説明会(金融庁会議室)に行ってきました(絞り込まれた投資対象商品・2017年4月7日)
なぜか急に私が案内係を務めることになってしまったので、せっかくだから行ってきました。「積立NISA(つみたてニーサ)」説明会に。金融庁まで。
現行のNISA(小額投資非課税制度・一般NISA)は、株式や投資信託への、1年間あたり120万円までの投資枠にかかる譲渡益や配当金(分配金)が、5年間非課税になる制度です(ジュニアNISAの場合は80万円)。
どうやらそれを、毎月コツコツと積み立てる方式の「つみたてNISA」へと変更(新たに創設)し、投資額の年間上限を(40万円に)下げる代わりに、投資可能期間と非課税期間を20年に伸ばす方向のようです(平成 30 年 1 月より)。
【制度概要解説記事はこちら→「つみたてNISA」ってなんだ?…金融庁の制度担当者に聞いてみました】
で、この制度では、投資可能な商品も金融庁のほうで徹底的に選別する方針らしく、「いったい、どうやって金融商品を絞り込んで、どれが買い付け可能になるんだろう?」と、(私のような)マニアの間ではかなり注目されていました。
今回は、主にそのつみたてNISAで投資可能な商品のスクリーニング条件についての説明会でした。
現行のNISA(小額投資非課税制度・一般NISA)は、株式や投資信託への、1年間あたり120万円までの投資枠にかかる譲渡益や配当金(分配金)が、5年間非課税になる制度です(ジュニアNISAの場合は80万円)。
どうやらそれを、毎月コツコツと積み立てる方式の「つみたてNISA」へと変更(新たに創設)し、投資額の年間上限を(40万円に)下げる代わりに、投資可能期間と非課税期間を20年に伸ばす方向のようです(平成 30 年 1 月より)。
【制度概要解説記事はこちら→「つみたてNISA」ってなんだ?…金融庁の制度担当者に聞いてみました】
で、この制度では、投資可能な商品も金融庁のほうで徹底的に選別する方針らしく、「いったい、どうやって金融商品を絞り込んで、どれが買い付け可能になるんだろう?」と、(私のような)マニアの間ではかなり注目されていました。
今回は、主にそのつみたてNISAで投資可能な商品のスクリーニング条件についての説明会でした。
◎かなりの絞り込み
詳しくは金融庁の該当HPに掲載されているリンク先をご覧いただきたいのですが、つみたてNISAで投資可能な商品はかなり絞り込まれそうです。
基本原則として(詳細は省いてザックリ言うと)、
・販売手数料が無料(ノーロード)
・信託設定期間が20年以上
・毎月分配型でない
・デリバティブでレバレッジをかけない
・主な投資対象に株式を含む
などの点をすべて満たす投資信託だけになるようです(ETFは条件付きで投資可能で、個別株式はNG)。
んで、
・国内資産のみに投資するインデックス投信 0.50%以下
・海外資産を組み入れているインデックス投信 0.75%以下
・国内資産のみに投資するアクティブ運用投信 1.00%以下
・海外資産を組み入れているアクティブ運用投信 1.50% 以下
という信託報酬(毎年の運用管理費用)の年率制限もあります(※税抜)。
さらにアクティブファンド(運用投信)については、
・5年以上存続
・存続年数の3分の2以上で資金流入超過
・純資産50億円以上
という条件もあります。
※その他の詳細は以下のリンク先をご参照ください。
【金融庁参考資料】
・「長期・積立・分散投資に資する投資信託に関するワーキング・グループ」報告書(PDF)
・事務局説明資料(PDF)
◎なんと1%以下に!
上記のスクリーニングを通過できるのは、国内に約5400本ある公募株式投資信託のうち、おそらく1%以下です。
※最終的(制度開始時)には、新しいファンドが作られたり、コストが下げられたりして、100本ほど(約2%)になりました(2017.10.4追記)
いやはや……金融庁さん、バッサリといきましたなぁ。。
実は、私も以前から当ブログで、資産形成のために買うに値する投資信託は全体の1%くらいだ、などとエラそうに書いていました。
【参考記事→投資信託とは・・】
ただ、私はあくまでも、身近な知人や親族などのこと(つまりド素人)だけを考えた超ポジショントークを振りまいていただけなので、自分の主張が金融庁のスクリーニング方針とこんなにビンゴだと、逆になんだか怖くなってしまいます。
今回のつみたてNISAは、家計の安定的な資産形成を支援するための制度なので、なるべく初心者がヤケドをしないように厳しい条件を設定したのでしょう。
んでも、ここまで「金融機関の儲からなそうな商品だけ」がラインアップされそうな状況を目の当たりにしてしまうと、金融機関が全くやる気を出さないのではないか、と心配になってしまいます(マニアゆえゴチャゴチャ考えてしまうのです)。
・・今回の絞り込み条件については、投資スタンスが近い人同士でも賛否両論です。
ただ、(私がこんなことをいうのはかなり生意気ですが)金融庁の担当者さんたちがメチャクチャ勉強しているのは非常によく伝わってきました。そして、考えに考え抜いた結果として今回の条件を決め、かつ今後も適宜見直す余地も持っているようです。
これからも金融機関だけでなく、我々の意見や要望を聞く耳を持ってくれるとのことなので、よりいい方向に進むよう期待したいと個人的には思っています。
◎注意・注目ポイント
ただし、注意しなければならないのは、今回発表された条件は、あくまでも金融庁側が提示しただけのものだということです。
厳しい条件を通過した金融商品が、実際につみたてNISAで買えるようになるためには、
・運用会社がそれを金融庁に届け出て登録して
・つみたてNISAのシステムを導入した販売会社(銀行や証券会社)がそれを取り扱う
という、さらなるステップが必要になります。
金融機関サイドで「こんなんやっても儲かんねえから、やらねえ!」となってしまうと、せっかく投資可能な商品に該当しても、我々は買うことができません。
仮に登録や取り扱いが行われても、一切宣伝せずに、店の奥のほうにしまっておくようだと、庶民にはほとんど知るすべがなくなってしまいます。
そうなった場合、もしくはそうならないための対策などにも注目しておきたいところです。
(もちろん、逆に、つみたてNISAで売るために金融機関がコスト下げる、なんてことも期待できますけどね。)
あと、今回「へぇ~!」と思ったことは、
・投資商品の信託報酬等の概算値を「金額」で受益者に報告させること
・現行(一般)NISAとつみたてNISAは、1年おきに行き来することも可能(その際、非課税期間が残っているのであれば現金化する必要はない)
・20年後にスタートしたつみたてNISAが終わるのはその20年後なので、制度としてはすでに約40年のプランであること
・意外とまだまだ詳細は未定であること(投資可能商品が明らかになるのも10月以降)
・スタートしてから、(市況悪化などによって)投資可能商品要件から外れても、すぐに対象商品からは除外するようなことは(今のところ)あまり考えてはいないようであること(そもそも入口に厳しい制約があるため)
ってなところですかね。
◎他に気になることなど
また、気になる点や思うところとしては、
・上限金額はこれ以上にはならないのか
・非課税期間と投資可能期間は恒久化する方向じゃなかったのか
・投資対象商品の見直し等はどのくらいの頻度やるのか
・定期定額積立とは具体的にどうやるのか
・現行(一般)NISAは今後このまま終わるだけなのか
ってなところですかね。
現行(一般)NISAも、スタート時は金融機関のシステムが見切り発進で、けっこうバタバタした記憶があるので、今回はそうならないよう願いたいものです。
・・ゴチャゴチャと書きましたが、今回(昨日)のつみたてNISA説明会は、説明30分・質疑応答60分というマニアの多い参加者の特性を心得た時間構成でしたし、初心者さんやアメリカ株投資家さんなんかもいて、金融庁と参加者双方にとってけっこう有意義な時間だったように感じました。
まあ、無事に終わって、(案内係として)ホッとした、というのが正直なところです。
※これまでの当ブログの主なNISA関連記事
・NISA(少額投資非課税制度・日本版ISA)をどう利用するか
・ジュニアNISA(ニーサ)について…我が家はどうするのか
・「つみたてNISA」ってなんだ?…金融庁の制度担当者に聞いてみました

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