2013
Apr
26
理想のリスク資産管理条件【アセットアロケーションの決め方・その6】
さて、やっと、アセットアロケーションの決め方に入ります。
多くの方は、このような私の個人的なことに興味はないと思いますが、自分自身のための備忘録であるということでご勘弁ください。
現実的な問題はひとまず置いておくとして、まずは、どのように投資して、どのように管理したいのかという理想条件だけを列挙すると…
多くの方は、このような私の個人的なことに興味はないと思いますが、自分自身のための備忘録であるということでご勘弁ください。
現実的な問題はひとまず置いておくとして、まずは、どのように投資して、どのように管理したいのかという理想条件だけを列挙すると…
1.手間をかけずにシンプルに管理したい
2.幅広く分散したい
3.低コストで投資したい
4.主力は株式にしたい
5.でも、多少はいじくる余地を持っていたい
こんなところでしょうか。
分散や低コストを条件に加えるのは、おそらくどのインデックス投資家も同じだと思います。
ただ、私の場合、面倒臭がり屋のくせにオーバーコンフィデンス(自信過剰)傾向があるので、「シンプルに管理したいけど、多少はアセットアロケーションをいじったりもしてみたい」という矛盾しているというか合理的ではない欲求があったりするので厄介です。
ひとつずつ整理してみます。
1.手間をかけずにシンプルに管理したい
この条件は、投資を続けている期間が長くなってくるにつれて、徐々に理想条件の上位に食い込んできました。
リスク資産への投資を始めたばかりの頃は、捕まえてきたカナブンやドジョウの世話をするかのごとく、手間をかけることそのものがちょっと楽しかったりしました。
ところが、ある程度慣れて(飽きて)くると、買いつけや資産額推移のデータ記録、さらにはリバランスすら面倒に感じてくるようになってきます(そうでない人もいるとは思いますが)。
投資にかける時間が長くても短くても、最終パフォーマンスが変わらないのであれば(インデックス投資とはそういうもの)、なるべく時間をかけずに管理した方が投資効率はよいでしょう。
インデックス投資の管理にかける時間とパフォーマンスの関係を時給換算してみると分かりやすいと思います。
2.幅広く分散したい
定期的なリバランスを前提として、海外先進国株式・海外新興国株式・国内株式・海外先進国債券・海外新興国債券・国内債券・海外リート・国内リート・コモディティ※1など、なるべく多くのアセットクラスを保有し、かつ各セットクラス内の銘柄もできる限り分散して、リスク低減を図りたいものです(現代ポートフォリオ理論)。
3.低コストで投資したい
これについては言うまでもありませんね。コストは確実。リターンは不確実。
不確実な未来への投資の中で、ほぼ唯一コントロール可能なものが「コスト」です。安けりゃいいってもんでもありませんが、同じクオリティの商品を買うのであれば、安い方がいいのは誰でも同じでしょう。
4.主力は株式にしたい
それ自体が成長し、価値を創造し続けようとする「株式」というアセットクラスは、やはり資産形成の主力にしたいものです。利子や賃料というキャッシュフローを生む債券や不動産も魅力的ではありますが、人間の欲望を成長のエネルギーとして発展する資本主義経済の恩恵を享受できる可能性が最も高い資産クラスはやはり「株式」だと考えています。
5.でも、多少はいじくる余地を持っていたい
アホな自分の相場観なんざ、織田無道の予言以上に不確実で信頼の置けないものだとは分かってはいるものの、ある程度自分で納得のいくアセットポジションにコントロールできる余地は持たせていたいなどと不遜な気持ちがあることも恥ずかしながら事実なのです。
・・あちらを立てればこちらが立たず。
当然のことながら、すべての理想条件を十分に満たすことはできません。
例えば、
「幅広く分散したいから多くのアセットクラスを保有する→手間がかかる→手間を回避したいからバランスファンドにする→コストが上がる→コストを下げたいから分散度合いを減らして個別アセットファンドを管理する→あれ?優先したいのはなんだったっけ??」
というようなことになったりしてしまいます。
理想と要望だけをいうなら、自分で決めたアセットアロケーション比率で無分配ファンドを自動購入(金額設定は自由に変更可能)・さらに自動リバランス(周期や方法も任意設定可能)のサービス(商品)を信託報酬込みのトータルコスト年率0.1%くらい(しかも解約自由)で提供してもらえたらファイナルアンサーなのですが、そんな都合のよいものはありません。
(実際にそんなサービスができたら、年率1%のコストでも真剣に悩むかもしれませんが…)
なので、上記1~5すべての条件を「なるべく○○したい」というようにして、少し幅を持たせたうえで、自分なりの最大公約数を模索することになります。
次回は、私が投資を始めた7~8年前からのことを思い出しながら、どのように(現時点で)自分なりの最大公約数だと思えるスタイルにたどり着いたのかを書いてみようと思います。
つづく
「リスク資産管理の優先順位変化【アセットアロケーションの決め方・その7】」へ
※1 コモディティ(エネルギー資源・貴金属資源・穀物などの商品)は、それ自体が増殖したりせず、需給バランスで価格変動するだけのものであり、保有コストなどを考えると「ほったらかしスタイル」の投資には向いていないともいえます。しかしながら、手間をいとわずにリバランス等ができるのであれば、その分散効果を否定できるものではないと考えています(個人的には投資したことはありませんが…)。

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