いつか子供に伝えたいお金の話

インデックス投資(投資信託を使った国際分散投資)による資産運用・各種保険・クレジットカード・節約など「お金」に関することを書き綴るブログ

理想のリスク資産管理条件【アセットアロケーションの決め方・その6】

さて、やっと、アセットアロケーションの決め方に入ります。

多くの方は、このような私の個人的なことに興味はないと思いますが、自分自身のための備忘録であるということでご勘弁ください。

現実的な問題はひとまず置いておくとして、まずは、どのように投資して、どのように管理したいのかという理想条件だけを列挙すると…



1.手間をかけずにシンプルに管理したい
2.幅広く分散したい
3.低コストで投資したい
4.主力は株式にしたい
5.でも、多少はいじくる余地を持っていたい


こんなところでしょうか。
分散や低コストを条件に加えるのは、おそらくどのインデックス投資家も同じだと思います。

ただ、私の場合、面倒臭がり屋のくせにオーバーコンフィデンス(自信過剰)傾向があるので、「シンプルに管理したいけど、多少はアセットアロケーションをいじったりもしてみたい」という矛盾しているというか合理的ではない欲求があったりするので厄介です。

ひとつずつ整理してみます。


1.手間をかけずにシンプルに管理したい


この条件は、投資を続けている期間が長くなってくるにつれて、徐々に理想条件の上位に食い込んできました。

リスク資産への投資を始めたばかりの頃は、捕まえてきたカナブンドジョウの世話をするかのごとく、手間をかけることそのものがちょっと楽しかったりしました。

ところが、ある程度慣れて(飽きて)くると、買いつけや資産額推移のデータ記録、さらにはリバランスすら面倒に感じてくるようになってきます(そうでない人もいるとは思いますが)。

投資にかける時間が長くても短くても、最終パフォーマンスが変わらないのであれば(インデックス投資とはそういうもの)、なるべく時間をかけずに管理した方が投資効率はよいでしょう。

インデックス投資の管理にかける時間とパフォーマンスの関係を時給換算してみると分かりやすいと思います。



2.幅広く分散したい


定期的なリバランスを前提として、海外先進国株式・海外新興国株式・国内株式・海外先進国債券・海外新興国債券・国内債券・海外リート・国内リート・コモディティ※1など、なるべく多くのアセットクラスを保有し、かつ各セットクラス内の銘柄もできる限り分散して、リスク低減を図りたいものです(現代ポートフォリオ理論)。



3.低コストで投資したい


これについては言うまでもありませんね。コストは確実。リターンは不確実。
不確実な未来への投資の中で、ほぼ唯一コントロール可能なものが「コスト」です。安けりゃいいってもんでもありませんが、同じクオリティの商品を買うのであれば、安い方がいいのは誰でも同じでしょう。



4.主力は株式にしたい


それ自体が成長し、価値を創造し続けようとする「株式」というアセットクラスは、やはり資産形成の主力にしたいものです。利子や賃料というキャッシュフローを生む債券や不動産も魅力的ではありますが、人間の欲望を成長のエネルギーとして発展する資本主義経済の恩恵を享受できる可能性が最も高い資産クラスはやはり「株式」だと考えています。



5.でも、多少はいじくる余地を持っていたい


アホな自分の相場観なんざ、織田無道の予言以上に不確実で信頼の置けないものだとは分かってはいるものの、ある程度自分で納得のいくアセットポジションにコントロールできる余地は持たせていたいなどと不遜な気持ちがあることも恥ずかしながら事実なのです。



・・あちらを立てればこちらが立たず。
当然のことながら、すべての理想条件を十分に満たすことはできません。


例えば、

「幅広く分散したいから多くのアセットクラスを保有する→手間がかかる→手間を回避したいからバランスファンドにする→コストが上がる→コストを下げたいから分散度合いを減らして個別アセットファンドを管理する→あれ?優先したいのはなんだったっけ??」

というようなことになったりしてしまいます。

理想と要望だけをいうなら、自分で決めたアセットアロケーション比率で無分配ファンドを自動購入(金額設定は自由に変更可能)・さらに自動リバランス(周期や方法も任意設定可能)のサービス(商品)を信託報酬込みのトータルコスト年率0.1%くらい(しかも解約自由)で提供してもらえたらファイナルアンサーなのですが、そんな都合のよいものはありません。
(実際にそんなサービスができたら、年率1%のコストでも真剣に悩むかもしれませんが…)

なので、上記1~5すべての条件を「なるべく○○したい」というようにして、少し幅を持たせたうえで、自分なりの最大公約数を模索することになります。


次回は、私が投資を始めた7~8年前からのことを思い出しながら、どのように(現時点で)自分なりの最大公約数だと思えるスタイルにたどり着いたのかを書いてみようと思います。

つづく
「リスク資産管理の優先順位変化【アセットアロケーションの決め方・その7】」



※1 コモディティ(エネルギー資源・貴金属資源・穀物などの商品)は、それ自体が増殖したりせず、需給バランスで価格変動するだけのものであり、保有コストなどを考えると「ほったらかしスタイル」の投資には向いていないともいえます。しかしながら、手間をいとわずにリバランス等ができるのであれば、その分散効果を否定できるものではないと考えています(個人的には投資したことはありませんが…)。


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
東証マネ部!:2020年8月
JBpress:2020年7月7日
ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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