2016
Dec
10
ローン返済と投資のどちらを優先すべきか…併用はありなの?
借金返済とリスク資産への投資(資産運用)のどちらを優先すべきなのか、という質問というか記事リクエストをいただきました。
おそらく「借金」とは多くの場合、住宅ローンのことを指すのだと思いますが、なまじ投資に関する知識を持っていると、これって意外に悩むポイントになるんですよねえ……。
質問者の方は、山崎元さんの著書や記事をよく読んでおり、「借金返済にまさる運用なし」というのを基礎認識として持っているとのこと。
しかしながら時折、ローン返済と資産運用を平行しているブロガーなどもを見かけることがあり、そこには一体どのような合理性があるのだろう、と悩んでしまうそうです。
(※住宅ローン金利が1%以下の場合に、ローン減税の控除で確実に逆ざやの恩恵(利益)を得られるとき(最長10年間)は、例外となることは理解しているそうです。)
・・ふむふむ。
これまた(書くのが)難しいお題ですな。。
おそらく「借金」とは多くの場合、住宅ローンのことを指すのだと思いますが、なまじ投資に関する知識を持っていると、これって意外に悩むポイントになるんですよねえ……。
質問者の方は、山崎元さんの著書や記事をよく読んでおり、「借金返済にまさる運用なし」というのを基礎認識として持っているとのこと。
しかしながら時折、ローン返済と資産運用を平行しているブロガーなどもを見かけることがあり、そこには一体どのような合理性があるのだろう、と悩んでしまうそうです。
(※住宅ローン金利が1%以下の場合に、ローン減税の控除で確実に逆ざやの恩恵(利益)を得られるとき(最長10年間)は、例外となることは理解しているそうです。)
・・ふむふむ。
これまた(書くのが)難しいお題ですな。。
◎事前に正解は分からない
これはもう、各人の状況や、今後の金利動向・マーケット環境によりけり、としか言いようがなく、その個別の状況や将来のことが分からない以上、事前に正解は分かりません。
真面目にお金関連のことを勉強していると思われるその質問者の方は、おそらく私よりもずっと優秀で、すでに私ごときのアドバイスなど不要なのではないかと思わなくもありませんが、それでもありがたいことに「虫とりさんの考えを聞いて参考にしたい」と言ってくださるので、あくまでも個人的な考えを書いてみることにします。
ただ、私の考えとしては、すでに分からないと書いてしまいました。
基本的には以上です。
・・んでも、それだけでは記事としてあまりにもアレなので、本当にあくまでも無責任な立場から、浅はかな自分の考えをもう少しだけ書いてみましょう。
それに、明確にローン返済か資産運用(投資)のどちらかを優先すべきだ、と断言できないところに、この話の面白さがある、とも言えます。
質問者の方は、ローン返済と資産運用を平行することが理解できないと仰っていたのですが、私にはそれ(併用)が理解できないこともありません。
◎教科書的には借金返済優先で間違いなし
基本的には山崎元さんの言っている「借金返済にまさる運用なし」というのが正しいと思います。
借金返済によって負債金利分を確実に埋めていくことは、リターンが不確実なリスク資産への投資よりも圧倒的に堅実で、負けない「投資判断」だと言えるはずです。
私も実際に他人にアドバイスをするなら、おそらく多くの場合、借金返済を優先せよ!と言うでしょう。借金があるのに投資なんぞするな!と。
お金に関することは、なるべく手堅く考えて、負ける可能性を減らしていくのが多くの人にとって正解だと思います。
◎でも、併用してる人が必ず損するわけじゃない
ただし、株式などのリスク資産への投資は不確実とはいえ、期待リターンは現在の住宅ローン金利よりもかなり高いと思われます。
当然、プラスになると思うから投資をするわけですし、実際に世界で最もメジャーな株価指数(MSCI ワールド・インデックス)の過去30年を円換算で見ても、年率平均6%以上のリターンがあったのも事実です(当記事執筆時点で)。
私が実践しているようなインデックス投資であれば、続けてさえいれば、簡単にそのくらいのパフォーマンスが残せたわけです(参考記事→インデックス投資とは)。
ローン返済と投資を併用したことにより、保有資産が大きく増えて、(それから一括返済するなどして)結果的にはローン返済のみを優先したケースよりも早く完済できる、という可能性がないわけではありません。例えば35年もあったら、確率的にはそのほうが高いはずです。
・・ただし、そんなことは投資に慣れていて、かつそれなりのリスク許容度を持ち合わせている人にしかできないことですし、大失敗をかます可能性もあるわけです。また、おそらく何度かは必ずやってくるであろうリスク資産暴落時のメンタル的なダメージを考えても、とても万人にオススメできるものではありません。
あ、でも、そういえばセゾン投信の社長・中野晴啓氏は新著『退職金バカ 50歳から資産を殖やす人、沈む人』の中で、退職金で住宅ローンの一括返済をするのはやめておけ、と書いていました。この「マイナス金利時代」の状況をよく考えろ、と。・・奥さん!旦那さんが亡くなれば返済は免責されますよとも。。
もちろん、投資信託を販売している会社の社長が言っているということを割り引いて受け止める必要がありますし、本当にそれが有利になるにはいくつかの前提が必要となりますが、そういう考え方もあるということなのでしょう。
◎じゃあ、どうすればいいの?
では一体、どっちがいいのか。
やはりこれは、各自で考えて判断するしかないですよね。
そもそも、ローン金利より投資による期待リターンの方が高くても、借金返済と株式や債券などへの投資では「リスク」が異なるので、同列に比べることはできないのです。
結局は、各自の性格や将来の見通し、そして家計体質やリスク許容度によりけりなのでしょう。
リスク資産への投資による期待リターンをどう見積もるか、そして、マーケットで暴落があったり、思い通りにいかなかった場合に、それをどこまで「自責」として受け入れられるのか、によるということです。
リスク資産への投資にアレルギーがなく、未来のことを決め打ちしないスタンスの私は、全力のローン返済はせず、まずは一定の割合で(例えば半々で)リスク資産への投資も継続するという判断も理解できます(金利動向や自分のメンタルの様子を見て、途中の判断変更もあり)。
住宅ローンだって、支払いを先延ばしにして、欲しいものを先に手に入れる(しかも税優遇もある)という画期的な仕組みだと言えなくもありません。借金返済だけを目的に生きるようなのも「考えもの」だとは思います。
・・何度も何度も何度も何度もひっくり返して、ホントにどっちつかずの微妙な記事を垂れ流していてお恥ずかしい限りですが、でも、まあ、
基本的には借金返済を優先する、という判断軸を持っておいたほうがいい
と思いますよ、やっぱり。
くれぐれも投資判断?は各自の責任においてお願いします。私に正解は分かりませんから。
あと、そもそも身の丈を超えたローンを組んでいる場合や、キャッシュフローがマイナス家計体質の場合などは、その時点で失敗してしまっているので、こういう話の土台にすら乗れません。ご注意あれ。
・・身の丈をわきまえた生き方をして、月々に入ってくる以上にはお金を使わない生活であれば、ま、どっちでも基本、大丈夫っすよ、きっと(途中で柔軟に対応できるでしょうし・・)。

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