いつか子供に伝えたいお金の話

インデックス投資(投資信託を使った国際分散投資)による資産運用・各種保険・クレジットカード・節約など「お金」に関することを書き綴るブログ

ローン返済と投資のどちらを優先すべきか…併用はありなの?

借金返済とリスク資産への投資(資産運用)のどちらを優先すべきなのか、という質問というか記事リクエストをいただきました。

おそらく「借金」とは多くの場合、住宅ローンのことを指すのだと思いますが、なまじ投資に関する知識を持っていると、これって意外に悩むポイントになるんですよねえ……。

質問者の方は、山崎元さんの著書や記事をよく読んでおり、「借金返済にまさる運用なし」というのを基礎認識として持っているとのこと。

しかしながら時折、ローン返済と資産運用を平行しているブロガーなどもを見かけることがあり、そこには一体どのような合理性があるのだろう、と悩んでしまうそうです。

(※住宅ローン金利が1%以下の場合に、ローン減税の控除で確実に逆ざやの恩恵(利益)を得られるとき(最長10年間)は、例外となることは理解しているそうです。)


・・ふむふむ。
これまた(書くのが)難しいお題ですな。。



◎事前に正解は分からない


これはもう、各人の状況や、今後の金利動向・マーケット環境によりけり、としか言いようがなく、その個別の状況や将来のことが分からない以上、事前に正解は分かりません

真面目にお金関連のことを勉強していると思われるその質問者の方は、おそらく私よりもずっと優秀で、すでに私ごときのアドバイスなど不要なのではないかと思わなくもありませんが、それでもありがたいことに「虫とりさんの考えを聞いて参考にしたい」と言ってくださるので、あくまでも個人的な考えを書いてみることにします。

ただ、私の考えとしては、すでに分からないと書いてしまいました。

基本的には以上です。


・・んでも、それだけでは記事としてあまりにもアレなので、本当にあくまでも無責任な立場から、浅はかな自分の考えをもう少しだけ書いてみましょう。

それに、明確にローン返済か資産運用(投資)のどちらかを優先すべきだ、と断言できないところに、この話の面白さがある、とも言えます。

質問者の方は、ローン返済と資産運用を平行することが理解できないと仰っていたのですが、私にはそれ(併用)が理解できないこともありません。



◎教科書的には借金返済優先で間違いなし


基本的には山崎元さんの言っている「借金返済にまさる運用なし」というのが正しいと思います。

借金返済によって負債金利分を確実に埋めていくことは、リターンが不確実なリスク資産への投資よりも圧倒的に堅実で、負けない「投資判断」だと言えるはずです。

私も実際に他人にアドバイスをするなら、おそらく多くの場合、借金返済を優先せよ!と言うでしょう。借金があるのに投資なんぞするな!と。

お金に関することは、なるべく手堅く考えて、負ける可能性を減らしていくのが多くの人にとって正解だと思います。



◎でも、併用してる人が必ず損するわけじゃない


ただし、株式などのリスク資産への投資は不確実とはいえ、期待リターンは現在の住宅ローン金利よりもかなり高いと思われます。

当然、プラスになると思うから投資をするわけですし、実際に世界で最もメジャーな株価指数(MSCI ワールド・インデックス)の過去30年を円換算で見ても、年率平均6%以上のリターンがあったのも事実です(当記事執筆時点で)。

私が実践しているようなインデックス投資であれば、続けてさえいれば、簡単にそのくらいのパフォーマンスが残せたわけです(参考記事→インデックス投資とは)。

ローン返済と投資を併用したことにより、保有資産が大きく増えて、(それから一括返済するなどして)結果的にはローン返済のみを優先したケースよりも早く完済できる、という可能性がないわけではありません。例えば35年もあったら、確率的にはそのほうが高いはずです。

・・ただし、そんなことは投資に慣れていて、かつそれなりのリスク許容度を持ち合わせている人にしかできないことですし、大失敗をかます可能性もあるわけです。また、おそらく何度かは必ずやってくるであろうリスク資産暴落時のメンタル的なダメージを考えても、とても万人にオススメできるものではありません


あ、でも、そういえばセゾン投信の社長・中野晴啓氏は新著『退職金バカ 50歳から資産を殖やす人、沈む人』の中で、退職金で住宅ローンの一括返済をするのはやめておけ、と書いていました。この「マイナス金利時代」の状況をよく考えろ、と。・・奥さん!旦那さんが亡くなれば返済は免責されますよとも。。

もちろん、投資信託を販売している会社の社長が言っているということを割り引いて受け止める必要がありますし、本当にそれが有利になるにはいくつかの前提が必要となりますが、そういう考え方もあるということなのでしょう。



◎じゃあ、どうすればいいの?


では一体、どっちがいいのか。

やはりこれは、各自で考えて判断するしかないですよね。

そもそも、ローン金利より投資による期待リターンの方が高くても、借金返済と株式や債券などへの投資では「リスク」が異なるので、同列に比べることはできないのです。

結局は、各自の性格や将来の見通し、そして家計体質やリスク許容度によりけりなのでしょう。

リスク資産への投資による期待リターンをどう見積もるか、そして、マーケットで暴落があったり、思い通りにいかなかった場合に、それをどこまで「自責」として受け入れられるのか、によるということです。


リスク資産への投資にアレルギーがなく、未来のことを決め打ちしないスタンスの私は、全力のローン返済はせず、まずは一定の割合で(例えば半々で)リスク資産への投資も継続するという判断も理解できます(金利動向や自分のメンタルの様子を見て、途中の判断変更もあり)。

住宅ローンだって、支払いを先延ばしにして、欲しいものを先に手に入れる(しかも税優遇もある)という画期的な仕組みだと言えなくもありません。借金返済だけを目的に生きるようなのも「考えもの」だとは思います。


・・何度も何度も何度も何度もひっくり返して、ホントにどっちつかずの微妙な記事を垂れ流していてお恥ずかしい限りですが、でも、まあ、

基本的には借金返済を優先する、という判断軸を持っておいたほうがいい

と思いますよ、やっぱり。


くれぐれも投資判断?は各自の責任においてお願いします。私に正解は分かりませんから。

あと、そもそも身の丈を超えたローンを組んでいる場合や、キャッシュフローがマイナス家計体質の場合などは、その時点で失敗してしまっているので、こういう話の土台にすら乗れません。ご注意あれ。

・・身の丈をわきまえた生き方をして、月々に入ってくる以上にはお金を使わない生活であれば、ま、どっちでも基本、大丈夫っすよ、きっと(途中で柔軟に対応できるでしょうし・・)。


にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ
↑記事を気に入っていただけたら、ランキングに1票(クリック)をお願いします。

関連記事

プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


Twitter:@mushitori
Facebook:Facebookページ

子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
東証マネ部!:2020年8月
JBpress:2020年7月7日
ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

このエントリーをはてなブックマークに追加

読みやすくてオススメの本

金融のプロが実はやっている 最もシンプルで賢い投資の結論

投資理論の基礎から実践まで学べる最高の教科書。→参考記事


改訂版 一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門

投資信託とは何なのかをやさしく解説してくれる本。→参考記事


お金は寝かせて増やしなさい

投資を始める前の自分に1冊だけ読ますならコレ。→参考記事


半値になっても儲かる「つみたて投資」

積立投資そのものを分析・解説している興味深い本。→参考記事


生命保険の罠

生命保険の販売現場のウラ話が満載の強烈な一冊。→参考記事

オススメのネット証券

楽天証券
管理人は個人型確定拠出年金(イデコ)でもここを利用。投信積立や残高で楽天ポイントがザクザク。キャッシュバックたっぷりの口座開設キャンペーンも多し。→参考記事

SBI証券
管理人もメインで利用中の最大手。低コストの商品が豊富で、月々100円からの積み立て投資に対応。投信保有ポイントサービスも高還元。個人型確定拠出年金(イデコ)も充実!

セゾン投信
リスク資産を1本の投資信託で管理したい人にオススメ。「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」は、月々5000円から投資でき、30カ国以上の株式と10カ国以上の債券に分散投資して、世界経済の成長を享受できる。→参考記事

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:


お返事できない場合もあります。また(ドコモ・auなどの)キャリアメールだと返信が届かないことがあります(参考解説記事)。

メッセージ内容はブログ記事に取り上げさせていただく場合があることもご了承ください。

注意事項等

当ブログでは個人的見解を述べているだけなので、他人の判断について責任は負えません。投資などを行う際は、あくまでも各自の責任においてお願いいたします。

リンクや引用なら問題ありませんが、無断転載はご遠慮ください。私は著作権を放棄しておりません。



アクセスカウンター

にほんブログ村 投資ブログ 資産運用(投資)へ