2013
Apr
18
無リスク資産の必要額(リスク資産とのコントロール比率)【アセットアロケーションの決め方・その5】
アセットアロケーションの決め方という本題にはなかなか進まず、まずはブログで使う言葉の整理、次に生活防衛資金の重要性、そして生活防衛資金と国内債券の色分け、前回は無リスク資産の中身、というマニアックな回り道をしてきました※1。
今回は、本題に入る前の最後の回り道として、生活防衛資金を包含する無リスク資産(安全資産)の必要額(「額」というか、私の場合はリスク資産とのコントロール比率ですが)について、個人的な考え方を書いておこうと思います。
今回は、本題に入る前の最後の回り道として、生活防衛資金を包含する無リスク資産(安全資産)の必要額(「額」というか、私の場合はリスク資産とのコントロール比率ですが)について、個人的な考え方を書いておこうと思います。
◎リスク資産と無リスク資産の二つでざっくりと管理することに決めたけど・・
生活防衛資金を生活防衛資金として、例えば生活費の2年分などと「自分で決めた金額」で確保・管理してもよいのですが(金融資産の総額が大きくないうちはこの方法しかない)、私はある時期から、生活防衛資金を含む無リスク資産は、リスク資産との比率をコントロールするやり方で確保・管理するようにしています(どちらかが正解というわけではなく、好みの問題です)。
お恥ずかしい話ですが、実は、この部分(リスク資産との比率でみた無リスク資産の必要額)については、まだ細かく厳格なマイルールは出来上がっていないのが現状です。なぜなら、リスク許容度としての理論上、流動性資金と生活防衛資金と使途の決まっている金額さえ確保できていれば、それ以外の資金をすべてリスク資産に投じてしまっても大丈夫といえば大丈夫だからです。
しかしながら、前回の記事で書いたような精神的リスク許容度や追加投資の余力を持つことで相場の下落を歓迎できる心理状態を作り出すためにも、自分には充分な無リスク資産が必要だとも考えています。
そこで、現段階で私が決めているリスク資産と無リスク資産の比率は、
最もリスクを抑えた場合で1対1
最もリスクを許容する場合でも2対1
つまり、
・無リスク資産がリスク資産の金額よりも大きくなるような状況は作らない
→もしも、そうなったら(臨時収入とか?株価暴落とか?)無リスク資産からリスク資産に追加投資をする(リバランス)
・また、リスク資産が無リスク資産の倍以上になる状況も作らない
→もしも、そうなったら(急な出費で無リスク資産が減るとか?マーケットの好調でリスク資産が大きくなるとか?)リスク資産を売却して無リスク資産を増やす(リバランス)
という枠の中で、ちょうどよいバランスを模索しているところです。
◎明確な固定ルールはおいおい・・
そうなんです。
エラそうに屁理屈こねているわりにはけっこうアバウトなのです。
いずれ、リスク資産と無リスク資産のマイルール比率もしっかり固まってくると思いますが、最もリスクを抑えた場合で1対1、最もリスクを許容する場合でも2対1、という枠を飛び出すことはないだろうと考えています。
1対1がスッキリしていて分かりやすいので、そこに落ち着くような気がしていますが、そこはまだなんとも言えません。
ただし、この管理方法は、無リスク資産の保有額がそれなりに大きくないと使えない方法※2であり、使っている金融商品や好みの問題もあるので、誰にでもオススメというわけではありません。あくまでも個人的な管理方法の備忘録として書いているだけです。
※この比率がどれくらいなのかは、定期的なアセットアロケーション報告記事で公開するつもりです。
→参考記事カテゴリ:【アセットアロケーション】
無リスク資産の色分けやら、その必要額やらということに随分と時間(記事)を割いてしまい、それを自分でも「回り道」などと表現してきましたが、実はこの「回り道」こそがリスクコントロールを行いながら投資をするためには最も重要なことだと考えています。
インデックス投資の牽引者である個人投資家の水瀬ケンイチさんも「保有資産の値動きの9割を決める資産配分の「肝」は意外にも日本債券だった!」と記事にしていますが、MMFや個人向け国債などをいわゆるアセットアロケーションから除外して「無リスク資産」として管理する私のスタンスの場合、まさに今回の記事に書いたようなことは投資(資産形成の)肝になることです。
「攻撃こそ最大の防御」なんて言葉は、ノーマルな個人における資産形成のための投資においてはありえないものだと思っています。少なくとも私は、リターンよりもリスクにしっかりと目を向けて、自分なりの投資スタンスを固めるように心がけてきました。
さて、次回、やっとアセットアロケーションの話に入ります。
つづく
「理想のリスク資産管理条件【アセットアロケーションの決め方・その6】」へ
※1 無リスク資産が、本当に「無リスク」なのかは微妙な問題ですが、この話を始めると長くなってしまうので、ここでは無リスクという言葉を使っています。まぁ、個人的には政破綻や国家による私有財産没収レベルのことまでは考えてもあまり意味がないと思っています。
→参考関連記事:最悪の状況をどこまで想定するのか
※2 リスク資産が想定しうる最大限の下落をしたときに、無リスク資産からの追加投資を行っても、無リスク資産の残額が流動性資金と生活防衛資金と使途の明確なお金の合計額を下回らないくらいでないと使えない方法でしょう。また、万が一、想定しうる最大限の下落以上に下落し、追加投資によって無リスク資産の残額が生活防衛資金と使途の明確なお金の合計額を下回ってしまうようなら、追加投資をしてはならないなどの非常事態用特別ルールの並存も必須だと考えています。

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