いつか子供に伝えたいお金の話

インデックス投資(投資信託を使った国際分散投資)による資産運用・各種保険・クレジットカード・節約など「お金」に関することを書き綴るブログ

無リスク資産に求める5つの要素とその中身(無リスク資産ポートフォリオ?)【アセットアロケーションの決め方・その4】

今回は、生活防衛資金を包含する無リスク資産※1の中身(無リスク資産ポートフォリオとでもいうのでしょうか?)についての個人的な考え方を書きます。

当たり前のことを大袈裟かつマニアックに分解して、グジグジと能書きを垂れるだけですが……。



無リスク資産(安全資産)の必要額とその中身については、各個人の投資額・性格・リスク許容度などによって様々なパターンが考えられますが、私が無リスク資産に求める要素としては、

1.平時の生活運転資金
2.失職や天災等に備える生活防衛
3.自動車購入資金や子供の教育資金など、数年後に使途の決まっている大きな資金の待機場所
4.平時はもちろん、特に相場暴落時の精神安定剤
5.相場暴落時やリスク許容度変更時の追加投資資金(リバランス用資金)の待機場所


といったところでしょうか。


1.平時の生活運転資金


流動性資産とも呼ばれるヤツですね。

当たり前のことですが、日常生活を送るためにはすぐに使えるお金が必要です。

私は、財布の中に入っている現金や電子マネー以外にも、生活費の1年間分以上を、すぐに換金できる(流動性のある)銀行の普通預金で確保しています。

そもそも、まずはこれがないと生きていけません。生活防衛資金よりも手前にある必須資金です。



2.失職や天災等に備える生活防衛


これは、いわゆる生活防衛資金ですね。

投資を始めるにあたっての「生活防衛資金」は生活費の2年分以上確保すべきだと思っていますが、無リスク資産の総額が大きくなってくると、生活防衛要素資金のすべてを低金利の普通預金に寝かせておくことがもったいなく感じる方もいると思うので、どのような金融商品を利用するのかは、各個人の好みや考えによるところが大きいでしょう。

ただし、天災など不測の事態を考慮すると、銀行や郵便局の普通預貯金の換金性(流動性)はとても重要なので、ある程度は普通預貯金で確保しておいた方がいいと思います。



3.自動車購入資金や子供の教育資金など、数年後に使途の決まっている大きな資金の待機場所


一般的にはこのような資金は銀行の定期預金などで確保しておくのがよいとされますが、個人の好みでMMFや個人向け国債などで保有していても別に問題はないでしょう。

また、リスク資産が好調であれば、リバランスを兼ねてその一部を売却して必要資金に充てるという選択もアリだとは思いますが、必要資金については、なるべく悪い場合を想定して備えておいた方がよいと思います。

(リスク資産の運用計画についても、リターンよりもダウンリスクに目を向けてプランを組み立てた方がよいと思っています。)



4.平時はもちろん、特に相場暴落時の精神安定剤


株価が気になって熟睡できないようでは困ります。

無リスク資産が少なすぎると、平時においても「株価が急落したらどうしよう」などと、気になってしまって目の前のことに集中できなくなるかもしれません。

よりよい生活を手に入れるために投資をしているのに、株価に振り回されて生活するようでは本末転倒です。アセットアロケーションにもよりますが、リスク資産への投資資金が半分以下になっても熟睡できるだけの無リスク資産を確保しておきたいものです。

株価が暴落しても熟睡できるラインを、「精神的リスク許容度」とでもいうのでしょうが、これは平時にイメージするのと、実際に体験するのでは随分と異なるものです(参考記事→リーマンショックのナイアガラっぷり)。

金融商品は、個人の好みで定期預金・MMF・個人向け国債など、どれでも問題ないと思います。



5.相場暴落時やリスク許容度変更時の追加投資資金(リバランス用資金)の待機場所


私は淡々とした愚直な積立投資を基本とするインデックス投資家ですが、株価暴落時などには一定のルール※2のもとで、リバランスや追加投資を行うことにしています。

無リスク資産がたっぷりと用意してあれば、株価の下落を歓迎する心の余裕や少しのワクワク感さえ持てます※3
(ただし、株価下落時に不用意にナンピン買いをくり返すことは、リスクも大きいので注意が必要であり、追加投資にはリスクコントロールのためのルールが必須だとも思っています。)

リバランス用資金を用意するなんてエラそうに書いていますが、これは、アセットアロケーション内に国内債券クラスとしてMRFやMMFなどを組み込んでいることと、ほとんど同じことです。どちらを選択するかは、管理方法の好みの問題だと考えています。

金融商品は、個人の好みで定期預金・MMF・個人向け国債など、どれでも問題ないと思います。

【参考】
個人向け国債(変動10年)は最強の無リスク資産…メリット・デメリットを確認しておこう!
MRF・MMFとは?…けっこう優れた無リスク資産の置き場でっせ!



◎ある程度の換金性を考慮したうえで、あとは好きなように・・

無リスク資産の金額が大きくなってくると、無リスク資産内で目的に応じた金融商品を使い分ける意味が薄れてきて、その境界があいまいになったりもするでしょうが、換金性(流動性)を考慮して、イザというときのために、ある程度の普通預貯金を確保しておくことは、とても重要なことだと考えています。

つまり、無リスク資産の中身は、ある程度の普通預貯金だけが必須で、それ以外は個人の好みでMRF・MMF・定期預金・個人向け国債変動10あたりを適当に保有しておけばいいのかなと考えています。

ただし、あまりにも多くの口座を利用しすぎていると、その管理や把握の手間もバカにならないので、各個人がなるべくシンプルに管理できる方法を見つけられればいいと思います。

(それなりの金融資産を持っている方が、ペイオフを考慮していくつもの銀行口座を利用している場合もあるようですが、信託財産の分別管理が遵守されることを前提とするなら、MRF・MMF・個人向け国債などで保有すればペイオフは気にする必要がなくなります。)


私はこのようなこと突き詰めて考えた結果、生活運転資金だの、生活防衛資金だの、追加投資資金だのをそれぞれ分けて管理するのがメンドクサくなり、全部まとめて「無リスク資産」として管理するようにしています。


さて、上記のような要素のすべてを含めた無リスク資産の総必要額に関する個人的な考え方を次回の記事でまとめてから、やっと「アセットアロケーションの決め方」という本題に入っていきます。

つづく
無リスク資産の必要額【アセットアロケーションの決め方・その5】



※1 くどいですが、、、無リスク資産が、本当に「無リスク」なのかは微妙な問題ですが、この話を始めると長くなってしまうので、ここでは無リスクという言葉を使っています。まぁ、個人的には、財政破綻や国家による私有財産没収レベルのことまでは考えてもあまり意味がないと思っています。
→参考関連記事:最悪の状況をどこまで想定するのか

※2 リバランスや追加投資に関する個人的にルールについては、前回の記事や次回の記事で簡単に触れています。

※3 株価の下落を歓迎して追加投資をするには、いくつかの前提が必要です(参考記事→予測をしないインデックス投資家の予想【投資の前提(その1)】)。


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
東証マネ部!:2020年8月
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ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
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モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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