いつか子供に伝えたいお金の話

インデックス投資(投資信託を使った国際分散投資)による資産運用・各種保険・クレジットカード・節約など「お金」に関することを書き綴るブログ

生活防衛資金と国内債券資産の色分け【アセットアロケーションの決め方・その3】

今回の記事は、ある程度の期間に渡って投資を実践している方でないと、何を言いたいのかサッパリ分からないかもしれません。

最初に謝っておきます。マニアックな屁理屈記事でスンマセンです!

前回の記事で書いたように、リスク資産への投資資金とは別に確保する生活防衛資金はとても大切なのですが、ある程度金融資産が大きくなってきた場合(を想像すると)、「生活防衛資金」とアセットアロケーションの中に含んでいる「国内債券」クラスの資産を分ける意味があるのだろうか?というようなことを考えるようになりました※1

(こんなことを考えたのは、当然、前々回の記事で書いた「言葉の整理」をする前のことです。)



◎ちょっと妄想してみます


あくまでも仮定の話ですが、生活防衛資金として500万円を確保した人が、投資を始めるとします。
→やがて、その人の投資金額が8000万円になったとしましょう(ちょっと極端な設定ですが)。
→そのとき、その人のアセットアロケーションが、国内株式25%・国内債券25%・海外株式25%・海外債券25%だったとします。

このとき、生活防衛資金が500万円、アセットアロケーション内の国内債券が2000万円となります。
→アセットアロケーション内の国内債券のうち、半分の1000万円をNOMURA-BPI総合に連動するインデックスファンド、残り半分の1000万円をMMFで保有しているとしましょう(MRFでも定期預金でも個人向け国債でもいいのですが)。

元本割れの可能性が極めて低く、比較的すぐに換金できる資産であるMMFを1000万円も保有している人が、500万円の生活防衛資金を確保している意味はなんなんだろう?と私は思ってしまったわけです(金額の多寡というよりも、色分けの問題)。

アセットアロケーション内の金額がもっと大きくなれば、その感覚は、より高まる気がします(あくまでも極端な思考実験ですが)※2

また、これも完全に感覚的な話ですが、投資金額8000万円に対して、生活防衛資金の500万円はあまりにも小さすぎるのではないか、とも思いました。もちろん、アセットアロケーションの中の国内債券比率を高めることでリスクコントロールは可能ですし、理屈としては8000万円なら仮に半分になったとしても4000万円が残るので、万が一への対応には問題ないともいえます。

んでも、投資額(リスク資産)が大きく減るような時の精神的ダメージというものは、平時に想像するものよりもはるかに深刻なものです※3

精神安定作用も考えると、リスク資産の増大とともに無リスク資産※4も増やしていくべきだと私は考えています。

無リスク資産を増やすなんてことは、生活防衛資金を増やしても、アセットアロケーション内の国内債券比率を増やしても、どちらの方法でも同じことです。

ただ、個人的には、投資金額がある程度大きくなっていたら※5、生活防衛資金を無リスク資産に含んでしまって(生活防衛資金≒無リスク資産)、リスク資産との比率をコントロールする方法で管理したほうが心理的にスッキリするなぁ、と思ったのです(リスク資産と無リスク資産の間でのリバランスも当然アリ)※6



◎管理しやすいなら、無リスク資産の中に生活防衛資金を含めちゃってもいいよね


そこで、やっと前々回の記事で書いた「言葉の整理」の話になるわけです。

使っている金融商品の都合もあり、個人的に管理しやすくするために、国内債券クラスのうち、NOMURA-BPI総合に連動するインデックスファンドなどは「リスク資産」に分類し、普通預金・5年以下の定期預金・MRF・MMF・個人向け国債変動10・固定5などは「無リスク資産」に分類することにしました※7


交流させてもらっている個人投資家さんの中には、生活防衛資金を「自分で決めた金額」で確保したうえで、無リスク資産を含むアセットアロケーションを組んでいる方も多くいらっしゃいます(むしろその方が多数派?)。私もそのように管理していた時期があります。

他にも、リスク資産・無リスク資産・生活防衛資金の3つをそれぞれ分けて管理している人も多いようですが、私はそれがメンドクサイと思うタイプです。

こういう問題はどちらが正解なのかという類のものではなく、各個人がどちらの方が好み(管理しやすい)かというだけのものです。

投資金額の大きさやライフスタイル、どのような投資商品を使っているかによっても、好みの管理方法が変わってくるのかもしれません。


このようにどちらでもたいした違いはなく、考えても楽しくないようなことを、私は出張時の移動バスのなかで8時間くらいずっと考え続けても飽きない程度の変態ではあります(正確にはそのような時期がありました)。

なかなか本題の「アセットアロケーション」に進みませんが、「無リスク資産」について、次回(無リスク資産に求める要素やその中身)次々回(無リスク資産とリスク資産のコントロール比率)と、そこそこ掘り下げた自分なりの見解と方針を書いてから、本題に入る予定です。

つづく
無リスク資産に求める要素やその中身【アセットアロケーションの決め方・その4】



【関連記事→分散投資に国内債券を入れる必要性あるの?現金じゃダメなの??


※1 他人さまにとってはどうでもいいようなことを、マニアックに思考している過程をゴチャゴチャと書いているのは、ブログが備忘録であるという理由以外に、このお題が最終的によりシンプルな形での管理方法に近づくための前提となるからです。

※2 「リスク資産がそこまで大きくなっているようなら、生活水準も上がっている可能性が高いので、生活防衛資金の額も増えているはずだ」という意見もあると思います。私もそう思いますが、ここでは話を単純化するために生活防衛資金の額は一定のままにしてあります。また、金融商品の流動性の話はちょっと脇においておきます(後の記事で触れる予定です)。

※3 事前に想像する下落時の精神的ダメージと、実際に経験する下落時の精神的ダメージは、その人の持っている「想像力」によって違ってくるのでしょうが、少なくとも私は2008年の金融危機(リーマンショックなど)の際には、事前の想像をはるかに上回る精神的苦痛を味あわせてもらいました(マーケットから退場することはありませんでしたが)。
→参考関連記事:リーマンショックのナイアガラっぷり

※4 くどいですが、無リスク資産が、本当に「無リスク」なのかは微妙な問題ですが、この話を始めると長くなってしまうので、ここでは無リスクという言葉を使っています。まぁ、個人的には財政破綻や国家による私有財産没収レベルのことまでは考えてもあまり意味がないと思っています。
→参考関連記事:最悪の状況をどこまで想定するのか

※5 リスク資産への投資資金が大きくないうちは、生活防衛資金を「金額」で確保するべきだと思います。ただ、生活防衛資金の金額よりもアセットアロケーション内の国内債券資産の金額の方が大きくなっているような場合は、リスク資産と無リスク資産を「比率」でコントロールしても問題ないと思うのです。もちろん、その場合は、生活防衛資金を含む無リスク資産の金額が「生活防衛資金として確保すべき金額」を下回らないようにコントロールするルール(追加投資のストップライン設定など)が必須になりますが。

※6 私の採用しているその具体的コントロール比率については、次々回あたりに書くつもりです。

※7 この分類には突っ込みどころが満載だと思いますが、使っている金融商品の都合などで、あくまでも個人的に色分けしただけです。


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
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投資信託完全ガイド:2021-22年版
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東証マネ部!:2020年8月
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ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
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モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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