2013
Mar
29
まずは生活防衛資金【アセットアロケーションの決め方・その2】
前回の記事では、「アセットアロケーション」やら「リスク資産」やら「無リスク資産」やらの、個人的な言葉の使い方を整理しました(人によって、使い方が異なることがあるので)。
この記事シリーズは、アセットアロケーションの決め方・管理の仕方などについて、個人的な思考経過を書いていきます。
しかし、その本題に入る前に、今回は、リスク資産とは別に「生活防衛資金」などとも呼ばれる無リスク資産※1をキチンと確保するという非常に(最も?)大切な話について触れたいと思います。
この記事シリーズは、アセットアロケーションの決め方・管理の仕方などについて、個人的な思考経過を書いていきます。
しかし、その本題に入る前に、今回は、リスク資産とは別に「生活防衛資金」などとも呼ばれる無リスク資産※1をキチンと確保するという非常に(最も?)大切な話について触れたいと思います。
◎生活防衛資金とは
生活防衛資金とは、「何かあったとき」に備える無リスク資産(安全資産)のことです。
「何か」とは、職を失う、天災に見舞われる、などの通常の生活ではちょっと考えにくい不測の事態が起こったときのことを言っています。
急に会社が倒産したり、クビになったりした場合を想像すれば分かりやすいでしょう。
そういうときのために、すぐに換金できて、マーケットの状況によって増減しない金融資産を確保しておかないと、余裕を持って生活プランを立てることができなくなってしまいます。
また、そのような金融資産があると、リスク資産の下落時に、精神安定剤的な役割を果たしてくれたりもします。
◎生活防衛資金はどれくらい必要か
生活防衛資金は「生活費の2年分くらい確保しておくべきだ」という考え方を筆頭に、「3年分は必要」だとか「3か月分で充分だ」などと、各個人や家庭の状況などによって多かったり少なかったりするのですが、個人投資家にそれが必要だという考えに対する異論はほとんどないと思います。
(さすがに3か月分ぽっちの確保では不安ですし、その場合「生活防衛資金」というよりも単なる「生活運転資金」にしかならないと思っています。)
私も投資を開始するときには(当時まだ独身)、最大限節約すれば2年間は生活できるだけの生活防衛資金を確保して、リスク資産への積立投資を始めました(年収の2年分ではなく、生活費の2年分)。
◎生活防衛資金は絶対に投資に回さない
その後、どんなに株価が下落して「買い時」に思えても、生活防衛資金だけには手をつけない(生活防衛資金からリスク資産には投資しない)ようにしてきました※2。
幸いにして私は、投資を始めてから今日まで、失職するようなことはありませんでしたが、交流させてもらっている個人投資家さんの中には、職を失うような事態に直面した方も何人かいたようです。
そんなときも、キチンと確保していた生活防衛資金のお陰で、落ち着いて納得のいく転職活動が可能だったという話を聞いています。
(私は、投資に関しては基本的にパッシプですが、仕事やプライベートではかなりのリスクをとって攻めるタイプなので、ハッキリ言って、いつ失職してもおかしくありません。小学校・中学校・高校と、どのステージでも学年№1の問題児だったと自覚しています。こんなことを書いていると、小学生のころ、機動隊に取り押さえられたときの武勇伝や、友人の親たちが「我が子を虫とり小僧くんとは遊ばせない同盟」を結んだ逸話などを語りたくなってきますが、あまりにも本題からそれてしまうので、やめておきましょう。 ※参考記事→私の武勇伝)
とにかく、リスク資産への投資資金とは別に確保する生活防衛資金はとても大切です。
◎投資の前に、まずは健全な家計体質が重要!
私が投資をしている理由と矛盾するようですが、
元本保証のない投資の世界に飛び込むなら、まずはそれなりの預貯金等の無リスク資産を確保してからにすべきであり、その程度の貯蓄もできないなら投資なんぞしてはならない
と思っています。
貯蓄のできるようなキャッシュフローの家計体質でないと、リスク資産への投資を始めても継続することは難しいのではないでしょうか。
なんか、投資を始める前の生活防衛資金を確保するそのまた前の家計体質の話にまでなってしまいましたね。。
◎生活防衛資金と国内債券の違いってなんだろう?
さて、トータルな金融資産の絶対額が少ないうちは、生活防衛資金を「自分で決めた金額(生活費の2年分とか)」だけ確保したうえで、リスク資産への投資を行うことに、私はなんの違和感も抱きませんでした。
ところが、ある程度金融資産が大きくなってくる(ことを想像する)と、
「生活防衛資金」とアセットアロケーションの中に含んでいる「国内債券」との違いってなんだろう?
ということを考えるようになってきました。
(当然、これはまだ、前回の記事で書いた「言葉の整理」をする前のことです。)
つづく
生活防衛資金と国内債券資産の色分け【アセットアロケーションの決め方・その3】へ
※1 無リスク資産が、本当に「無リスク」なのかは微妙な問題ですが、この話を始めると長くなってしまうので、ここでは無リスクという言葉を使っています。財政破綻や国家による私有財産没収レベルのことまでは考えてもあまり意味がないと個人的には思っています。
→参考関連記事:最悪の状況をどこまで想定するのか
※2 株価の一時的な下落などによってリスク資産が割安に思えてしまい、買いたい衝動に駆られて心が揺らぎまくったこともありますが、そういう話はまた別の機会に記事にしたいと思います。

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