いつか子供に伝えたいお金の話

インデックス投資(投資信託を使った国際分散投資)による資産運用・各種保険・クレジットカード・節約など「お金」に関することを書き綴るブログ

簡単で万全な対策はない(インターネットでお金を扱うことへのセキュリティ対策・その2)

先週、「インターネットでお金を扱うことへのセキュリティ対策」なる記事を公開しました。

あの記事は、読者の方から「ネット取引のセキュリティ対策に自信が持てず、投資に踏み出せないので、そのリスク分散の方法があれば知りたい」との質問を受けて書いたものです。

公開後、十数名の方が各々のネット取引のセキュリティリスク対策を教えてくれました(どうもありがとうございました!)。

今回は、備忘録のために、それらをまとめて考察しておきます。



◎ポイント確認と前回の要点


そもそも、読者さんからの質問は、パスワード対策やセキュリティソフト対策以外の注意ポイントが知りたいとのことだったので、私は、

・あまり多くの口座は持たない

・フィッシングメールなどに気をつける

・お金を扱うパソコンやスマホからは怪しいサイトは覗かない

・リンクのクリックは慎重にする

・フリーWi-Fiでお金に関する情報は扱わない

など、当たり前すぎて恥ずかしいようなことを列挙しました。



◎寄せられたリスク対策方法は・・


お陰さまで、ツイッターやメールフォームなどを通じて、ネットのセキュリティリスク対策を教えていただくことができて、大変嬉しかったのですが、、、

なんと、寄せられた対策のほとんどはパスワード対策でした。

また、お金の取引用と、それ以外の用途のパソコンやシステムを分ける、という対策をとっている方も非常に多かったのですが、それは前回私が挙げた「お金を扱うパソコンやスマホからは怪しいサイトは覗かない」ということとほぼ同じだと思います。

つまり、質問をくださった方の欲していた思われる「眼から鱗の落ちるような必殺のセキュリティ対策」と思しきものはなかったのです。

おそらく、気の利いた万全の対策はないのでしょう。もしくは、他人に軽々しく教えるようなものではないのかもしれません(私は別になにかを隠したりはしていませんが・・)。



◎特別な対策はなさそうだよね


寄せられたリスク対策のなかで、パスワード対策やセキュリティソフト対策以外で、かつ私が列挙したものと被らないものといえば、

・アグリゲーションサービスと呼ばれる、多くの口座やクレジットカード情報などを一括管理するサービスは使わない(マネーフォワードなど)
→ログインするためのIDとパスワードをサービス側に預けると、その流出リスクがありますよね(便利さに負けて、私は使っていますが・・)。

・セキュリティソフトだけでなく、ブラウザやOSなどもこまめに更新する
→広告のフラッシュとかに入り込むウィルスとかもあるみたいですからね。

・「ログインパスワード」と「取引パスワード(暗証番号等)」をキチンと分けてあるネット金融機関以外は利用しない
→ごもっともです。取引パスワードさえ盗まれなければ、直接的な金銭被害はありませんからね。
→ただ私は、ログインパスワードと取引パスワードが分けられていないネット金融機関を知りません(普通のネット銀行やネット証券なら、そのくらいは大丈夫だということです)。

といったことくらいで、とにかく、パスワードの作り方やその管理方法の情報ばかりがジャンジャン寄せられました。・・マニアの私は嬉し恥ずかし楽しかったのですが、それをそのまま質問者さんに伝えたら、おそらく「こんなにメンドイなら、やーめた!」となってしまいそうなレベルでした。



◎ネット銀行とネット証券のリスク差


寄せられた意見のなかで、ちょっと面白かったのは・・

・銀行口座がハッキングされてしまうと(IDや各種パスワードが盗まれてしまった場合)、簡単に振り込み可能で、すぐに不正行為が完結してしまい、気づいたときには手遅れになりそう

→暗証番号も月に数回使うことが多いので、どうしても狙われやすい

→ただし、ハッキングされるのが証券口座の場合は、換金まで数日を要する投資信託※の売却や、出金用本人名義不正口座を用意するのが面倒なので、その期間中に気づく可能性も高いはず

→海外ETFならさらに為替手続きが必要で(不正送金は)もっと面倒

→自動積立なら、取引パスワードなんて最初の設定以外はほぼ使わないので、ハッキングに遭う可能性は低そう

というものです。

なるほど、証券口座へのファンド買い付け資金等の振り込みは、ネット銀行を使わず店頭振り込みにする、なーんてセキュリティ対策もあるのかもしれません(かなり、メンドイですけどね)。

※参考記事→投資信託とは・・【いまさら聞けない投資信託シリーズ】



◎楽チンで絶対安全な対策はない。勉強あるのみ、かな・・


ゴチャゴチャ書いてしまいましたが、どの対策をどの程度行うことで、どれだけ被害に遭う可能性を下げることができるのかもよく分からないのが実情なので、実際どこまでやるかは自己判断になりそうです。

今回、「インターネットでお金を扱うことへのセキュリティ対策」などと大仰なタイトルで2回も記事を書きましたが、セキュリティ対策の一つひとつはどれも当たり前で地味なものであり、しかも時代の流れとともに変化するもののようです。

「自分は大丈夫だ」とは思わずに、常に反省と勉強を繰り返すことが大切だと思いました。

結局、王道セキュリティ対策としては、「こまめな残高確認をして、早めに異常気づくこと」くらいしかないのかもしれません(そうすると、ほったらかすことができなくなるので、私はアグリゲーションサービスを使っているんですが、ここは各自の判断によるでしょう)。

また、ネットによるお金の取引ではありませんが、“自分宛てに初めて届いたメールは少し疑ってみる”というような視点も大切かもしれません(取材メールが着たけど、本当に送り主はそのメディアの記者なのか?・・とかね)。

インターネットは便利ですが、それだけに目を奪われないよう気をつけたいものです。何年か後に、「ネットでお金を扱わなければ良かった……」なんてことにならないように。。

私も読者さんからのメッセージに返信する際に、「どうも、虫とり小僧です!」などと書いて実名メールアカウントから送信したりするくらいにはボケているので、常に「自分は何かやらかしているかもしれない」という気持ちを忘れないようにしたいと思っています。


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


Twitter:@mushitori
Facebook:Facebookページ

子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
東証マネ部!:2020年8月
JBpress:2020年7月7日
ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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