2015
Dec
05
オルタナティブ投資?ヘッジファンド?エンダウメント戦略?それって何だ??…GCIアセット・マネジメント「第1回投資ブロガーの会」に参加しました
「GCIアセット・マネジメントがブロガーミーティングをやるから参加しないか?」というお誘いを、相互リンクブロガーのASKさんから受けたとき、恥ずかしながら私はGCIアセット・マネジメントなる金融会社のことを知りませんでした。
その会社が「GCIエンダウメントファンド」という投資信託を設定したそうです。
自社運営するヘッジファンドをバランスファンドの一部に組み込んだこの投資信託を、ブロガーに宣伝してもらいたくてミーティングを召集したんだろうなぁ、というのが、そのファンド(投資信託)情報を確認したときの私の正直な感想でした。
個人的に買うことはないだろうし、わざわざ知人にオススメできるようなものでもないよなぁ・・ってか、絶対売れないだろコレ・・ってなカンジです。
しかし、好奇心に満ち溢れたマニアックな投信ブロガーの一員である私は、「ヘッジファンドの中の人」に直接会って話を聞ける機会なんて滅多にない、これは行くしかないだろう!と、喜び勇んで、先日の「投資ブロガーの会」に参加してきました。
※まずは、「オルタナティブ投資」「ヘッジファンド」「エンダウメント戦略」など、金融の世界とは直接関係のないところで生活している人にとっては聞きなれないであろう言葉を簡単に解説してから、個人的な感想と当日の様子を書きます。
※参加した投信ブロガーは、ASKさん、Opalさん、kenzさん、すぱいくさん、Nightwalkerさん、ゆうきさん、夢見る父さん、WATANKOさん(五十音順)と私の9名です。皆さんそれぞれ当日の様子を記事にされています。
その会社が「GCIエンダウメントファンド」という投資信託を設定したそうです。
自社運営するヘッジファンドをバランスファンドの一部に組み込んだこの投資信託を、ブロガーに宣伝してもらいたくてミーティングを召集したんだろうなぁ、というのが、そのファンド(投資信託)情報を確認したときの私の正直な感想でした。
個人的に買うことはないだろうし、わざわざ知人にオススメできるようなものでもないよなぁ・・ってか、絶対売れないだろコレ・・ってなカンジです。
しかし、好奇心に満ち溢れたマニアックな投信ブロガーの一員である私は、「ヘッジファンドの中の人」に直接会って話を聞ける機会なんて滅多にない、これは行くしかないだろう!と、喜び勇んで、先日の「投資ブロガーの会」に参加してきました。
※まずは、「オルタナティブ投資」「ヘッジファンド」「エンダウメント戦略」など、金融の世界とは直接関係のないところで生活している人にとっては聞きなれないであろう言葉を簡単に解説してから、個人的な感想と当日の様子を書きます。
※参加した投信ブロガーは、ASKさん、Opalさん、kenzさん、すぱいくさん、Nightwalkerさん、ゆうきさん、夢見る父さん、WATANKOさん(五十音順)と私の9名です。皆さんそれぞれ当日の様子を記事にされています。
◎用語と状況の整理
まずは、簡単に用語の整理をしておきましょう。
・オルタナティブ投資
→株式や債券など伝統的資産へのスタンダードな投資以外の投資。この言葉のカバー範囲はかなり広い※1。
・ヘッジファンド
→オルタナティブ投資の中のひとつ。様々な手法や金融商品などを使って絶対収益を目指す運用組織・商品。
・エンダウメント投資
→莫大な寄付金を運用するアメリカの名門大学の財団(エンダウメント)みたいな投資スタイルを目指す投資戦略。
以上三つの用語を使って、今回の出来事をまとめると、
GCIアセット・マネジメントという投資運用業者が、「GCIエンダウメントファンド」というエンダウメント投資を標榜する投資信託を作り、その宣伝を投信ブロガー向けに行った。その投資信託の運用には、オルタナティブ投資も採用しており、具体的にはインデックス型バランスファンドの中に自社の運営するヘッジファンドを組み入んでいる。
というカンジでしょうか。
◎GCIエンダウメントファンドを私はどう思うか?
「GCIエンダウメントファンド」とは、バンガード社※2のETFや国内籍ETFで構成されたインデックス型バランスファンドに、オルタナティブ投資を3割ほど組み込んだ国際分散タイプの投資信託です。
それ一本を保有しているだけで国際分散投資が完結してしまうタイプのバランスファンドは私の好みですし、投資信託としては、なかなか面白いものだと思います。
仮に知人がそれを買って保有していたとしても、「それは早く解約すべきだ!」と促すようなことまではしないでしょう。ノーロード(販売手数料無料)で、個人投資家が低額からヘッジファンドにアクセスできる環境が整備され、選択肢が増えていくことは悪いことではないと考えています。
ただし、バランスファンドの中の一部(最大で30%)のヘッジファンドに投資するために、実質的な信託報酬として、年率1.152%(税込)ものコストを支払うことになる点をスルーするのはNGでしょう(ヘッジファンド部分のコストは管理報酬年3.0%、成功報酬20%)。
そのヘッジファンドを含むバランスファンドが、今後数十年に渡って一般的な市場平均に勝ち続ける可能性は如何ほどなのか、などと考えてしまうと、より低コストで無難な運用をしているセゾン投信
(参考→セゾン投信を投資初心者にオススメする理由)
また、返済義務のない寄付金を使って運用する本物のエンダウメントとは違い、顧客がいつでも解約できる資金を集めて運用する公募投資信託において、エンダウメント戦略とやらを有効に実践できるのだろうか、という疑問も拭えません。
◎GCIアセット・マネジメントとは
GCIアセット・マネジメントという会社は2000年に設立され、現在は6本のヘッジファンドを自社運用しているそうです。
しかし、最も寿命の長いファンドでも設定から6年くらいだということなので、会社設立当初からのファンドは一本もなく、おそらくこれまでに消えていった自社ヘッジファンドが多数あったのであろうと推測できます。
設定から6年しか経っておらず、ITバブル崩壊やリーマンショック級の危機を一度も乗り超えていないヘッジファンドに、「目標年率リターン50%」などと言われても、正直なところ、大いに疑問を感じてしまいます。
ただし、今回のミーティングでお会いしたGCIアセット・マネジメントの方々は、CEO(最高経営責任者)の山内英貴氏をはじめ、皆さん驚くほど誠実そうな人たちで、漠然とイメージしていた「ヘッジファンドを運用している金融業者」という成金イメージとは対極にありました。
自分の「虎の子」たるお金の運用に関しては、シビアな目線で考えざるを得ませんが、人間としては信用に足る人たちなのだろうな、ということは強く感じました。
ミーティング開催の目的が「宣伝である」ということも変に隠そうとせず、正直に「この選択肢を少しでも多くの人に知ってもらいたい」と言い、私のようなふざけた人間の無礼な質問にもすべて真摯に答えてくださいました。
山内氏は現在、東京大学で講義を受け持ち、他にも京都大学・一橋大学・早稲田大学などでも教鞭をとったことがあるそうです。これまでのキャリアもエリートそのものであり、私のように小学生時代のコオロギやワラジムシを女子の筆箱に投入するような「いたずら武勇伝」を嬉々として語るような低レベルな人間とは格が違います。お話できただけでも光栄というものでありましょう。優秀かつ謙虚な人って、滅多にお目にかかれませんからね。
(参考記事→私のいたずら武勇伝)
その山内氏の口から懇親会の席で出た「インデックス投資は、投資の王道だが、それが今後も必ず続くかどうかには疑問がある」という言葉にも、それなりの説得力と重みはありました。
また、この会社には、私と同じ年齢で東京大学を首席で卒業したファンドマネージャーなどもいるそうで、なんか凄そうや!とは思いました。
◎ミーティングや懇親会について
「ブロガーの会」自体は、「GCIエンダウメントファンド」そのものの宣伝と、そこへの主要組み入れETF運用会社であるバンガード社の紹介だけで終わってしまいました。
無駄に知識を持つオタクであり、知的好奇心を持っていることと理屈っぽいことだけが取り柄の我々投信ブロガーに対して、ほぼ知り尽くしているバンガード社の基本的な紹介と、既に事前学習を済ませ、ネットでちょっと見れば分かる程度の商品情報をプレゼンされる時間はけっこう苦痛でした。
おそらくすべての参加投信ブロガーの保有投資信託よりも高コストな商品を紹介しながら、「低コストの重要性」を懇々と説いているときなどは、ブロガー数名の「貧乏ゆすり」が止まりませんでした。
時間が限られていることは理解できますが、その場での質問と回答のやりとりを楽しみにしていた変態としては、かなり残念でした。
ただ、懇親会では、CEO(最高経営責任者)の山内英貴氏がどんな質問にも真摯に丁寧に回答してくださったので、「貧乏ゆすり」は完全に止まり、むしろGCIアセット・マネジメントの皆さんの熱い想いに感動するという予想外の展開になりました。私はサイバイマンのごとく単細胞です。
金融商品として、客観的な視点で意見を述べてしまうと、既に書いたようなシビアなコメントになってしまいますが、優秀な頭脳を持った人たちが熱い志を持って真剣に仕事をしていることは伝わってきました。
生意気なことを書きましたが、GCIアセット・マネジメントさんには頑張ってもらいたい、と思っているのも正直な気持ちです。
※1 「ハゲタカファンド」と世間一般に認知されているようなプライベート・エクイティ・ファンドへの投資や、商品(コモディティ)投資・不動産投資・未公開株への投資など、「オルタナティブ投資」という言葉の範囲は多岐にわたります。新興国への投資や、REIT(リート・不動産投資信託)への投資なども「オルタナティブ投資」に括られることがあるので、私も多少は自分の資産形成に組み入れていますが、「よく分からないものには手を出さない」という投資の大原則に当てはめると、多くの普通の人は「オルタナティブ投資」は避けておいたほうが無難だろう、というのが私の基本的な立場です。
※2 参考記事→バンガード社(米国大手投資信託会社)は日本人のことなんて眼中にない

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