いつか子供に伝えたいお金の話

インデックス投資(投資信託を使った国際分散投資)による資産運用・各種保険・クレジットカード・節約など「お金」に関することを書き綴るブログ

コモディティクラスへの投資について整理しておく

個人投資家が比較的低コストで「コモディティ」へ投資可能な投資信託(ファンド)※1が設定される時代になりました。

普通ではなかなか投資しづらい対象に、投資信託を通じて簡単に投資できる環境が整う(選択肢が増える)ことはよいことだと思います。

コモディティクラスへの投資について、私の個人的な考えを書いておきます。



◎コモディティとは


そもそも普通に生活をしていると、「コモディティ」だなんて単語に触れ合うことは、あんまりないかもしれません。

コモドドラゴン(かわいいので閲覧推奨)が、友達から親しみを込めてつけられたチャーミングなあだ名のような響きがありますよね。コモディティの「ティー」の部分にスポーティーな趣きがあって、お茶目に反復横跳びをしたり、舌を出して俊敏に走り回るコモドドラゴン(閲覧推奨)を連想させます。

失礼!本題に戻りましょう。


ここでいう「コモディティ」とは、商品先物取引所で取引されている商品のことです。

つまり、原油や天然ガスなどのエネルギー資源、金・銀・プラチナなどの貴金属やアルミなどの工業用金属、トウモロコシや大豆などの穀物、牛や豚などの家畜、そのような実物資産のことですね。いわゆる「さきものとりひき」の対象物です。



◎コモディティ投資の問題点


コモディティは、株式や債券のように配当や利子がなく、基本的には需給によって価格変動するだけのゼロサム(誰かの得は誰かの損)の投資対象です。

投資信託やETFを通じてコモディティ投資を行ってそれを持ち続ける場合、そのコスト構造や手数料を考慮すると、期待リターンはプラスどころかマイナスだと認識しておいた方がよいでしょう。

また、ちょっと、いや、かなりマニアックな話になりますが、先物取引を駆使して行われるコモディティの運用では、限月間価格差の影響で、平常時は減価していく性質(コンタンゴ)があることも知っておいたほうがいいでしょう。

利益を得るためには、機動的な売買やリバランス※2を必要とするので、「ほったらかしスタイル」の投資にはあまり向いていないと思います。私も投資していません。

しかしながら、需給動向を先読みできる「目」を持っていたり、手間をいとわずにリバランス等ができるのであれば、その分散効果を否定できるものではないと考えています。むしろ、その値動きのダイナミックさや他の資産との相関係数の低さは、なかなか魅力的です。リバランス時の高値売りの安値買い効果はバカにできなさそう、、なーんて不純な考えも、私はちょこっと持っています(ただし、商品指数に丸ごと投資してしまうと、値動きが緩やかになってしまう点には留意)。



◎実は以前に・・


私は以前に当ブログで、アセットアロケーションやポートフォリオの理想と現実という記事を書いたことがあります。

その記事では、

「もしも仮に、自分の理想の個別商品で希望通りにアセットアロケーション(資産配分)を組んでくれて、かつ自動買付・自動リバランスを行ってくれる低コストのシステム(バランスファンド?)があったとしたら、どのように配分するだろうか」

と妄想して、ゴチャゴチャ考えた結果、コモディティクラスも5%ほど組み入れるアセットアロケーションを理想として掲げました(該当記事)。

自分の手や頭を煩わせずに自動メンテナンスをしてくれるのであれば、実は私も「スパイスとして、コモディティクラスにも投資してみたい」と考えているのです。



◎ゴチャゴチャやっても、たぶんeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)には勝てない


しかしながら、実際には手間や最終的な投資パフォーマンスに与えるであろう影響を勘案して、コモディティクラスへの投資は見送っているのが現状です。株式の中にもコモディティの要素は含まれているだろうとも思っています。

コモディティへの投資に限らず、株だの債券だのリートだのと、なんだかんだ比率やアセットクラスを考えて、ゴチャゴチャ売り買いしても、長期的(20年以上くらい?)に見れば、「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」や「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」などのようなファンドを地蔵のようにじっと持ち続けている投資家に勝てる可能性は低そうだ、と考えてもいます。

参考関連記事→eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)について
参考関連記事→セゾン投信を投資初心者にオススメする理由



コモディティクラスへの投資が可能なファンドとしては、三菱UFJ投信の「eMAXISプラス コモディティインデックス」あたりがすぐに頭に思い浮かびますが、実際には「分かっているマニア系」のみが扱える商品なのかなぁ、と思っています。

・・初心者は手を出さないほうがいいかも。



※1 参考記事→投資信託とは・・

※2 リバランスとは、一定の期間(や乖離率)ごとに、最初に決めたアセットアロケーション(資産配分)比率より上がっているもの(アセット)は売却(利食い)し、下がっているものは買い増(逆張り)して元に戻すこと。主目的はリスクコントロールですが、株価や債券価格や為替などの上下循環(下がってもまた上がる・上がってもまた下がる)を前提とすれば、長期的には高パフォーマンスに寄与します(参考:上げ相場でリバランス売りをしといてよかった)。


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


Twitter:@mushitori
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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
東証マネ部!:2020年8月
JBpress:2020年7月7日
ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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