2019
Oct
02
コモディティクラスへの投資について整理しておく
個人投資家が比較的低コストで「コモディティ」へ投資可能な投資信託(ファンド)※1が設定される時代になりました。
普通ではなかなか投資しづらい対象に、投資信託を通じて簡単に投資できる環境が整う(選択肢が増える)ことはよいことだと思います。
コモディティクラスへの投資について、私の個人的な考えを書いておきます。
普通ではなかなか投資しづらい対象に、投資信託を通じて簡単に投資できる環境が整う(選択肢が増える)ことはよいことだと思います。
コモディティクラスへの投資について、私の個人的な考えを書いておきます。
◎コモディティとは
そもそも普通に生活をしていると、「コモディティ」だなんて単語に触れ合うことは、あんまりないかもしれません。
コモドドラゴン(かわいいので閲覧推奨)が、友達から親しみを込めてつけられたチャーミングなあだ名のような響きがありますよね。コモディティの「ティー」の部分にスポーティーな趣きがあって、お茶目に反復横跳びをしたり、舌を出して俊敏に走り回るコモドドラゴン(閲覧推奨)を連想させます。
失礼!本題に戻りましょう。
ここでいう「コモディティ」とは、商品先物取引所で取引されている商品のことです。
つまり、原油や天然ガスなどのエネルギー資源、金・銀・プラチナなどの貴金属やアルミなどの工業用金属、トウモロコシや大豆などの穀物、牛や豚などの家畜、そのような実物資産のことですね。いわゆる「さきものとりひき」の対象物です。
◎コモディティ投資の問題点
コモディティは、株式や債券のように配当や利子がなく、基本的には需給によって価格変動するだけのゼロサム(誰かの得は誰かの損)の投資対象です。
投資信託やETFを通じてコモディティ投資を行ってそれを持ち続ける場合、そのコスト構造や手数料を考慮すると、期待リターンはプラスどころかマイナスだと認識しておいた方がよいでしょう。
また、ちょっと、いや、かなりマニアックな話になりますが、先物取引を駆使して行われるコモディティの運用では、限月間価格差の影響で、平常時は減価していく性質(コンタンゴ)があることも知っておいたほうがいいでしょう。
利益を得るためには、機動的な売買やリバランス※2を必要とするので、「ほったらかしスタイル」の投資にはあまり向いていないと思います。私も投資していません。
しかしながら、需給動向を先読みできる「目」を持っていたり、手間をいとわずにリバランス等ができるのであれば、その分散効果を否定できるものではないと考えています。むしろ、その値動きのダイナミックさや他の資産との相関係数の低さは、なかなか魅力的です。リバランス時の高値売りの安値買い効果はバカにできなさそう、、なーんて不純な考えも、私はちょこっと持っています(ただし、商品指数に丸ごと投資してしまうと、値動きが緩やかになってしまう点には留意)。
◎実は以前に・・
私は以前に当ブログで、アセットアロケーションやポートフォリオの理想と現実という記事を書いたことがあります。
その記事では、
「もしも仮に、自分の理想の個別商品で希望通りにアセットアロケーション(資産配分)を組んでくれて、かつ自動買付・自動リバランスを行ってくれる低コストのシステム(バランスファンド?)があったとしたら、どのように配分するだろうか」
と妄想して、ゴチャゴチャ考えた結果、コモディティクラスも5%ほど組み入れるアセットアロケーションを理想として掲げました(該当記事)。
自分の手や頭を煩わせずに自動メンテナンスをしてくれるのであれば、実は私も「スパイスとして、コモディティクラスにも投資してみたい」と考えているのです。
◎ゴチャゴチャやっても、たぶんeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)には勝てない
しかしながら、実際には手間や最終的な投資パフォーマンスに与えるであろう影響を勘案して、コモディティクラスへの投資は見送っているのが現状です。株式の中にもコモディティの要素は含まれているだろうとも思っています。
コモディティへの投資に限らず、株だの債券だのリートだのと、なんだかんだ比率やアセットクラスを考えて、ゴチャゴチャ売り買いしても、長期的(20年以上くらい?)に見れば、「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」や「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」などのようなファンドを地蔵のようにじっと持ち続けている投資家に勝てる可能性は低そうだ、と考えてもいます。
参考関連記事→eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)について
参考関連記事→セゾン投信を投資初心者にオススメする理由
コモディティクラスへの投資が可能なファンドとしては、三菱UFJ投信の「eMAXISプラス コモディティインデックス」あたりがすぐに頭に思い浮かびますが、実際には「分かっているマニア系」のみが扱える商品なのかなぁ、と思っています。
・・初心者は手を出さないほうがいいかも。
※1 参考記事→投資信託とは・・
※2 リバランスとは、一定の期間(や乖離率)ごとに、最初に決めたアセットアロケーション(資産配分)比率より上がっているもの(アセット)は売却(利食い)し、下がっているものは買い増(逆張り)して元に戻すこと。主目的はリスクコントロールですが、株価や債券価格や為替などの上下循環(下がってもまた上がる・上がってもまた下がる)を前提とすれば、長期的には高パフォーマンスに寄与します(参考:上げ相場でリバランス売りをしといてよかった)。

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