2015
May
09
投資信託とは・・【いまさら聞けない投資信託シリーズ・その1】
たまにメールフォームを通じて、「そもそも投資信託ってなんですか? 株とは違うのですか? どこで売ってるんですか??」みたいな質問をいただくことがあります。
以前に、「投資初心者が投資信託に持つ疑問」という記事シリーズを書いたことがありましたが、甘かった。。もっと遡って、まずは「投資信託とはなにか」について書いておくべきでした。
質問を無視するのも失礼ですし、かといって毎回回答するのも大変です。
そこで今回は、「そもそも投資信託ってなによ?」というテーマで軽ぅ~く書いてみることにします。
そして、今後また同じような質問をいただいたら、「この記事を読んでね!」とリンク丸投げする予定です。
(以前に書いた「インデックス投資とは」と同じ執筆動機です。)
以前に、「投資初心者が投資信託に持つ疑問」という記事シリーズを書いたことがありましたが、甘かった。。もっと遡って、まずは「投資信託とはなにか」について書いておくべきでした。
質問を無視するのも失礼ですし、かといって毎回回答するのも大変です。
そこで今回は、「そもそも投資信託ってなによ?」というテーマで軽ぅ~く書いてみることにします。
そして、今後また同じような質問をいただいたら、「この記事を読んでね!」とリンク丸投げする予定です。
(以前に書いた「インデックス投資とは」と同じ執筆動機です。)
◎普通の人が資産形成を行うための最も現実的なツール
投資が趣味でも仕事でもない普通の人が、あまり手間をかけず、かといって保険会社に運用を任せるような非効率で高コスト※1ではない方法で資産形成を図ろうとする場合、現実的に最も利用しやすいツールが投資信託ではないでしょうか。
現役世代の給与所得者(主にサラリーマン)であれば、低コストの投資信託を毎月自動的にコツコツと積み立てる方法が、最も無難で長期的に見て成功確率が高いように思います。
企業分析をして経済動向を判断しながら行う個別株式の売買や、1日中パソコンの前に座っていないとできないような投資方法は、資産形成の手段として普通の人にはハードルが高いでしょう。
※それができる優秀な人や、時間のある人もいるでしょうが、ここでは多数派であろう「普通の人」を基準に書いています。また、趣味で投資を行う人もいるでしょうが、それはそれでよいと思います(いつか私もやりたい)。ただ、多数派ではないだろうと考えているだけです。
◎投資信託とは
さて、本題。
投資信託(ファンド)とは、投資家からお金を集め、それを専門家が株式や債券など※2で運用する金融商品です※3。
まとまったお金がないと買えないような多くの株式や債券などがパッケージ化されており、それを少額で(1万円程度から※4)買い付けできる、とても便利なツールです。専門家(ファンドマネージャー)が運用してくれて、うまくいけば、投資額に応じた利益が還元(分配)されます。
元本保証はありませんが、投資信託を買った販売会社(銀行や証券会社)、それを運用している運用会社(投資信託会社)、保管している管理会社(信託銀行)のどれが破綻しても、資産としての時価は保全される仕組みになっています※5。銀行預金における「ペイオフ1000万円」のような上限もありません。
(参考記事→元本保証なしって?)
(参考記事→投資信託を販売している証券会社や銀行が破綻したら?)
日本の投資信託はもともと、戦前の戦費調達や、戦後の株価対策などの道具として作られた歴史があるらしいのですが、現在では普通の人の資産形成に欠かせないものになっています。
例えば、国内株式・国内債券・外国株式・外国債券の「基本4資産」と呼ばれるものの平均値に投資できる投資信託を均等に保有していれば、過去のデータを見る限りにおいては、短期的には3割ほどマイナスになることはあるものの、20年以上の期間だと必ずプラスリターンになっています。
長期にわたって、低コストの商品に、分散投資をするなら、という前提条件はありますが、投資信託は普通の人にとって便利で有用な金融商品だといえるでしょう。
もちろん、必ず儲かる保証はありませんが、多くの国や銘柄に投資できるので、その分散効果によって個別企業の倒産リスク(信用リスク)なども非常に小さくなります。アップルやグーグル、コカ・コーラやP&Gといったような世界の超優良企業のほぼすべてに一本の投資信託を通じて投資することで「世界制覇」状態にすることも簡単です。
◎確定拠出年金(日本版401k・DC制度)でも・・
また近年、企業型の確定拠出年金に加入する人の割合が増えてきています。勤務先の会社がこの制度を取り入れたら、自分の意志とは関係なく、必ず利用する(なんらかの金融商品を選ばなければならない)ことになります。
企業型確定拠出年金とは、簡単に言うと老後資金の自己責任運用制度、いやもっと簡単に言えば退職金の運用方法を自分で決める制度ですが、そこでも投資信託の知識は必須になってきます。自分と家族の将来とマネープランを考えるうえで、「よく分からない」では済まされない人ばかりのはずです。
投資信託選びの基礎知識と、ある程度のマネーリテラシーが身につけば、個人型の確定拠出年金(iDeCo・イデコ)を利用して、その税制メリットをフルに享受することが可能になる人も多いでしょう。
◎投資信託にも色々あるけど、まともなものは少ない
日本国内だけでも約5000本もある投資信託ですが、資産形成のために買うに値するものは全体の1%くらいだと思います。残念ながら、およそ99%はボッタクリのダメ商品です。
複雑で高コストな投資信託や、長期的な資産形成には適さない毎月分配型の投資信託ばかりなのが実情です。また、さらに残念なことに、販売会社が必死にそういうダメ商品ばかりを売りつけていることと、買い手のマネーリテラシー不足で、そのようなダメ商品がかなり売れているのも事実です。
(参考記事→毎月分配型の投資信託について ~資産形成層には非効率的~)
(参考記事→銀行の営業が親戚のおばさんに、ボッタクリの投資信託を…)
そして当然、買うに値するわずかな投資信託のなかにも色々なものがあります。
国内株式・国内債券・国内不動産・海外先進国株式・海外先進国債券・海外先進国不動産・海外新興国株式・海外新興国債券・海外新興国不動産・コモディティなど、様々なアセットに投資するものがあり、他にもそれらを織り交ぜて一つの投資信託にパッケージ化している場合もあります。
また、運用スタイルにも、市場の平均値と同じ動きを目指すインデックス型と、市場の平均値を上回ることを目指すアクティブ型の投資信託があったりと、まぁ、色々とあるわけです。
私の投資判断が正解というワケではありませんが、私がどのような投資スタンスで、どのような投資商品を選んでいるのかにご興味があれば、以下の記事をご参照ください。
(参考記事→なぜインデックス投資を選んだのか)
(参考記事→私のアセットアロケーション)
◎積立投資・一括投資・積立停止・部分解約・全解約どれも自由
たまに投資信託の積み立てを、生命保険の保険料の支払いのように勘違いしている人がいます。つまり、途中で積み立てを停止すると、その投資信託を全額解約しなければならないと思っている人がいるのですが、そんなことはありません。
投資信託は、途中で支払いを止めて保有し続けることもできますし、必要な資金だけを部分解約することもできます。当然また積立を再開することもできます。
価格の変動はありますが、早期解約によって投資元本が大きく減るような生命保険でいうところの「解約返戻金」みたいなシステムはありません。
ただし、ATMから直接引き出すようなことはできません。一旦解約(換金)して、その資金が銀行に振り込まれてからの引き出しになります(だいたい1週間くらいかかる)。
さて、投信信託は、どこで買うものなのかについては、次回に譲ることにします。
つづく
投資信託の購入・保有・売却コスト - 購入(販売)手数料は0円が基本へ
※1 保険会社にお金の運用を任せることの非効率を書いた記事
→マネープランの重要性(炸裂する生命保険屋の営業トーク)とその続編
※2 株式とは、企業に出資する(お金を出す)と得られるオーナーとしての権利で、保有していると(うまくいけば)配当や企業価値上昇などの恩恵を受けることができます。また、債券とは、国・自治体・企業などにお金を貸すともらえる借用書みたいなもので、定期的に利子を受け取る権利と、満期にお金も返してもらうことを約束したものです。どちらも有価証券(財産的価値を占める紙面←現在は電子化)であり、売買が可能です。しかし、損失を被る(約束を破られる)こともあり、最悪の場合には紙切れになってしまう(無価値になってしまう)可能性もあります。
※3 普通の個人投資家が金融機関を通じて購入できる「いわゆる普通の投資信託」は、公募投資信託といって、法律による一定の制限とセーフティネットが設けられています。なので、一時期世間を騒がせた「村上ファンド」のような私募投資信託とは違います。当然のことながら、このブログでいうところの「投資信託」は公募投資信託になります。
※4 積立方式(毎月の定額買い付け)であれば、100円から購入できるものもあります。
※5 実際には、販売会社・運用会社・信託銀行のいずれか(もしくはすべて)がヤラれるような状況なら、損益状況もかなりヤバいと思いますが、ルール上・仕組み上は、守られるようになっています。ただし、時価は保全されても償還(強制換金・返金)される可能性は高いと思います。
※投資は自己責任で!

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