2015
May
05
強敵ババアの暴走【席替え・私の武勇伝シリーズ・その3-3】
前回の記事(強敵ババアの秘策)の続き
小学校3年生のとき、超問題児だった私を押さえ込むために送り込まれてきた人格破綻者のオバタリアン教員は、「席替え」の際、クラスの生徒全員に「隣の席になりたい好きな異性の名前」を書くことを強要してきました。
席替えは、学校生活において最も刺激的なイベントのひとつです。特に自分の隣に座ることになる「異性」が誰になるのかは、小学生にとって最重要関心事でした。
「好きな子」の隣になれる可能性に胸を躍らせた私を含むクラスメイトのほぼ全員が、正直に「好きな人」を書いてしまい、オバタリアンに弱味を握られることになりました。
オバタリアンは、「神に誓って秘密は守る」と断言していましたが・・・
小学校3年生のとき、超問題児だった私を押さえ込むために送り込まれてきた人格破綻者のオバタリアン教員は、「席替え」の際、クラスの生徒全員に「隣の席になりたい好きな異性の名前」を書くことを強要してきました。
席替えは、学校生活において最も刺激的なイベントのひとつです。特に自分の隣に座ることになる「異性」が誰になるのかは、小学生にとって最重要関心事でした。
「好きな子」の隣になれる可能性に胸を躍らせた私を含むクラスメイトのほぼ全員が、正直に「好きな人」を書いてしまい、オバタリアンに弱味を握られることになりました。
オバタリアンは、「神に誓って秘密は守る」と断言していましたが・・・
◎なんと、好きな子の隣に!!!
席替え当日。
オバタリアンが「みんなの希望」を取り入れた新たな座席表を黒板に貼り出しました。
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
なんと私の希望は叶い、座席表の私の隣には「好きな女の子」の名前が書かれていました。
小柄で目が大きくてクリッとした、ちょっと控えめな女の子です。その子が、人気上位ランカーであったことは間違いありません。
ん、ちょっと待てよ。
そのとき私は、ふと我に返りました。
その女の子が、クラス中の嫌われ者だった私の名前を「席替え希望用紙」に書いた可能性は0パーセントです。
ということは、人気上位にランカーであるその子と私が隣になっている事実は、すなわち私がその子の名前を書いたということであり、公開告白の様相を呈しているのです。
しかし、オバタリアンは、
「先生も考えに考えを重ねた結果、この座席表にしたので、必ずしも隣の子が自分の名前を書いたわけではありませんからね。実はむしろ、そうでないことが多くなってしまいました」
とフォローしてくれました。
あれ?もしかして、このオバタリアン、ほんとはいいヤツなのか?
私は、そのように思いました。
◎暴走する強敵ババア
しかし、オバタリアンが次に口にした言葉を聞き、一瞬でもオバタリアンを過大評価した己の愚かさを恥じました。
「でも、みなさん、いいですか。これから先生の言うことを聞かない人がいたら、好きな人をバラしますからね」
オバタリアンのこの言葉にクラス中が凍りつきました。
つい前日に、「神に誓って秘密は守る」と公言していた大人、しかも教師という聖職者の言葉とは思えませんでした。
いつもなら、「先生は嘘つきだ!」などと言って猛然と反発したであろう私も、「好きな人情報」という決定的な弱味を握られているので、どうすることもできません。
その日の放課後、私はオバタリアンに呼ばれ、
「虫とり小僧くん。分かってるわね。今後少しでも生意気なことをしたら、あなたが○○さんのことを好きだってこと、学年中に知らせますからね」
と、冷笑を浮かべながら恫喝されました。
しかし、先生の言うことさえキチンと聞いていれば、さすがに秘密をバラすことなんてしないだろうと思っていました。問題児をコントロールするために、弱味を握って指導に活かすなら、それは考えようによっては見事な手腕です。
・・・いや・・・甘かったです。
自分の欲望をコントロールできない人格破綻者オバタリアンは、我慢できなかったのか、徐々に「秘密」をもらし始めました。
動機はおそらく、ただしゃべりたかっただけでしょう。
給食の時間や掃除の時間に、「そういえば○○くんは、○○さんのことが好きなのよね!」「○○さん、あなた○○くんの名前書いてたわよねー」などと、全く問題のない生徒たちの秘密を次々と暴露してしまうのです。私たちは子供ながら、「神に誓う」という言葉がいかに軽いものであるかを学びました。
◎ついに私も・・・
そして、私にもその日がやってきました。
給食の時間、同じ給食班でテーブルをくっつけているとき、必然的に私はその好きだった女の子と向かい合って給食を食べることになります。
そのとき、オバタリアンが近づいてきて、何の前触れもなく、
「そういえば、虫とり小僧くんは、○○さんのこと好きなのよねー!でも、○○さんは虫とり小僧くんじゃなくて、××くんが好きなのよねー」
と言いました。
その子(〇〇さん)は私の目の前にいます。
私はどうしていいのか分からず、気づいたら、
「そうだよ。俺はオメーのこと、好きだったんだよ!だけど、今は違うけどなっ!」
と人生初の告白をし、そして、その子の机を思いっきり蹴っ飛ばしていました。
机の上の給食が飛び散り、私の淡い恋も飛び散りました。
たしか、ひと月もしないうちにクラス全員の秘密が公開情報となってしまいました。
弱味がなくなった私のいたずらが、その後大きくエスカレートしたことはいうまでもありません。
いま思い返しても、アッパレな先生でした。
彼女の教育に計画性や思いやりがあったとは全く思いませんが、「世の中は理不尽なものである」という真理を学ばせてくれたことと、同窓会のときに盛り上がる鉄板ネタを提供してくれたという点において、とても感謝しています。

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