いつか子供に伝えたいお金の話

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持ち家か賃貸か…住宅について自分の考えを整理しておく(その2・それでも家を買った理由)

前回の記事(持ち家か賃貸か…住宅について自分の考えを整理しておく・その1)の続き


各人の置かれた状況や価値観によって、どちらがよいのかはなんとも言えない「持ち家か賃貸か」というテーマですが、前回は主に「持ち家のリスク」についてゴチャゴチャと書きました。

人生の各ステージや状況によって住み替えが容易である「賃貸」の方が、間違いなく自由度は高く、身の丈にあった住居を選択すれば、金銭的にも「持ち家」よりも有利である可能性が高そうなので、私は賃貸派でいこうと決めていました。

もちろん、すべてのパターンで賃貸が有利になるわけではありませんが、長期のローン返済に縛られて生きるよりも、私は自由度を重視し、大きなリスクを背負うことを避けようとしたわけです。

しかし、私は現在、家族と一緒に「持ち家」に住んでいます。

なぜ、そうなったのか。。



◎妻の意見は・・


我が家では、お金関連のことについて、基本的には妻ではなく私が実権を握っています。
当然、住居についても「ウチはずっと賃貸でいくぞ!」と宣言していました。

しかし、だからといって、妻の意見や考えを聞かないとういワケではありません。
私の考えを基本的な「叩き台」にして、お互いによく話し合うようにしています。

住居に関する妻の意見は、「一生賃貸でいくというなら、それに従うけど、どうしたいのかと聞かれれば、家族で持ち家に住みたい」というものでした。

なるほど、分かり易い意見です。
金銭的に有利になる確率とか、自由度だとか、そんなことはよく分からないけど、できればマイホームが欲しい。それに、今のようにアパートの住人に気を遣って、暴れまわる子供たちを注意するのは疲れるし、子供もかわいそうだ、とのこと。
ふむ、よく分かります。私の子供なら、意味不明な奇声を発しながら、全裸でドタバタと走り回り、近所に迷惑をかけるのはのは当たり前です(参考記事→私の武勇伝)。

結婚して家族と共に生きていくという選択をした以上、自分の考えだけを貫き通すワケにはいきません。
無謀な住宅ローンを組んだあとで、給料が減って返済に行き詰まり、破産して家族を路頭に迷わせるのは論外ながらも、家族全員の幸せと現実的なマネープランの最大公約数を見つける必要はあります。

妻は私が一生の賃貸住まいを決めれば、黙ってそれに従うでしょうが、一方で「ホントは持ち家が良かったのに・・」という感情を生涯持ち続けることになるでしょう。

人間は感情の生き物です。
妻に一生「ホントは持ち家が良かったのに・・」と思わせ続けることが、家族の幸せに直結するとは考えにくい。たしかに、こういうことは理屈じゃないのです。

また、私も「絶対に賃貸にしたい!」というほど、強烈なこだわりがあったワケではありません。
「持ち家」と「賃貸」のどちらがいいのかを、経済合理性やリスク回避の観点から判断しただけです。

人間、どうせいつか死んで終わるのです。
持ち家リスクを理解したうえで、マイホームを持って、家族と楽しく暮らすのも悪くはありません。



◎もしも家を買うなら・・


そこで、仮に隣に変態が引っ越してくるようなことになっても、妻のせいにして、「だから言っただろ!」というようなことにはせず、私自身の決断責任として受け入れるために、もしも住宅を購入するならどのような物件がいいのか、を試しに考えてみました。

・売ろう(貸そう)と思ったときに簡単に買い手(借り手)が見つかりそうな物件
・なるべく安く購入できる物件


大原則としては、その2点くらいのものでした。
そうすると、駅から近くて、築年数の浅い中古物件がいいような気がしてきました。
新築物件だと購入価格に販売側の利益が3割ほど乗っかっていることが多いなどと聞きますが、中古物件であれば、仲介手数料はあるものの、物件の実態価格で購入できる可能性が高まり、消費税もかかりません。

そして、その2つの原則を軸に、私と妻の希望条件(わがまま)を列挙してみました。

・なるべく今の住まいの近く(職場と近いから)
・自動車のナンバーの地名がカッコいいから○○市
・築10年以内
・最寄り駅から徒歩10分以内
・駐車スペース2台分(やや郊外のため)
・うるさいところはイヤだ
・車がたくさん通る大通り沿いもイヤだ
・防災ハザードマップで問題のないところ
・キッチンは対面式
・多くの人との共有財産ってのがメンドくさそうだし、子供が暴れてうるさいから、できればマンションより戸建て

ざっと思い出せる範囲だと、上記の10個くらいを条件にアンテナを張ることにしたのですが、妻から出た条件は「対面キッチン」だけでした。なんと、つつましい妻でしょう。
実際、この段階では私の方がノリノリになっていました。。

一生賃貸住宅でもいいのだから、条件に合わなければ買わなければいい、という前提があったので、非常に気楽に「持ち家」の検討ができました。急ぐ必要性も全くありませんでした。

ネタのために新築物件の見学に行ったりもしましたが、ベラボーな販売価格、家賃並みのマンション管理費用等、見通しの甘すぎる住宅ローン計画などに驚き、売りたいオーラが毛穴から滲み出ている営業マンのレクチャーに疲れただけでした。



◎幸運が重なり、なんと家を買うことに・・


のびんしていたのが良かったのでしょうか。
検討を始めて半年くらいで、すべての条件に合致する築6年くらいの中古戸建て物件が見つかりました。パッと見たところ、「新築に見えなくもない」くらいの状態でした。

その物件、どうやら住人が住宅ローン破産し、任意売却しようとしていたようです(持家リスク炸裂!)。

私はあの手この手で、それが筋の悪い物件ではないことを確認し、新築時の販売価格を調べ、役所の歴史資料課のようなところに赴いて明治時代の地形図で過去の土地利用を調査し、ストーカーのように念入りに朝・昼・夜の騒音や人通りなどを調べました。
そうすると、先ほど列挙した10個の条件以外にも、病院・スーパーマーケット・公園・学校までの距離なども納得できるレベルの物件であることも分かりました。

そして、偶然そのとき、関東のある地域で科学的・統計的根拠の薄い風評が沸き起こっていて、住宅の買い手が極端に減り、通常相場よりも大幅に安い価格で売りに出されていました(現在は風評が沈静化し、不動産売り出し価格上昇中)。

しかし、それでも本当に有利な価格なら、一般人が買う前に不動産屋が買って、それに利益を乗せてから一般人に売るはずです。

私はハゲタカのごとく、さらに数百万円の値引き価格を提示し、それなら買ってもよいと強気で交渉してみました。不動産屋は「そ、それは、不動産屋同士の売買価格ですよっ!」と困っていましたが、私は「競売価格よりはマシでしょう。ホントは家なんて買わなくてもいいんですよ、ウチは」と、ゴリ押ししました。

強気な態度で交渉に臨めたのも、「基本的には一生賃貸でもかまわない」という前提があったからです。

その価格は、私がインデックス投資などでコツコツと増やしてきた金融資産で一括購入しようと思えばできるレベルの金額でした(※インデックス投資とは)。
結局、その時期は、運よく私以外に買い手が現れず、驚くほど安い価格で「持ち家」を購入することができました。

住居引渡しの時期が当初の約束通りにいかなかったので、引越し費用の値上がり分や住んでいた賃貸住宅の契約更新コスト、さらに町会費までもを相手方の不動産屋に請求して負担させるハイエナぶりも発揮しました。

と、いう流れで、私は「持ち家」を購入し、とても満足して家族と楽しく暮らしています。
今のところ、「買ってよかった」とも思っています。う~ん、やっぱり、マイホームや!



◎賃貸の方が無難であるという考えは変わらない


しかしながら、私は色々と運が良かっただけです。
私のパターンは一般化できないですし、当然、これから先のことは分かりません。後悔する日が来ないとも言えません。

依然として私は、前回の記事でクドクドと書いたような「持ち家リスク」を背負っており、この先もそれなりに制約を受けながら、4枚の大陸プレートがぶつかり合うこの地震大国・日本で「持ち家」を所有して生きていくことになります。

私が「持ち家」を購入して良かった!と断言するには、この先引越しが必要とならず、近所にヘンな人や「敵」が居住せず、私や子供がもうそこには住めないような悪さをやらかさず、保険で対応できないような災害には見舞われず、最寄り駅を通っている電車が廃線なったりせず、住んでいる地域に土壌汚染や大気汚染などが発生せず、住んでいる自治体の財政が破綻せず、家に大きなボロが出ないままに30~40年が過ぎた後のことです。
30~40年、、、あまりにも先のことすぎて全く予測できません。

やはり、住居は「持ち家」よりも「賃貸」の方がリスクは低くて、自由度は高く、経済合理的であるという認識は変わりませぬ。。


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
東証マネ部!:2020年8月
JBpress:2020年7月7日
ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
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週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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