2015
Feb
14
持ち家か賃貸か…住宅について自分の考えを整理しておく(その1・持ち家リスクと賃貸の自由度)
住宅の「持ち家か賃貸か」という話題は、投資なんかよりもはるかに一般的な「お金の話」です。
先日、メールフォームを通じて、「虫とりさんの“持ち家と賃貸”に関する考えを聞きたいです」とのリクエストをいただいたので、お金に関するブロガーの端くれとして、そろそろこのテーマについても自分の考えを書いておくことにします。
とは言っても、私のごときエテ公が、この「神学論争」とも呼ばれるようなテーマについて、特別なことを書けるはずもありません。
あくまでも個人的な立場の、主観的な考えを整理するだけです。
もう今から10年くらい前になりますが、投資や保険など「お金」のことについて真剣に勉強しはじめた頃、当然私は「住宅」についても真剣に色々と調べて、ゴチャゴチャと考えました。
その結果、自由度・リスク回避・経済合理性を重視して、住宅はずっと「賃貸」でいこう、と決めました。
仮に生涯のいつか持ち家に住むとしても、リタイヤ後に夫婦二人で暮らせる小さな「終の棲家」を余裕資金で買うとか、親の住居をもらってリフォームするとか、そんなカンジにしようと考えていました。
ところが、現在、私は「持ち家」に住んでいます。
先日、メールフォームを通じて、「虫とりさんの“持ち家と賃貸”に関する考えを聞きたいです」とのリクエストをいただいたので、お金に関するブロガーの端くれとして、そろそろこのテーマについても自分の考えを書いておくことにします。
とは言っても、私のごときエテ公が、この「神学論争」とも呼ばれるようなテーマについて、特別なことを書けるはずもありません。
あくまでも個人的な立場の、主観的な考えを整理するだけです。
もう今から10年くらい前になりますが、投資や保険など「お金」のことについて真剣に勉強しはじめた頃、当然私は「住宅」についても真剣に色々と調べて、ゴチャゴチャと考えました。
その結果、自由度・リスク回避・経済合理性を重視して、住宅はずっと「賃貸」でいこう、と決めました。
仮に生涯のいつか持ち家に住むとしても、リタイヤ後に夫婦二人で暮らせる小さな「終の棲家」を余裕資金で買うとか、親の住居をもらってリフォームするとか、そんなカンジにしようと考えていました。
ところが、現在、私は「持ち家」に住んでいます。
◎自由度では圧倒的に賃貸
収入、仕事の安定度、40年も50年も同じ家に住み続けることができるか、そして価値観や家族の意向など、各人の状況によって「持ち家」と「賃貸」のどちらがいいのかは、なんとも言えません。
ただし、分に応じた住み替えを前提とすれば、長期住宅ローンを組んで「持ち家」を購入するよりは、「賃貸」でいる方が経済合理的に生きられる可能性が高いだろうと思っています。
ましてや私の場合、賃貸住宅に住んでいる場合にのみ一定額の「住宅手当」が支給され続ける給与体系だったので、マネープランだけで考えると賃貸の圧勝でした。
(住宅ローン金利分の費用を支払わずにリスク資産で運用(インデックス投資)した場合なども考慮しています。)
※参考記事→インデックス投資とは
よく、「持ち家は自分の資産だけど、賃貸は家賃を捨てているようなもの」という謳い文句から住宅の販売を勧めるパターンがありますが、アレはあくまでも売り手が住宅を売って儲けるための営業トークです。
その「家」という資産を手に入れるために、どれだけの借金をして、どれだけの金利を支払い、どれだけの固定資産税・都市計画税・火災保険料や地震保険料・修繕費・管理費などを支払うのか、買い手はシビアに考慮する必要があります。
そして一番考えるべきことは、「持ち家」によって、どれだけの自由度を犠牲にすることになるのか、です。
普通の人にとっては超高額な買い物である「住宅」を購入したあと、一度でも引越しをすれば「賃貸」のみで一生を過ごすパターンよりもお金の面では不利になることが多いでしょう。
隣の家に毎晩夜中になるとピッタリしたブリーフ一丁になって大声で喚き散らすアルコール中毒のオヤジがいても、遠隔地に転勤になっても、リストラされたり減給されたりしても、同じマンションの住人の中に管理費と修繕費積立金を支払わない輩が多数出現しても、四つ子が生まれても、一度買った「持ち家」を「賃貸」よりも金銭的に有利にするためには、引っ越してはなりません。
賃貸住宅であれば、隣に変態がいたら、引越しすればよいのです。
賃貸住宅であれば、収入が減ったら、家賃の安いところに引越しすればよいのです。
賃貸住宅であれば、子供が独立したあとは、夫婦二人で住めるサイズの家に引越しすればよいのです。
引越し費用はかかりますが、(ローンを残して)購入価格よりも安い金額で持ち家を売却したり、煩雑な手続きと管理コストを負担して持ち家を他人に貸し出したりするよりは、はるかに簡単で低コストです。賃貸住宅であれば、自由に動きやすいのです。
◎甘い見通しで「持ち家」を選択するのはハイリスク
将来の収入増を前提にして、(さらに最初のキャンペーン金利にダマされて)多額の住宅ローンをいつ上昇するのか分からない変動金利で借りることは、かなりハイリスクなギャンブルだといわざるを得ません。
ホントに、この先も給料は増え続けるの?金利は絶対に上昇しないの??って話です。
そのリスクたるやインデックス投資どころの騒ぎではないでしょう。
たいていの人は自分の資産のアセットアロケーション(資産配分)のほとんどが、国内不動産に集中することになるのではないでしょうか。
※参考記事→アセットアロケーションの決め方シリーズまとめ
もちろん、隣に変態が住んでいたり、リストラされるような可能性は高くはないでしょうが、「持ち家を購入する」ということはそういうことがあっても簡単には引越しや売却はできない、と覚悟することでもあります。
また、一方でそのような覚悟ができて、必ずしも「持ち家」のほうが「賃貸」よりも金銭的に有利になるとは限らないと理解したうえで、家を購入するのであれば、それはそれでなんら問題ないでしょう。持ち家のほうが有利になるケースだってもちろんあります。
ただし、そういう持ち家リスク(不確実性)を理解しないまま、住宅を購入し、ローンの返済に行き詰まって破産する人が少なくないようなので、できれば購入する前に「持ち家リスク」を理解したいものです。
投資についても、大勝ちすることよりも、負けにくいことを重視する私としては、住宅についても同じような考えから、「賃貸」を選ぼうと決めていました。
ところが、冒頭に書いたように私は現在、家族と一緒に「持ち家」に住んでいます。
次回は、なぜ私が持ち家に住むことになったのか、そして、どんな住宅をどのように購入したのかについて書くことにします。
つづく
持ち家か賃貸か…住宅について自分の考えを整理しておく(その2・それでも家を買った理由)へ
※地震や火事に対しても、一応保険で備えられるものの、その金銭的リスクは「持ち家」よりも、「賃貸」の方が小さいでしょう。ただまぁ、家がヤラれてしまうような災害であれば、どちらかというと「住居」よりも「命」の問題になってくるので、あんまり事前に気にしても仕方ないですが・・
また、今回の記事では、購入後の住居価格の大きな値上がりを見込むバブル期のようなレアケースは除外しています。そんなケースを前提に住宅購入を決めるのはあまりにもハイリスクですし、一般的ではないと考えるからです。

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