2015
Jan
17
毎月分配型の投資信託について ~資産形成層には非効率的~
「毎月分配型の投資信託」とは、毎月自動的に純資産を取り崩して部分解約するシステムの投資信託です。
純資産を取り崩して分配金にあてた分は、その投資信託の「基準価額の下落」というカタチで確実に表れます。
その投資信託で利益が出ていても、出ていなくても、毎月純資産を取り崩して分配金にあてるのです。
投資家にとっては、利益が出ていなければ、自分の投資した元本が払い戻されるだけです。また、利益が出ている場合は、現行の税制だと、利益から20%の税金が払い戻しの際に持っていかれます。
これは紛れもない事実です。
(図解付きの分かり易い参考記事→吊られた男の投資ブログ「分配金は部分解約と同じです」)
純資産を取り崩して分配金にあてた分は、その投資信託の「基準価額の下落」というカタチで確実に表れます。
その投資信託で利益が出ていても、出ていなくても、毎月純資産を取り崩して分配金にあてるのです。
投資家にとっては、利益が出ていなければ、自分の投資した元本が払い戻されるだけです。また、利益が出ている場合は、現行の税制だと、利益から20%の税金が払い戻しの際に持っていかれます。
これは紛れもない事実です。
(図解付きの分かり易い参考記事→吊られた男の投資ブログ「分配金は部分解約と同じです」)
◎明らかに非効率的
投資しているリスク資産の長期的な上昇を前提とし、20~30年後くらいを見据えて資産形成を行っている場合、毎月自動的に純資産を取り崩され、利益が出ているときは税金まで持っていかれるのは明らかに非効率的なので、それを選択することに経済合理性はありません。
投資信託からの投資対象が同じで、分配型と無分配型(なるべく分配しないタイプ)のものがあれば、無分配型を選んだほうが資産形成層にとって効率的なのは間違いないことです。
毎月分配型の投資信託から払いだされた分配金を毎月自動的に同じ投資信託に再投資するなんてことは、全く意味のない非効率的な投資行動でしょう(そのような「分配金再投資方式」で毎月分配型の投資信託を、よく分からないまま購入している人は多数いると思われます)。
◎まぁ、個人の自由だから・・
一方で、お金をなるべく効率的な場所に置きつつ、毎月使う分だけ自動的に解約したい(自動的に生活用の銀行口座に振り込まれるようにしたい)と考えている資産取り崩し世代などが、毎月分配型の投資信託を「分配金受取方式」で利用するならば、必ずしも極悪な商品(システム)ではないとも思っています。
本来であれば、毎月分配型ではないタイプの投資信託などを、必要なときに必要な分だけ自分で解約したほうが効率的ですが、そんなこたぁメンドクサイと思う人もいるでしょう。
ただ、その場合でも、払いだされた分配金を毎月キッチリ使い切らないとその意味が薄くなりますし、分配金の金額を自分では決められず、投資信託の運用サイドに任せるしかないという問題点は残ります。
(実は、毎月分配型以外の投資信託を毎月定額で解約するサービスなんかもネット証券にはあるんですけどね。。)
上記のようなことを理解したうえで、「理屈は分かっているけど、とにかくこの商品が欲しいんだ!」とか、「オレの前提は違う!」とかいうような理由で、毎月分配型の投資信託を買うのは各自の自由です。
また他にも、
・銀行や証券会社の窓口の人との会話以外に他人との交流がなく、寂しくて死にそうだ
・なるべく色んな金融商品を買って、販売会社や運用会社などを儲けさせ、そこの社員や株主に贅沢にお金を使わせて、景気高揚に間接的に貢献したい
・こまめに税金を払うことで己の愛国心を満たして、小鼻を膨らませたい
・毎月お小遣いが入ってくるような「錯覚」がたまらなく気持ちいい
と、いうようなことであれば、毎月分配型の投資信託を購入するのもアリだと思います。
まぁ、そもそもこの話は、似たような金融商品の中には、毎月分配金型の投資信託よりも理論的・効率的にマシな商品があるよ、という小さな世界の話であり、金融資産は預貯金しか持っていないような多くの人からしてみれば、大した違いではないのかもしれません。

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