2013
Feb
15
インデックス投資もけっこうアクティブ
前回の記事では、インデックス投資の基本のようなことに触れました。
しかしながら、実は、ひとくちにインデックス投資といっても、その細かい内容や実践方法は多岐に渡り、(安全資産を含む)資産配分や具体的な投資商品・方法が全く同じインデックス投資家はほとんどいないのです。
インデックス投資家に共通しているのは、様々な指数と同じ値動きをするよう設計された金融商品であるインデックスファンドやETF(上場投資信託)※1を利用して投資を行うことくらいです。
しかしながら、実は、ひとくちにインデックス投資といっても、その細かい内容や実践方法は多岐に渡り、(安全資産を含む)資産配分や具体的な投資商品・方法が全く同じインデックス投資家はほとんどいないのです。
インデックス投資家に共通しているのは、様々な指数と同じ値動きをするよう設計された金融商品であるインデックスファンドやETF(上場投資信託)※1を利用して投資を行うことくらいです。
◎草食系投資?
大儲けは狙わずに平均値を得ることで充分とされるため、「草食系投資」などと呼ばれることもあるインデックス投資ですが、平均値を得られるのは各アセット(国内株式・国内債券・外国株式・外国債券など)の指数ごとに限った話です。
つまり、各アセットクラスのインデックス商品をどのような割合で組み合わせるのか(アセットアロケーションやポートフォリオ)は、各投資家の考えに委ねられることになります。リバランス※2のタイミングや周期などについても、それぞれの考えがあるでしょう。
イグアナの模様が多様であるように、インデックス投資家も多様性に富んでいます(←ぜひ、リンク先をご覧ください)。
◎インデックス投資家にも色々いるよ
投資タイミングはどうするのか?預貯金やMRFなどの無リスク資産※3をどれくらい確保するのか?株式と債券の比率をどのようにするのか?株式や債券の国内外の比率はどのようにするのか?先進国と新興国の保有比率はどのようにするのか?そもそも外国債券は必要なのか?もう面倒くさいから、比率も含めてパッケージ化されたバランスファンドに任せるのか……
例えば、世界株式の比率ひとつをとっても、時価総額比率に基づいて保有するのか、GDP比率に基づいて保有するのか、その他の考えや想いを反映させて保有するのかなど、悩みどころは多くあります。
◎インデック投資家もけっこうアクティブ
おそらく多くのインデックス投資家は、このような悩みや考えを経た後に(経ながら?)、それぞれのアセットアロケーションと投資スタイルを確立していくのだと思います。
(その選択の結果として、将来のリターンに違いが出てくるはずですが、投資タイミングや取り崩しの時期なども含めたそのすべてを自己責任として受け入れられる人でないと、投資を継続するのは難しいかもしれません。)
だから私は、インデックス投資もけっこうアクティブなものであると考えているのです。
ただし、この事実を持って「インデックス商品を組み合わせている時点で、インデックス投資家もファンドマネージャーと同じだ。だったら、最初からプロの運用するアクティブファンドに丸投げするべきだ」というような意見をたまに目にしますが、これには賛成できません。意見の前半部分はある意味においてその通りなのですが、プロに任せれば上手くいくのかどうかは別問題だからです。
また、過去のデータから各アセットクラスのリスク(標準偏差)はほぼ分かっているので、ある程度のリスクコントロールが可能であり、低コストで幅広い分散投資ができる点で、投資が仕事でも趣味でもない普通の人にとってインデックス投資が実践しやすい投資方法であるという認識は変わりません(もちろん、その他の投資方法がダメというわけではありませんが)。
◎将来のことは分からないけど・・
今後、インフレになるのか、デフレが続くのか、円高になるのか、円安になるのか、景気は上昇するのか停滞するのか、先進国の覇権が続くのか新興国がそれにとって代わるのかなどを事前に予測し、ピタリと当てることは私には不可能です。
しかし、インフレに強いとされる株式、デフレや円高に強いとされる預貯金や国内債券、円安に強いとされる外国株式や外国債券など、様々な性質の資産を保有して、どんな状況になってもそれなりに対応できるようにすることはできる、と考えています。
※1 参考記事→ETFやETNを投資初心者にオススメしていない理由(「ETF」とは?「ETN」とは?)
※2 リバランスとは、一定の期間(や乖離率)ごとに、最初に決めたアセットアロケーション(資産配分)比率より上がっているもの(アセット)は売却(利食い)し、下がっているものは買い増(逆張り)して元に戻すこと。主目的はリスクコントロールですが、株価や債券価格や為替などの上下循環(下がってもまた上がる・上がってもまた下がる)を前提とすれば、長期的には高パフォーマンスに寄与します。
※3 無リスク資産が、本当に「無リスク」なのかという点について議論や考察の余地もあるとは思いますが、混乱を避けるため、ここでは預貯金やMMF・個人向け国債変動10などは無リスク資産ということにして話を進めています(参考記事→リスク資産と無リスク資産の色分け)。
【続編記事】→予測をしないインデックス投資家の予想【投資の前提(その1)】へ

↑記事を気に入っていただけたら、ランキングに1票(クリック)をお願いします。