2014
Oct
23
インデックス投資とは
「そもそも、インデックス投資ってなんなの?」という質問を、たまにメールフォームからいただきます。
たしかに、分かりやすく一つの記事まとめたことはないので、当ブログのメインキーワードである「インデックス投資」なる言葉を初めて聞いた人に「それはこういうモンですよ~」と、簡単に説明する記事を書いておこうと思います。
(そして今後は、質問者に「この記事を読んでね!」とリンク丸投げする予定です。)
たしかに、分かりやすく一つの記事まとめたことはないので、当ブログのメインキーワードである「インデックス投資」なる言葉を初めて聞いた人に「それはこういうモンですよ~」と、簡単に説明する記事を書いておこうと思います。
(そして今後は、質問者に「この記事を読んでね!」とリンク丸投げする予定です。)
◎インデックス投資とは(メリット・デメリットなど)
インデックス投資(パッシブ投資)とは、世界中の株式や債券などに分散投資をして、市場の平均値を得ようとする投資法です※1。
年金基金や生命保険会社などの機関投資家は当たり前に採用している投資方法なので、間接的にはほとんどの国民がインデックス投資をしているはずです。
長所は、手間がかからない・幅広く分散できる・低コストである・リスクをコントロールしやすい・誰にでも実践できて、素人でもプロと同等かそれ以上の結果を残せる、ってなトコでしょうか。
短所は、短期間で大きな利益は期待できない・面白みや刺激が少ない・指数に入っているすべての株式を買うため、ダメな企業の株式なども買い支えてしまう、ってなカンジでしょうか。
◎具体的には・・
もう少し具体的な話をすると、インデックス投資は、代表的な株価指数(インデックス=平均)である日経平均株価やTOPIX、アメリカのNYダウ平均やS&P500などと同じ値動きを目指す投資になります(債券市場などにも色々なインデックスがあります)。
しかし、だからといって、例えば日経平均に含まれるすべての銘柄を個別に購入するわけではなく、それらが全部パッケージ化されたインデックス型の投資信託※2(もしくはETF※3)を購入することで簡単に実践できます(月々500円からの投信自動積み立てに対応している証券会社もあります)。
ポイントは、国内株式・国内債券・外国株式・外国債券などの各資産(アセットクラス)を、どの程度の割合で保有するのかというところでしょうか。その保有比率や、そもそも自分の金融資産のうちどれくらいの金額を投資に割り当てるのかなどによって、インデックス投資家も様々なタイプに分かれることになります。
(参考記事→インデックス投資もけっこうアクティブ)
と、こんな話を始めてしまうと、なんだかずいぶんと難しいことに聞こえてくるかもしれませんが、例えば、当ブログで何度か紹介しているセゾン投信の「セゾン・グローバルバランスファンド」だけを毎月5000円ずつ自動積み立てしていたら、それだけで立派な「世界中の株式や債券に分散投資をしているインデックス投資家」です。おそらく数十年続けていれば世界中の半数以上の投資家よりも高パフォーマンスを残している可能性が高いでしょう(ひょっとしたら、マニアックなブロガーよりも高パフォーマンスになるかも・・)。
(参考記事→セゾン投信を投資初心者にオススメする理由)
※インデックス投資がマイナーなのは、それを実践するためのインデックスファンドやETFが、金融機関にとって儲けの少ない商品だからかもしれません。買い手にとって低コストな良品であるということは、売り手にとっては利幅の少ない商品ということですから・・
◎インデックス投資を実践するなら
もしも資産形成のためにインデックス投資を実践するなら、自分で資産配分(アセットアロケーションやポーフォリオ※4)を考えてアセットクラス別の投資信託(もしくはETF)を組み合わせるのか、多くのアセットクラスが一定の比率でパッケージ化されているバランス型の投資信託(バランスファンド)を一本買うだけで済ませるのかなど、最初に決めなければならないことはいくつかありますが、このあたりのことは、以前にクドクドとシリーズ記事にしたことがあるので、ご興味があればそちらをご参照ください。
(参考記事→そもそも投資信託とはなにか?)
(参考記事→アセットアロケーションの決め方シリーズまとめ)
預貯金外にお金の置き場を知らなかった人にとって、株式や債券などの「リスク資産」に投資を行うことはかなりのハードルになると思いますが、その中ではインデックス投資はもっとも草食系で手間のかからないものだといわれています。仕事やプライベートの時間を侵食することなく、簡単に実践できるからでしょう。
過去のデータを見ると、世界中の株式と債券をその時価総額比(最もメジャーな分散度合い)で半分くらいずつ持ち続けていれば、年率平均で7%以上のリターンがあったことも事実です※5。
ただし、あくまでも長い目で見て平均的にはそのようなリターンがあったということなので、短期的には、投資元本が半分以下になるような事態も起こりえます。10年以上続けていれば、元本割れする可能性は低いでしょうが、リスク資産に投資を行うならば、そのような(元本割れの)覚悟も必要になってくるでしょう。投資をするからには、ある程度「腹の括り」も必要です。
また、仮に証券会社が破綻した場合に、預けてある自分の資産がどうなるのかなど、最悪の状況を考えてみることも必要かもしれません。
(参考記事→投資信託を販売している証券会社や銀行が破綻したら?)
(参考記事→最悪の状況をどこまで想定するのか)
◎私も最初は緊張しながら、おそるおそる始めました
実際に預貯金しか知らなかった私が、投資を始めることになったきっかけや、なぜ資産形成の手段にインデックス投資を選択したのか、そもそもなんで投資をしているのか、などについても当時(約9年前)の感情を思い出しながら記事にしたことがあります(ご興味や不安のある方の参考になれば幸いです。)
(参考記事→投資を始めたきっかけシリーズ【全4回】)
(参考記事→なぜインデックス投資を選んだのか【全2回】)
(参考記事→なぜ投資(資産運用)をするのか)
もちろん、自分の「虎の子」をリスク資産に投じるのであれば、それなりの勝算というか、長期的にみてプラスになる可能性が高いだろうという見込みも必要になります。例えば「資本主義は崩壊しないだろう」だとか、「世界規模で見れば経済は成長を続けるはずだ」というようなことを前提とする必要が出てくるのです。
そのような前提についても、記事にしたことがあります。
(参考記事→インデックス投資の前提)
(参考記事→マーケットはニューノーマル化?)
◎自分にマッチした投資スタンスをみつけましょう
経済や景気の見通しについて、自分よりも明らかにアタマが良くて知識も経験も豊富な識者たちが、それぞれ異なった考え(ときには対極を構え、かつどちらも説得力がある)を持っていることを見ても、将来の不確実性を痛感させられます。
そして、それは同時に、自分の金融資産を預貯金だけで保有していたとしても、絶対に大丈夫だとは言い切れないことにもつながります。
期待リターンがプラスである株式や債券のような様々な性質の資産を持っていれば、何かが儲かっても何かが損するような状況になることもありますが、全体としてみれば下落時のダメージを軽減でき、長期的には利益が出やすいことも学問的に裏づけられています※6。私はそれを最も簡単に実現する方法として、国際分散インデックス投資を実践しているだけです。
もちろん、これが唯一の正解ではありませんし、必ず儲かる保証もありません。
ただし、インデックス投資をしていて、30年後に大損しているようであれば、ほとんどの金融機関も破綻して、資本主義も崩壊し、北斗の拳の世界のような状態になっているだろう、くらいには考えています。
(日本だけは例外ですが)世界中のどの株式市場を見ても、途中大暴落を経験しても株価指数は緩やかなインフレを伴いながら長期的には上昇していますし、ほとんどの企業は資本主義の経済システム(株価の長期的な上昇)が続くことを前提として成り立っているからです。
最後におまけですが、インデックス投資のような地味でまじめな投資であっても、世間一般にとって「投資」という言葉は、ほぼ「ギャンブル」や「危ないこと」と同義です。そのことを実際に私が痛感した体験記事リンクも張っておきます。投資を実践するには、家族などの理解も必要になる場合がありますからね。。
→テレビ出演の影響・投資に対する世間のイメージ【全3回】
投資は自己責任で!!
※1 細かいことをいえば、日本株式のインデックスだけに投資を行っても「インデックス投資」になるとは思いますが、計画的に資産形成を行っているほとんどのインデックス投資家は世界中の株式や債券などに分散投資しており、実際そのほうが効率的なので、ここではそれを基本として書いています。
※2 投資信託(ファンド)とは、投資家から集めたお金をまとめて、専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などで運用する金融商品です。
(分かりやすい参考書籍→【改訂版】 一番やさしい! 一番くわしい! はじめての「投資信託」入門
※3 ETF(上場投資信託)とは、株式のように売買できる、市場に上場している投資信託のことです。
参考記事→ETFやETNを投資初心者にオススメしていない理由
※4 「アセットアロケーション」と「ポートフォリオ」という言葉は、同じ意味で使われることもあれば、分けて使われていることもあります。ちなみに私は当ブログ内で、リスク資産の配分を「アセットアロケーション」と呼び、その具体的金融商品とその配分をポートフォリオと呼んで区別して使っています。
参考記事→アセットアロケーションやポートフォリオの理想と現実
※5 2014年9月の時点で、過去20年間のデータを見た場合。
※6 現代ポートフォリオ理論と呼ばれるものです。

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