いつか子供に伝えたいお金の話

インデックス投資(投資信託を使った国際分散投資)による資産運用・各種保険・クレジットカード・節約など「お金」に関することを書き綴るブログ

セゾン投信の「資産形成の達人ファンド」と「バンガード・グローバルバランスファンド」のどっちを買えばいいのか?

当ブログのメールフォームからよく来る質問の中に、

セゾン投信の2つのファンド、「資産形成の達人ファンド」と「バンガード・グローバルバランスファンド(2022年9月10日よりセゾン・グローバルバランスファンドに名称変更)」のどちらを買えばいいのか?

というものがあります。


「そんなことは、他人である私には分かりませんよ。。自分で考えてください(汗)」

とは思うのですが、けっこうよく来る質問なので、同じような疑問や悩みを持っている人がそれなりにいるのかもしれません。

私は、これまでに何度かセゾン投信に関する記事を書いています。

セゾン投信・ブロガーズミーティングに行ってきました
セゾン投信を投資初心者にオススメする理由
セゾン投信のバンガード・グローバルバランスファンドから資金が流出している件について
セゾン投信は危なくなかった
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの2012年度以降の日次流出入資金について
第2回・セゾン投信・ブロガーズミーティングに行ってきました

たしかにこれだけ色々と書いていれば、質問したくなる人も出てくるのでしょう。
せっかくなので、一応自分なりの考えを書いてみようと思います。

ただし、当然のことですが、他人の投資判断に責任は持てませんので、あくまでも私見です。



◎どっちか一本だけなら「バンガード・グローバルバランスファンド」

どちらのファンド(投資信託)も悪いモノではないので、欲しければ両方とも買えばいいでしょうし、べつに両方とも買わなくてもいいのですが、どちらか一本だけを買うなら、「バンガード・グローバルバランスファンド」の方かなぁ、と思っています。

そもそも、セゾン投信で投資信託を買うということは、多くの人にとっては、なるべく簡単に手間をかけずに投資(資産運用)をするということだと思います。

ある程度投資に手間をかけられるのなら、セゾン投信なんて利用せずに、もっと品揃えがあって色々な方法で投資ができるSBI証券などの「ネット証券」を利用すればよいのです。そういうネット証券で、様々な投資信託(ファンド)を組み合わせて自分オリジナルのポートフォリオを作れば、場合によってはセゾン投信の二つのファンドよりも低コストで投資できるかもしれません※1

「バンガード・グローバルバランスファンド」の最大のメリットは、それ一本だけを持っていれば、国際分散投資が完結することでしょう。
これってスゴいことだと思います。資産形成のための投資が、一つの投資信託を買い付けるだけでできてしまうのです(もちろん、無リスク資産※2とのバランスは考える必要がありますが)。


私自身がインデックス投資家※3なので、そのあたりは割り引いて読んでもらいたいのですが、証券口座をセゾン投信にしか持っていないという人が、「セゾン投信でどちらか一本だけ選ぶ」ということであれば、株式だけにしか投資できないアクティブ型の「資産形成の達人ファンド」よりも、株式と債券の両方に投資できるインデックス型の「バンガード・グローバルバランスファンド」の方が無難だと思います。
そして、それだけを保有して(積み立てて)いれば資産形成のための投資は充分でしょう。他の投資は不要です。



◎「資産形成の達人ファンド」も悪くないよ

んでは、「資産形成の達人ファンド」がダメなのかといえば、そんなことはありません。
全く買う価値のないアクティブファンドで溢れかえっている日本の投資信託のなかで、数少ないまともなアクティブファンドのひとつだと思っています。

セゾン投信の二つのファンドの設定時(2007年3月)をスタートとして、この記事執筆時点(2014年9月某日)でのパフォーマンスは、「バンガード・グローバルバランスファンド」よりも「資産形成の達人ファンド」の方が20%近く優れています。

客観的に見ても「よい運用をしている」といえると思っていますし、とっているリスクのわりにキチンとリターンを上げている優秀なファンドとして、定量的に評価されて表彰されたりもしています(R&Iファンド大賞2014)。


ただし、リーマンショック後の基準価額の最大下落時には、ファンドの設定時(2007年3月)を基準とすると、「資産形成の達人ファンド」は約54%値下がりしています。
「バンガード・グローバルバランスファンド」のほうは、約37%の値下がりでした。

リスクとリターンの関係では当たり前のことですが、高いリターンを得るためには、大きなリスク(値動きの振れ幅)も受け入れる(覚悟する)必要があります。
また、「バンガード・グローバルバランスファンド」と比べると毎年かかる管理コスト(信託報酬)が0.6%ほど高いことも事実です(コストが高いことは長期的には確実なマイナス要因です)。

「資産形成の達人ファンド」を買うのであれば、そのあたりのことも含んだうえで、判断をすべきでしょう。
(まぁ、それはすべてのリスク資産への投資に言えることですが。)


どちらか一本だけなら「バンガード・グローバルバランスファンド」とは書きましたが、手間を厭わないのであれば、自分の好みの比率で「資産形成の達人ファンド」も組み合わせて買う、なんて判断もあり得るかもしれません。
多数の証券会社の口座を保有している人が、ここでしか買うことの出来ない「資産形成の達人ファンド」を買うためにセゾン投信の口座を開設することもあるそうです。

私は買いませんが、例えば家族や知人が買おうとしていても止めはしません。
(ベラボーな高コストファンドや、毎月分配型・通貨選択型のファンドなどであれば止めます。)



◎投資判断は自己責任で!

セゾン投信の二つのファンドのどちらを買うのかという問題も、そもそもリスク資産に投資をするのかしないかの問題も、最終的にはすべては自分で考えて決断すべき問題でしょう。

「儲かったときは自分のナイス決断のお陰で、損したときは誰かのせい」というスタンスの人をたまに見かけますが、あまり感心できません。

資産形成のための投資は、他人のお金を預かって運用するわけではなく、自分のお金の使い道(置き場所)を自分で決断するものです。その責任を自分で受け入れられない人は、そもそも投資なんぞしてはいけません。


私が投資判断をするときは、コストや手間やリスクのほかにも、「損失が出たときにもそれを自分で受け入れられるか」という部分も重視します。
インデックスファンドや、インデックスファンドを決められた配分どおりにパッケージするようなバランスファンドであれば、損失が出たときも自分に矢印を向けやすいのですが、アクティブファンドの場合は、ついファンドマネージャーのせいにしたくなってしまいそうなのでアクティブファンドへの投資に食指が動きにくい、というのが私にはあります。
損失が自分のせいなら諦めもつきそうですが、そう思えない場合のやるせなさはなんとも言えないもののような気がしています(あくまでも個人的思考ですが)。


ま、そんなことも含めて、すべての投資判断は自己責任でいきましょう。
上手くいかなかったとき、くれぐれもそれを誰かのせいにしませぬよう。。



※1 信託報酬そのものは低コストになっても、投資にかける手間もコストと考えるならば、どちらがいいのかは、なんともいえなくなると私は考えています。
また、セゾン投信に任せるのと、ネット証券で自分でゴチャゴチャやるのと、最終的にどちらが好成績を残すのかも分かりません。個人的には、長い目で見たら、自分でゴチャゴチャやって「バンガード・グローバルバランスファンド」に勝つのは至難の技だと思っています。
(参考記事→リスク資産管理の優先順位変化

※2 無リスク資産が、本当に「無リスク」なのかは微妙な問題ですが、この話を始めると長くなってしまうので、ここでは無リスクということにしてあります。財政破綻や国家による私有財産没収レベルのことまでは考えても意味がないと個人的には考えています。
(参考関連記事→最悪の状況をどこまで想定するのかリスク資産と無リスク資産の色分け

※3 参考関連記事→インデックス投資とは

投資信託|セゾン投信

※セゾン投信のファンドは、楽天証券SBI証券から個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)用の商品としても買い付け可能。


その他セゾン投信関連記事はこちら


にほんブログ村 株ブログ 投資信託へ
↑記事を気に入っていただけたら、ランキングに1票(クリック)をお願いします。

関連記事

プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


Twitter:@mushitori
Facebook:Facebookページ

子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
BSテレ東マネーの学び:2022年10月13日
投資信託完全ガイド:2021-22年版
日経新聞広告:2021年2月12日
東証マネ部!:2020年8月
JBpress:2020年7月7日
ダイヤモンドZAi:2020年5月号
Yen SPA!:2020年夏号
トウシル(楽天証券):2020年4月
日経ヴェリタス:2019年9月15日
FOUND:2019年8月
週刊エコノミスト:2019年4月23日号
金融庁コラム:2018-19年
ITmedia:2018年1月29日
モノクロ ザ・マネー:2018年12月号
トウシル(楽天証券):2018年10月
ほったらかし投資完全ガイド:2018年1月
日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

このエントリーをはてなブックマークに追加

読みやすくてオススメの本

金融のプロが実はやっている 最もシンプルで賢い投資の結論

投資理論の基礎から実践まで学べる最高の教科書。→参考記事


改訂版 一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門

投資信託とは何なのかをやさしく解説してくれる本。→参考記事


お金は寝かせて増やしなさい

投資を始める前の自分に1冊だけ読ますならコレ。→参考記事


半値になっても儲かる「つみたて投資」

積立投資そのものを分析・解説している興味深い本。→参考記事


生命保険の罠

生命保険の販売現場のウラ話が満載の強烈な一冊。→参考記事

オススメのネット証券

楽天証券
管理人は個人型確定拠出年金(イデコ)でもここを利用。投信積立や残高で楽天ポイントがザクザク。キャッシュバックたっぷりの口座開設キャンペーンも多し。→参考記事

SBI証券
管理人もメインで利用中の最大手。低コストの商品が豊富で、月々100円からの積み立て投資に対応。投信保有ポイントサービスも高還元。個人型確定拠出年金(イデコ)も充実!

セゾン投信
リスク資産を1本の投資信託で管理したい人にオススメ。「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」は、月々5000円から投資でき、30カ国以上の株式と10カ国以上の債券に分散投資して、世界経済の成長を享受できる。→参考記事

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:


お返事できない場合もあります。また(ドコモ・auなどの)キャリアメールだと返信が届かないことがあります(参考解説記事)。

メッセージ内容はブログ記事に取り上げさせていただく場合があることもご了承ください。

注意事項等

当ブログでは個人的見解を述べているだけなので、他人の判断について責任は負えません。投資などを行う際は、あくまでも各自の責任においてお願いいたします。

リンクや引用なら問題ありませんが、無断転載はご遠慮ください。私は著作権を放棄しておりません。



アクセスカウンター

にほんブログ村 投資ブログ 資産運用(投資)へ