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投資信託を販売している証券会社や銀行が破綻したら?【投資初心者が投資信託に持つ疑問②】

知り合いの投資初心者から、投資に関する相談を受けることが多いので、よく質問される内容をまとめようと思って書き始めたのですが、前回は「元本保証なし」について書いただけで終わってしまいました。

今回は、「投資信託を買った証券会社や銀行が破綻したら、預けている自分の資産はどうなるのか?」ということに少し突っ込んで書いてみます。

(まぁホントは、そもそも、銀行で投資信託を買うことはあまりオススメできないと思っています。特に対面販売なんて論外です。。ただ、このような話は、またいずれ別途記事にすることにします。)



◎金融機関の信用リスクを目を向けるのは大切なことだけど・・


実際には、投資を始める前から証券会社の破綻を心配するような人はあまりいないようですが※1、このような視点は証券会社に限らず、自分の大切な資産を多く預けている銀行や保険会社などにおいても、一度は確認すべき大切なポイントだと思っています。

なので、今回の記事は投資初心者が持つ疑問には当てはまらないかもしれませんが、前回の記事からの流れを考えて、一応言及することにしました。


さて、「証券会社が破綻したら、預けている投資信託はどうなるのか」という問題に関しては、

そんなことを心配しても仕方ない

と、個人的には思っています(参考記事→最悪の状況をどこまで想定するのか)。ただ、これだけで記事を終わりにしてしまっては、あまりにも不親切なので、もう少し続けましょう※2



◎銀行預金と投資信託、それぞれの保全制度


銀行預金には、「ペイオフ」と呼ばれる制度があります。

銀行が破綻しても、預金者1人につき元本1000万円とその利息までが保証される制度ですね。

つまり、銀行預金は元本保証(運用中に投資額を下回ることはない)ではあるものの、預け先の銀行が破綻した場合は、1000万円までしか保証してくれません※3。極端な話をすれば、100億円を普通預金にしておいて、もしもその銀行が破綻したら、約99億9000万円は吹っ飛んでしまうということです。


一方、証券会社に預けてある投資信託はどうでしょうか。

投資信託に元本保証はありません(運用中投資額を下回ることはある)が、預け先の証券会社が破綻しても、全額保全されます。はい、全額です。

先ほどの銀行と同じ例だと、100億円の価値のある投資信託を預けている証券会社が破綻しても、その時点では100億円はそのまま保全されるのです。
(厳密に言うと、その投資信託を預かっているのは、証券会社ではなく、受託銀行と呼ばれる別の金融機関なのですが。)


まぁ、普通の人は(当然私も)そんな大金は持っていませんし、そもそも、銀行の破綻を想定することが現実的なのかどうかは置いておくとしても、日々変動はなく投資額を下回ることはないものの、いざというときには1000万円までしか保証してくれない銀行預金と、日々変動はあるものの、いざというときには全額保全してくれる投資信託のどちらが自分にとって安心できる金融資産であるのかは、一考の余地があるかもしれません。


投資信託は、販売した証券会社(または銀行)でもその運用会社でもなく、受託銀行という別の金融機関に保管されるルールになっているので、証券会社や運用会社が破綻しても、その時点の価値がそのまま残ります。

また、顧客の資産(投資信託)を預かっているその受託銀行においても、銀行の資産と顧客の資産は、分けて管理するようになっている(信託財産の分別保管)ので、仮に受託銀行が破綻しても、顧客の資産は保全されるルールになっています。

ただし、極論まで突き詰めると、受託銀行がルパン三世のような天才泥棒や国際的強盗団に襲われて、顧客の資産もろとも奪われてしまうとか、天才ハッカーに資産データをリセットされてしまうとか、証券会社や受託銀行の中の人が我々の預けている資産をすべて使い込んでしまうような事態が発生してしまった場合には、ペイオフと同じく1000万円までの保証となっています(投資者保護基金)。

※銀行や独立系投信会社には、この投資者保護基金への加盟義務はありません。



◎法令遵守を前提とすれば、心配は時間の無駄


んまぁ、要するに、最悪の事態をどこまで想定するのかという話になるわけですが、メジャーな金融機関が法律を守る、そしてルパン三世はいない、という前提に立てば、投資信託という金融商品は、悪くないシステムに守られていると思います。

上記のような例外中の例外もないではありませんが、基本的には「元本保証なし」のリスクを許容して投資信託を保有している投資家にとっては、証券会社破綻などの心配は、時間の無駄でしょう。

そんなことを心配しても、現実的な対策は難しいので、毎日を楽しみ、日々仕事でも頑張った方がいいと思います。

(もちろん、投資信託は元本保証ではないので、大手の証券会社が破綻するような状況だと、リスク資産に投資している投資信託の時価は大きく下がっている可能性が高いでしょう。一時的にはリスク資産の50%以上がマイナスになるような想定は必要だと思います。)

つづく
その他、現在価格確認や換金など



※1 ひょっとしたら、そこまで深く考えるような人は、知り合いに口頭で質問したりはせず、自分でインターネットなどを駆使して徹底的に調べあげているのかもしれませんが。

※2 投資信託を預けている証券会社の破綻については心配しても意味がないと思っていますが、貯蓄性の保険商品を保有している保険会社がある場合は、その破綻や倒産は心配してもいいと思います。貯蓄性の保険商品の場合は、管理方法が投資信託と違うので、下手すると、吹っ飛びますから。。

※3 無利息型の預金など、一部全額保護対象になるものもあります。


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プロフィール

虫とり小僧

Author:虫とり小僧


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子供の頃は、一日に800匹以上のバッタを捕まえるような虫とり少年でした。また、歩行中にはすべての家の「ピンポン」を必ず押すようないたずら小僧でもありました。今はただのザコです。

※好きなものは、歴史・格闘技(実践も観戦も)・筋トレ・秘湯めぐりなど



自分の全資産を「円」のみで保有していること(何もしないこと)は、それなりのリスクを伴う集中投資に近いものだと解釈して、私は購買力維持や資産形成を目的に、世界中の株式や債券なども保有しています。

約18年前から、なるべく手間とコストをかけずに実践している投資方法を、いつか我が子に伝えるかもしれないので、そのための備忘録を書いておくことにしました。

投資の実践といっても、ひと月に一度の自動積立と、たまにやるリバランスくらいですが…



※当ブログのエッセンスをまとめた記事はこちら

我が子に伝えたい5つの大切なお金のこと


※主なメディア掲載・出演履歴
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トウシル(楽天証券):2018年10月
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日経電子版:2017年12月25日
ニューヨークタイムズ:2017年7月11日
REUTERS・ロイター:2017年7月7日
東証マネ部!・R25:2017年3月
Yen SPA!:2016年冬号
BIG tomorrow:2016年1月号
ザイ・オンライン:2015年9月18日
日経ヴェリタス:2015年7月26日
某大手テレビ局:2014年夏?
日経マネー:2013年10月号
日経新聞:2013年7月3日
NHK特報首都圏:2011年3月

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